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徒然百讀録  作者: アレセイア
紹介
11/14

松岡圭祐「シャーロック・ホームズ対伊藤博文」

 松岡圭祐「シャーロック・ホームズ対伊藤博文」


 世紀の名探偵と幕末の志士、運命の邂逅――。


 シャーロック・ホームズは生き延びていた。

 宿敵、モリアーティ教授との決戦の後、辛くも生き延びた彼は、モリアーティの残党の油断を誘い、一網打尽にするために敢えて死を偽装する。

 そして、彼が身を隠すために密航した場所は、日本――伊藤博文の元だった。

 彼らがまだ若かりし頃、二人は束の間の邂逅をしていた。その縁を頼りに、ホームズは伊藤の邸宅に転がり込む。

 日英の文化の違いや信念の食い違いから、二人は衝突することもあったが、徐々に二人は互いのことを理解し合うようになっていく。

 その中、日本は大津事件を巡って暗雲が漂い始めていた。

 ロシアの皇太子、ニコライが負傷した事件、大津事件。当初、ニコライは寛容な姿勢を見せていたが、つい最近急に態度を急変させ、日本を糾弾する動きになったという。

 このままでは深刻な外交問題――ひいては、戦争の引き金になりかねない。ホームズは匿ってくれている恩を返すべく、その解決に乗り出す。

 しかし、その事件の真相は徐々に、日本の存亡にかかわる重大な危機に関与していた。

 大津事件の真相は如何に。そしてホームズは無事にイギリスに帰国できるのか。ホームズ&伊藤が奏でる、歴史ミステリーエンターテインメント。


 松岡圭祐氏は万能鑑定士Qや千里眼シリーズで有名だ。着眼点が鋭く、あっと驚くようなエンターテイメントを綴るが、今回は何と歴史の謎に挑む小説だ。

 ホームズは名探偵で、毎回ずばりと名推理を繰り出すイメージがあるが、実はあまりエレガントな人間ではない。

 コカインの常習をしており、人の神経を逆なでするような発言をし、部屋で銃を打つなどの奇行がある。そのため、相棒のワトソンも頭を抱えたそう。

 一方の伊藤博文も、女遊びの癖があり、また若い頃は攘夷思想だけで英国人の建物を焼き打ちするなどの向こう見ずな無謀が目立っている。

 そんな二人が、お互いに出会い、刺激されて変わっていく。ホームズ&ワトソンとは違った、新しいコンビにどこか愉快な気分になる。

 二人が共に事件を解決する中で、変わっていくさまは非常に面白く、そして怒涛の展開に圧倒された。

 ガイ・リッチー監督の手がけた2009年の映画「シャーロック・ホームズ」の配役で、是非とも見てみたいと思える作品だ。


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― 新着の感想 ―
[良い点] もうタイトルからして、その意外な組み合わせに目を引きます。 娯楽小説を追及して改稿を重ねる氏らしい作品だろうと、読む前からワクワクしますね。 他の紹介作も面白そうです。隆慶や山田風太郎など…
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