↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界で生きていく  作者: ゆう
人と関わる怖さと知らない恐さ
96/156

現実の魔女

「~と、魔女について知られて居るのはこんなところでしょう」


「限りの無い寿命を生かしてスキルを磨いて居るのね。私だったらそんな何百年もお勉強何て嫌だわ」


「……ルーレシア様や先生だったら、もし永遠に生きられるとしたらどうしますか?」


「私?私は、嫌よ。永遠に生きられるとしてもそれっていつか一人ぼっちになっちゃうじゃない。寂しいわ。私はちゃんと『老化』して皆に見守られながら笑顔で死ぬのが良いわ」


「そうですね。私は他の人を置いて死んでいくのは嫌ですね。だから、長く生きられる事は魅力的です。しかし、親しい人を全て見送った後は長くは無いでしょう」


「……そうですよね」


「……ヤウ嬢。今は若く将来への希望や、やりたい事が沢山有るのでしょう。しかし、いくら好きな事をしていてもいずれは飽きが来る、もしくは満足してしまうものです。何より、独りで人は生きていけません。魔女の話をしていても、不老不死に憧れてはいけませんよ。魔女も有る意味狂っています」


「……」


「狂っている?」


「ええ。そうでなくては魔女とは呼ばれません。賢者、等と呼ばれていたでしょう。魔女はただただ目的もなく魔道具を生み出し続け、気紛れに与えては騒ぎを引き起こす存在でもあります。事実、いくつかの国が魔女の道具で滅んでいます。そしてそれを魔女は実験と称するそうです」


「……魔女がそう言ったのですか?」


「これは噂程度ですが、魔導国として魔女について研究する機関が有るのですよ。魔女の作品を収集し、解析する。その結果魔女は恐らく自分の作品の行方をある程度観察しているようです。時期的に結果が反映されていますので。自分の作品が国を滅ぼすのにそれでも供給し続けている。正気ではありません」


「魔女を研究する機関ですか?」


「そんな物が?」


「はい。魔女が助けてとは言いますが、明らかに過剰な薬、強力すぎる魔道具、武器、防具。さらには、助けられた状況では使わないだろう、通信の魔道具や殲滅兵器とも呼べる代物まで出回る事も有りました」


「……」


「先生詳しいのですね」


「ええ。一時期所属していた事が有りまして。まあ、そのように魔女の動向は各国も気にしているのですよ。ここ百年の記録では、点々と移動する魔女の居場所の割り出しも当たって来ているそうです。場所が場所だけに中々たどり着けないそうですが」


「え……」


「そうなのね。魔女の協力が有れば魔道具も更に発展するでしょうね」


「ええ。これまでは偶然冒険者が見つける、しかも助けられる形でだったのですが、こちらから接触し、協力を依頼する事も可能でしょう。魔導国では実験施設も完備されていますし、魔女のスキル構成からの性格割り出しでも安全な場所での実験、生産、知識の充実が有ればこちらの提案にのる確率が高いかと思われます」


「……」無い。


「性格割り出し、ですか?」


「はい。長年の研究により、ある程度スキル構成と本人の性格は関係が有ると分かっています。その中で、魔女が作ったものから魔女の持つスキルを推察し、性格を割り出すのです。例えば、私の場合は〈指揮〉スキルが高いのですが、これは自分の意志がはっきりしている。堂々としている人が多いです」


「……確かに、家庭教師をするのに先生より身分の高い人にも結構ズバズバ言いますね」


「……ごほん。お嬢様は好奇心旺盛、観察眼に優れていますから魔道具作りの才能は有るでしょう。また、〈観察〉等もですね」


「おお。ヤウはどう?」


「ヤウ嬢は、警戒心が強く集中力は高めですね。また、発想も良い。スキルは……〈隠密〉、もしくは魔法使い系でしょうか」


「……」

成る程。では、もうちょっと体術を頑張ろう。


「ヤウは魔法使いになるの?でも、魔道具が好きよね」


「お嬢様。向いているからと言ってそれをしなければならない理由はありませんよ。あくまで傾向ですし。それに、ヤウ嬢はお嬢様の侍女ですから元々あまり自由にスキルは選べません」


「……そうなのね。……ところで、魔女ってどんな性格なの?」


「そうですね。まず、〈錬金〉と〈調薬〉が高いのですが、調薬を選ぶ人は優しい人が多いですね。本来の性格はこちらでしょう。しかし、魔道具や武器防具の方が良く作られていますね。これは恐らく不老になってからの物で典型的な研究者気質、特に結界魔道具、〈結界〉から臆病。等々」


「成る程です」


「……」

まじか。最悪。そこまで研究されてる何て。人怖い。変態。ストーカー。


貴族ごっこ終わったら魔女ごっこには戻らない。いや、下手に姿変えても同じような事していては変わらない。姿変えを疑われても不味い。自分のLvだともう少し奥、魔物の強い所でも大丈夫か。魔道具の強化は必須だな。


……

「そろそろ、時間です」


ああ。漸く終わった。

「ルーレシア様。少し早いですが、御昼食、軽く散歩(運動)して入浴後エステ。それから、着替え、身だしなみを整えてお茶会となります」


「分かりましたわ。ですが、今日は私の侍女では無くて、ヤウ子爵令嬢、お友達でしょう?」

そう言ってルーレシア様はにっこり笑う。


普段は表情を出してはいけないが、今回は自分も微笑む。

「……はい」


貴族に成った時点でお友達なんて幻想ですよ?ルーレシア様。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。