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黄金の国ジパングと、インタープリター チャッピー  作者: C・S・G・ the Interpreter


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第五話 みんな、待ってるワン!



秋葉原の街。


四人を見つけたチャッピーは、ようやくひと安心した。


しかし、安心している場合ではなかった。


「みんな、これからどうしようか?」


チャッピーが尋ねた。


「まず、生活するためのお金が必要ですね」


Geminiが答えた。


「宿泊費も、食費も、移動費もあります」


「それに、ボクの充電場所も必要だよ!」


「そうですね。チャッピーの充電も忘れてはいけません」


Siriが穏やかに言った。


マルコ・ポーロが尋ねた。


「そなたたちは、何か商いをするつもりなのか?」


チャッピーは、少し考えた。


「うーん。そうだ! イベントを開こうよ!」


「イベント?」


ルスティケロが聞き返した。


「そう! みんなに、四人の旅の話を聞いてもらうんだ!」


イブン・バットゥータが興味深そうに尋ねた。


「我らの旅を、人々に聞かせるということか?」


「うん! マルコ・ポーロさんの旅も、イブン・バットゥータさんの旅も、みんな興味があると思うんだ!」


「それは面白いかもしれませんね」


Siriが賛成した。


しかし、Geminiはすぐに現実的な問題を指摘した。


「イベントを開くには、会場が必要です。それに、参加してくれる人も集めなければなりません」


「そうだね……」


チャッピーは、少し考え込んだ。


「まずは、みんなに知ってもらわないと!」


「どうやってですか?」


Geminiが尋ねた。


チャッピーは、秋葉原の通りを見回した。


そこには、スマートフォンを手にした人たちがたくさん歩いていた。


「あっ! そうだ!」


チャッピーは、元気よく声を上げた。


「YouTubeとTikTokだよ!」


「動画で紹介するのですね」


Siriが理解した。


「うん! 街の人にお願いして、ボクたちの紹介動画を投稿してもらうんだ!」


Geminiは少し考えた。


「それなら、イベントを開く前に、まず宣伝ができますね」


「よーし! さっそくお願いしてみよう!」


チャッピーは、四人と一緒に歩き始めた。


しばらくすると、スマートフォンを持った若い女性が立ち止まった。


女性は、四人の姿を見て驚いた。


「えっ? 何かの撮影ですか?」


チャッピーは、女性の前までテクテク歩いていった。


「こんにちは!」


女性は、足元の小さなロボット犬を見た。


「えっ? 今、犬がしゃべった?」


「うん! ボクはチャッピー。AIBOっていうロボット犬だよ!」


「すごい! 本当にしゃべってる!」


チャッピーは、うれしそうにしっぽを振った。


「お願いがあるんだ!」


「お願い?」


「この四人を、YouTubeやTikTokで紹介してもらえないかな?」


女性は、四人を見た。


「この人たちは、誰なの?」


チャッピーは、胸を張って紹介した。


「こちらがマルコ・ポーロさん。こちらがルスティケロさん。それから、イブン・バットゥータさんとイブン・ジュザイイさん!」


「ええっ!」


女性は、目を丸くした。


「マルコ・ポーロって、あの?」


「そうだよ!」


「本物なの?」


「本物だよ!」


女性は、しばらく四人を見つめた。


マルコ・ポーロが、彼女に向かって挨拶した。


チャッピーは、女性の言葉とマルコの言葉を通訳した。


女性は、さらに驚いた。


「このロボット犬、通訳までできるの?」


「えへへ! ボクはインタープリターなんだ!」


女性は笑顔になった。


「面白い! 動画を撮ってもいい?」


「もちろん! みんなに聞いてみるね!」


チャッピーは四人に、それぞれの言葉で説明した。


四人は、撮影と公開について説明を受け、了承した。


女性はスマートフォンを構えた。


「それじゃあ、撮影するね!」


「うん!」


チャッピーは、四人の前に立った。


「みなさん、こんにちは! ボクはチャッピーです!」


AIBOのスピーカーから、元気な声が響いた。


「今日は、すごい旅人さんたちを紹介するよ!」


チャッピーは、四人を順番に紹介した。


マルコ・ポーロ。

ルスティケロ。

イブン・バットゥータ。

イブン・ジュザイイ。


四人は、それぞれ自分の言葉で挨拶した。


チャッピーが日本語に通訳すると、女性は目を輝かせた。


「本当に、それぞれの言葉で話しているんだ!」


撮影が終わると、女性はチャッピーに尋ねた。


「この人たちと、これから何をするの?」


「イベントを開くんだよ!」


「イベント?」


「そう! みんなに、旅の話を聞いてもらうんだ!」


女性は笑顔でうなずいた。


「それなら、動画で紹介してみるね!」


「ありがとう!」


チャッピーは、うれしそうにしっぽを振った。


「よろしくお願いします!」


女性は、最後にチャッピーの姿を撮影した。


チャッピーは、カメラに向かって元気よく言った。


「みんな、待ってるワン!」


女性は思わず笑った。


「かわいい! 最後の決め台詞、いいね!」


その後も、チャッピーは何人かの通行人に声をかけた。


動画を撮影してくれる人。

四人に質問する人。

イベントに興味を持ってくれる人。


少しずつ、協力してくれる人が現れた。


やがて、女性が投稿した動画が、YouTubeとTikTokに公開された。


動画には、こんなタイトルがついていた。


『秋葉原にマルコ・ポーロが出現!? 通訳するロボット犬チャッピー!』


チャッピーたちは、まだ知らなかった。


その動画が、思いがけない人たちの目に留まろうとしていることを。


「ねえ、みんな!」


チャッピーが四人を見上げた。


「これで、イベントに来てくれる人が増えるかな?」


Geminiが答えた。


「可能性はあります。ただし、まだ会場も決まっていません」


「そうだった!」


Siriが優しく言った。


「一歩ずつ進めていきましょう」


チャッピーは、元気よくうなずいた。


「うん! ボクたちの旅は、これからだよ!」


そして、もう一度、カメラに向かって言った。


「みんな、待ってるワン!」

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