冷静
読んで頂いて居る片方ありがとう御座います
その日は朝から雲が低く湿気強い、梅雨時に似た季節だった‥‥
何時も、喧しい位に人の往来があったのに、その日は静かで違和感を覚えながら、冗談を言いつつ
何時も通り俺達は、次の町まで街道を歩いていた。
少し広い道の中央に鎧を着けた男が1人立っている。「お待ちしていました。ケルタさん」
バールはスーッと剣を抜き構えると、両脇から二十人づつの長槍と盾を持った兵士が現れ道をふさいだのだ。
俺達は踵を返し後ろを振り向いたら、時既に遅く50人程の兵士に横と後ろを囲まれている。
焦りを感じながら、
「何かの間違えでは?!」
そう、言うと前にいた金ピカの鎧を着た男が、
「間違えじゃねーよ、魔神王!」
「ケル‥タ‥」
ハンマーの声に振り返えると、口から血を流し静かに倒れて行く姿が映った‥
血みどろの剣を握っり立っているバールがいる。
「あにっ‥!クッ‥」
次の声を捜すと、空中に浮かびながら、手足が在らぬ方へ折り曲がり、最後は体を逆くの字にした
スタッピが音をたて地面に落ちた‥
「グチャ!」
俺は‥何故他人事の様な錯覚を覚え、心は妙に冷静だったのを覚えている。
「今のは、貴方が?」
金ピカ野郎に問い掛けると、
「あ~あれ、そうだよ」
ニヤけた顔で答えて来た。俺は、手を翳しステータスを見ようとしたが、何も分からなかった。
「皆!出てこい!‥!」
霊獣達の返事が無い。そこで全て悟った。
「あー俺、死ぬんだな‥」
分かりきていたが、ダメ元で懐のナイフを野郎に投げつけ、案の定、簡単に払われ行き場を変えたナイフが横にいた女の腕に刺さった。
「姫様!エライヤ姫!‥!」
周囲がザワ付く中、野郎が近ずき、
「随分前から、お前の力を俺の結界で封印してたんだよ~分からなかったかな?」
俺の前まで来た野郎は、成す術を無くした俺の頭を両手で鷲掴みにしながら野太い声で、
「お前は目障りだ、死ね‥救世主‥」
その声の後、自分の頭蓋が割れる音を聞きながら‥‥悔しい思いと、怒り念を抱き‥‥‥‥
‥‥絶命‥‥した‥‥‥。
生暖かい目で宜しくお願いします。