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仮面のカルム  作者: 晴埜あこ
仮面のカルムは宵闇に踊る

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8/12

1-8

 カルムが再度一階に降り立つと、辺りはしんと静まり返り暗闇が空間を包み込んでいた。

 先ほど言われた通り、カウンターにあるベルを鳴らそうとカルムが手を添えたと同時に、カウンター裏からダズリンが顔を出した。


「遅かったな、若造めが」

「少しお時間をいただきたいと、先ほどお伝えしましたよ」


 目をきゅーっと瞑って笑顔でカルムは答える。

 ダズリンはこめかみに筋を浮きだたせながら、カルムをカウンター裏の隠し階段へと招き入れた。



 

 階段を下りていくと、そこは開けた空間になっていた。

 電球が張り巡らされいるが薄暗く、地下ということもあってか酸素が薄く感じる。


 空間には一つ大きな丸テーブルが置かれ、それを取り囲むように五人ほどの人が立っていた。

 全員黒いローブを纏い、フードを目深にかぶっているのでそれぞれの表情は見えない。


「お待たせいたしました。先ほどお話しておりました、旅商人と名乗る若者です」

「ご紹介にあずかり光栄です。私はカルム。お伝えの通り旅商人として各地を旅しております」


 ダズリンの言葉に付け加えるようにカルムは挨拶をした。

 この場で表情が読み取れるのはカルムとダズリンの二人だけだ。


 周りの五人は挨拶されたにも関わらず、誰一人として言葉を発しなかった。代わりに一人がコツコツと指でテーブルを鳴らし、それに続いて他四人もコツコツと合図を送る。

 カルムはその奇妙な光景にも笑顔を崩さず言葉を発した。


「いやぁ! 歓迎していただきありがとうございます! 何分商人としてこれからの身故、玄人の方々とお話しできるだなんて滅多にない機会でして!」

「だ、黙れ! 皆様、騒がしくして申し訳ございません……!」


 カルムの快活な様子にダズリンは慌てふためく。まるで大声を出してはいけないかのように。

 少しの静寂がその場を包み込んでから、空気が揺らめいた。それと同時にカルムが不敵な笑みで呟いた。


「さ、ゲームの始まりだ」


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