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異世界で生きていく  作者: ゆう
人と関わる怖さと知らない恐さ
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人形

ある魔女は思い立つ。


死ぬのが怖いなら死んでも良い体を作ればいい。


魔女の人形作成の始まりだった。


まず、体を用意するのは簡単だった。

世界での'体'というものは、魂を収める器と言う役割である。霊ではなく物質なのは魔力を留める為、もしくは他者と区別する、他者に干渉する。


体に動く為の仕組みは無い。

状態はステータスの『状態』で管理され、どの程度動けるかも、ステータスと種族とスキルが全て決める。


だから、どんな物でも人形(ヒトガタじゃなくても良い)が有れば良かった。



そして、人と言う存在の核。魂。

これは、自分が変異スキル〈〈精神分裂〉〉が有る。精神、要は魂の表面を削って分ける感じなのだが、これでいけないかな、と思ってた。


が、上手くいかない。

いや、スキルは発動する。ただ、分裂で分けたはずなのに離れないというか、むう。



魂に手を出すのが無謀か、と思いつつ人形に〈付与〉したり回路を刻んだりして人形だけで動くように細工していく。


足の部分には〈歩法〉〈走法〉。

この〈歩法〉が地味に取るの大変だった。色々試した結果、一定速度、リズムで歩くとかなにそれ。


魔術回路も回路図が、スキルや魔法を〈付与〉した時に現れる模様がそうなので本とかで回路を調べられない以上結局スキルをとらざるを得ない。

しかも、魔術回路は組み合わせも重要になってくる。本当は〈歩法〉と〈走法〉、〈魔力操作〉で歩くから走るをスムーズに切り替えられるのだが。


ともかく、こっちに魔力を流すと歩く。一回止まって切り替えてこっちに流れるようにすると走る。


よし。


腕、胴、頭、と各種回路や〈付与〉を行う。〈身体制御〉も。表情やぎこちなさも〈演技〉でカバー。〈演技〉なら一気にそれっぽく見える。


舌に〈話術〉。耳に〈音感知〉〈聞き耳〉。目は〈暗視〉〈魔力視〉〈遠視〉……。


頭に詰め込み過ぎたので、肝心の動力は胸へ。

最高級のLv150の魔石を中心に〈HP回復〉〈MP回復〉〈再生〉[自動修復]……


よしよし。




〈付与20〉から使える[遠隔発動]を回路に駆使して作ったコントローラー。


そう言えば、ヒトガタの人形本体は【キャラクター】で作った片手がくっついてる双子っぽい生物の片方と片手を切ってくっ付けた物。

まさしく半身を切られる(HPを半分に削られる)苦痛との戦いだった。

だからこそ、〈錬金〉でも作れないLv400超えの素体を得られ、〈付与〉や魔術回路をつけ放題だったわけだ。


実験。


隣の部屋。

人形の感覚機関ではオーケー。

部屋に設置した監視魔道具でも人形の感覚との差は無し。

自分の方も〈高速思考〉〈並列思考〉があり、ステータスの速力も十分な為、操作は可能。


人形自体の〈解析〉結果。

魔導人形 Lv150

耐久 30000/30000

分類 魔道具 特殊

品質 良

効果 人種ステータス150 耐久(HP・MPに相当)自動回復51 …… 接続連携(頭、腕、脚、魔核)…… 隠蔽51 隠密51 …… 自爆5

……



ほう。

なかなか予想外の仕上がり。HPとMPは統合、耐久と言うカテゴリに。魔石は魔核と言う名称になって周囲に刻んだ回復、修復系も耐久自動回復になったか。


Lvは魔核基準。せっかくLv400ぼでいを用意したのに。

まあ、そこは効果に反映されているんだろう。



じゃあ、次は家の外……


結界の外……


庭の外……あ……


魔物に殺られたか。

回収。

うっかりそのまま行ったが、確かにLv150相当で戦闘スキル無しだと厳しい。


仕方ない。もう少し、街の近く魔物の弱いところへ。

うん。問題無し。だが、離れた分微妙にラグが有る?一秒にも満たないが、実際に操作したのと感知した動きがずれてるな。


〈空間属性〉で距離の問題を……。

燃費を考え……。

気にならない程にラグを短く……。

〈時属性〉……。

……。





むぅ。


あ~!もう。

くそっ。


やらかした。だから人は嫌いなんだ!

遠隔だからって不注意だったのはこっちもだが。



ああ↑?

「(放せ)」


「喋った!」


「(放せと言っている)」


「貴様はなんだ?」


「(これは、魔導人形だ!これが何かしたか!?)」


「魔導人形……。いや、自律人型魔道具はまだ一定の動作しか……。と言うか、喋って……!」


「(何かしたかと言っている)」

チッ。〈観察〉付けて無かったのが悔やまれる。が、Lv150相当のステータスで行けるか?や、あ!


「うお!力つええ。〈観察〉いや、魔道具なら〈解析〉か。……みえねえし」


「(放せ!……しょうがない。こうなったら自爆するしか……)」


「うお!」


「(よし)」


「騙したのか」


「(いや、自爆は可能だが、これ作るの大変だったんだぞ?しかも自爆はやったことないが、……ふむ。Lvと素体、スキルから考えてLv200の攻魔人(エルフ)が魔力暴走起こした位か?)」


「怖えよ!やべえって。俺一応、回避型だから死ぬって」


「(お前は何故これを捕まえた?)」ごそごそ


「ああ。依頼だ。あんた最近ここでなんかしたのか?ギルドの称号持ち向けに依頼入ってたが」


「(……。人は一応避けていたはずだ。何回かどうしようもなく出会ったりもしたが……。特に最近は多かったな。依頼受けるのに詳細は聞かなかったのか?)」


「……一応捕縛依頼で、結構な額の報酬だったんだ。最近、ちょっと、沢山使っちまってな!」


「(ふ~ん。……っと。じゃ!)」


「え。……はあ!?……おい!……何処行きやがった!」




はぁ。


アホで助かった。

転移だよーだ。


……しばらく人形はいいや。

もっと魔道具の腕を磨いておこう。

まずは、まあ、実用も兼ねて結界の魔道具かな……。

依頼はたまたま出会った冒険者。

実は大きめの商会のお孫さんだったり。

一目惚れ。

調べたが、わからず。

勢い余ってギルドに依頼。

が、ギルド側も正体不明の存在(人なら街の外で暮らさないか、指名手配されて中で暮らせない)が近くに居ることを危険視。調査、ではなく捕縛にしたのは出現場所とたまたま遭遇した冒険者の話から強さを推測したため。

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