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第四幕 新たな問題

テスト許さん

「俺がリザードマンの頭首であるギースである。蛇よ、俺になんの用だ?」


俺の想定通りリザードマン達にはリーダー的存在が存在していた。だが俺達が思っていた以上に厳格そうな人だ。体格もがっちりしていてちょっと怖い。


「あの、伺いたいことがありまして、」


ここは下手に出るしかない。多分ここで戦闘になったらまずいことになるし。それにわがままを言っているのはこっちだ。しっかり敬意を払っておかねば。


「もちろんかまわぬ。だがこちらの質問にまず答えてもらおう。」


「な、何でしょうか。」


「最近、俺の配下の一人が殺された。死体は跡形もなく消え去った。貴様、何か覚えはあるか?」


ギクッ!ま、まずい!ここでバレたら一貫の終わりだぁ。な、何とか乗り切らなければ。


「わ、わわ、わかりかねまふ。」


「?どうした?汗が噴き出ているが?」


終わったかこれ?敵対ルート確定コースか?

とりあえず無言を貫け!


「...まあよい。知らぬのだったらそれまでだ。我の願いに応じてくれたことを感謝しよう。」


...?乗り切ったのか?どうやら疑いが晴れたらしい。まあ真犯人は俺だし、確信犯何だが。もしバレたときは逃げるか、謝罪しよう。


「そ、それでは質問をしても?」


「構わぬ。言ってみろ。」


「それでは、2つ。まず一つはなぜこのような防衛線を張られているのでしょうか?」


正確な理由はわからない。だがまぁ、大方の理由は...


「先に申した通り我の配下がやられたこともある。だが...」


やっぱりか。とは思ったがまだほかの理由があるらしい、何だ?


「最近、魔人に攻め込まれてな、一度目は死者なく乗り切ることができたが、傷ついた者がたくさんいた。次に攻め込まれれば必ず死者が出る。だからこその防衛線だ。」


魔人?そんなのがいるのか?


「つかぬことをお聞きしますが、魔人とは?」


「魔人は通常の魔術師より魔術を極めたものだ。普通なら友好を結びたいだなんて思うかもしれんが、だが彼奴等は好かん。魔人達のほとんどに怪しい噂が流れている。魔王の配下もいるかもしれないだとかな」


ヤバい情報が増えすぎている。魔王だとか黒い噂だとか。どうしよう、話についていけな い。…そうだ!


「ガブリエル〜。ガブリエル!」


『?どうなさいました?』


「今までの話とこれからの話をまとめて後で分かりやすく教えてくれない?」


『ふっ。お安い御用です。』


あれなんでだろう。一瞬ガブリエルのドヤ顔が見えたような...


『気の所為です。』


はい。気の所為です。


◆◇◆◇◆◇◆


「話を戻すぞ。実は防衛線を張るのにはもう一つ理由がある。」


「?まだ理由があるのですか?」


「ああ。実は魔人の後にもう一つ攻めてきた奴がいてな。それがオーガなんだ。」


なにっ、オーガだと!異世界大好きボーイズアンドガールズがみたすぎてわめき散らかす種族じゃないか。オーガといえばかっこいいイメージがある。某スライムのおかげだろうか。名前を聞くだけでかっこいい姿が脳裏によぎる。


「オ、オーガまで襲いに来たのですか?」


「ああ、そうだ。俺の予想ではあるがな、あいつらはきっと魔人の手下だ。魔人の指示で襲いに来た。そんなところだろう。」


まじか。普通にオーガに会いたいのにもしもあったら戦闘になるかもしれないのか。


「わかりました。では次の質問です。この世界のことを教えてください。」


「ん?なんだまさか知らないのか?」


「はい。実は最近生まれたばかりでして... 」


「生まれたばかり。にわかには信じられん。少なくとも10、いや15ほどは生きているのではないのか?」


リザードマンさん大正解。僕は実年齢16だよ。


「はい。生まれたばかりです。」


だがここで実年齢を打ち明けると面倒なことになりそうだから言わないでおこう。


「そ、そうか。だがやはり信じられん。生まれてすぐそのような量の漂魔をまとっているとは....」


そうだな。一応この質問もしておこう。


「やっぱり自分の漂魔の量は多いのでしょうか?」


「多いなんてものじゃない。ここを襲った魔人と比べても比にならない。そもそもの話なぜ2種類の漂魔をまとっているのだ。いやそもそも漂魔なんて枠には当てはまらぬ。神聖覇気にこれは...魔神覇気か?神聖覇気のほうがつよいがとんでもない。完全に常識の範囲を超えている。」


急に褒められた。なんだかうれしいな。しかもオレのレベルは中々いないのかぁ。なんだか本当に気分がいいなぁ!


「興奮してきたぁ!」


「ど、どうした。気持ち悪いやつだな。」


し、しまった。感想が口から...。気をつけよう。


「す、すみません。では本題に戻りましょう。世界について教えてくれるとうれしいのですが。」


「ああ、そうだな。教えよう。この世界はアルカディア、レヴァランティア、ゼフィリア、グラシオンと呼ばれる地域がある。そしてアルカディアの中でもここはシルヴァンと呼ばれる国の領土となっている。この中にはたくさんの種族がいるな。オーガ、リザードマン、ゴブリンから人間までたくさんいる。それに離れた島になるが鬼ヶ島には鬼もいるな。」

 

なるほど。鬼なんかもいるのか。前の集落で人間とゴブリンがいるのは知ってたけど。実際村長は人間だけど青年隊長はゴブリンだった。


「何か知っていそうだな。もしやここに来る前にもどこかの集落に行ったのか。」


「はい。ゴブリンと人が共存する集落へと。」


「ゴブリンと...人間...なるほど。あのくだらん集落か。魔獣の襲撃で滅べばよかったものを。」


酷い良いようだな。なんだ?彼奴等なんかやらかしてんのか?さすがにここまで言うって尋常じゃないよな。


「あの...なんでそんなに嫌ってるんですか?」


「俺の敵だからだ。まさか2000年前のことも知らないのか?」


「知りませんし、2000年も生きてるんですね。」


「ああ、きっかけは2000年前の魔神大戦のことだ。この戦争は世界を我が物にしようとした魔神王ジールの反逆により起こったものだ。この戦争では世界の平和を望みこのままの体制を願った剣神側とジールのもとでの体制を望む魔神側に分かれた。結果的にジールは滅び剣神側の勝利となった。俺や今普通の国で生きている人族の大半は剣神側だった者の末裔だ。俺はずっと生きているがな。ただ大戦で敗れた魔神側は周りから非難をくらい至る所に散りばめられ、気づけば奴隷のような扱いを受けたり、人として扱われないようにもなった。その集落の奴らは魔神側についた者たちの末裔だろう。願わくば滅ぼしてもいいのだが、我らが滅ぼすと周りから反感を買う可能性もあるからな。今回のようにこれらを口実にオーガたちが攻めてくれるかもしれん。」


なるほどね。だから人間とゴブリンが共生していたり未開の地みたくなってたりしたのか。てか、そんなことあるなら俺に言えばよかったのに。まあ言いづらいか。迫害の対象にされるんだ。オレにそんなこと言って何されるかも分からないだろうしな。


「ありがとうございます。何から何まで教えてもらって。」


「かまわぬ。だが気をつけろよ。今この大森林内はかなりピリピリしているからな。」


「ご忠告感謝します。」


そう言って立ち去ろうとした。だがどうしようか。オレは困っている人を助けたい。そうガブリエルにも誓った。今の状況はギースが困っている、と言っていいのではないだろうか。だったら俺はどうするべきだ。答えは一つだ。


「ギース様。一つご提案が。」


「何だお前の言う提案とは。」


「今回のオークや魔人との戦いで私にも協力させてくれないでしょうか。」


「何だと?お前に彼奴等と戦える力があると?」


「並の戦士よりはあるかと。」


勢いで言っちゃったけどもしかしてまずいか?リザードマンたちに喧嘩売っちゃったかな?


「何だと?俺たちですら太刀打ちできなかったんだぞ?」


「まさかあの蛇は俺たちのことを舐めているのか?」


「あのような奴は、即刻処刑すべきでは?」


はい。予感的中。まずいことになりました。

さあ、ギースはどうだ?


「…まあいいだろう。ぜひ協力してもらおうか。」


ギースは大丈夫なようだ。取りあえず何とか...


「だが、そこで大した活躍もできぬようだったら、どうなるかわかっているな?」


大丈夫ではありませんでした。結局はピンチです。ヤバい、小4で我慢出来ずにうんこ漏らしたときぐらいヤバい。それぐらいココロに余裕がなくなった。


いや大丈夫だ。考え直してみろ。リザードマンには実際勝ってる。そんなリザードマンたちも一度は対処できたんだ。だったら俺にも少しぐらい活躍できるだろう。


「もちろん理解しております。その上での提案です。」


「…覚悟はできているようだな。いいだろう。参加させてやる。」


こうして俺の参加が決まった。自分で言うのもなんだが強めの戦力があるのはいいことだろう。まあオレ以外のヤツが転生してたらもう少し強いかもしれないが。

いや、大丈夫だ。今そんなことを考えるのはやめよう。オレにしかできないこともあるはずだ。


「ありがとうございます。」


「なぜ貴様が礼を言うのだ。」


たしかにそうだな。ハハハ、少し緊張しすぎたな。


◇◆◇◆◇◆◇


あれから1日。自分は領土の境の見張りをしている。ほかの見張りに「どこかで見た気が...?」と言われたときはさすがに焦ったが、バレずに何とか耐えた。そんなこんなで今に至る。なんだかんだで不眠不休(オール)しているけど、意外と体調には問題がない。


『それは私が自動的に微弱な超強力回復(ハイヒール)を使用しているからです。』


なるほどね。少しずつ回復していると。それは便利な使い方だな。常に発動しているとうれしい。


ちなみにここらへんはこんなことを気長に考えていても何も起きない。本当にオーガが攻めてくるのだろうか。そんなことすら考えさせられる。…あれ、こういうのってフラグっていうんじゃ?やっぱり今の無しで. . .  


そんなことを考えてるととんでもない光景が視界に広がる。少し離れた場所で大爆発が起こった。自然に起こったとか魔獣が起こしたとかじゃない。明らかにスキルや魔法によるものだ。そんなことするのは。


「来たかよ!オーガ!」


俺は急いで爆発が起こった地点へと向かった。



ヴェルハウンコモラシタコトガアルノカ。

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