30黒の報告
100歳になった。
あれからハヤテファミリーも人数が増えたり、神子が次々と進化したりいろいろ有ったが今は魔導都市に住んでいる。10日で往復できるので、何故かたまに自分の所に来るが。
そして、ついに
「師匠、黒になった!」
「ようやくか、カール。まあ、お前は〈回復属性〉とかも2人より上げているからな。その分〈調薬〉が遅れたか」
「カール、おめでとう。同Lv帯の効果だけは僕やユーリカよりも高いのにね」
「おめでとう。でも、一番師匠に似ているって言われているのはずるいわ」
「さすが、俺。一番先に進化するのは俺かもな~」
「無いな。もう80歳だろ。落ち着け。後50年以内にLv100まで行ける者がどれだけ少ないか分かっているだろうに」
「師匠の言うとおりだ、でも僕は進化まで行ってみせる」
「私だって」
「いや、ユーリカは旦那さんや子供が居るじゃないか、無理じゃないか?」
「カールだって!奥さんは居るじゃない。あんたには勿体ない」
「なんだと!」
「2人とも、落ち着け。子供が出来るとそっちに時間がとられたり、生活が不安定になる事はしにくくなるのは仕方ない。だからといって進化出来なくなると言うのは迷信だ」
「そうよ。子供は大事だけど進化は諦めないわ。……エーミルは結婚しないの?女は選り取り見取りでしょう?」
「選り取り見取りって。確かに寄っては来るけれど、女性って貪欲過ぎない?僕が好きなのかお金が好きなのか師匠が好きなのか」
「師匠かぁ。"星薬"は影響力が強いな!」
「自分のせいにするな。カールもユーリカもちゃんとやっているだろ?」
「……そういう師匠は、恋人の1人でも居たんですか」
「いや、居ないな」
「師匠が責任とって僕を貰って下さい」
「何よ、それ。ずるいわ。私が男だったら師匠を貰うのは私だったのに」
「いや、自分は結婚するつもりは無い。必要ないし」
「師匠、結婚は必要に迫られてするものじゃないぞ」
「そうよ、もっとこう、夢のあるもののはずよ。師匠、私と結婚生活してみましょう?形だけならできるわ」
「いやいや、僕だよ」
「結婚はしないと言っている」
「師匠、人嫌いだし」
「……そうよね。師匠だからね」
「師匠、人来たら一瞬無表情になるよね。1人で薬作ってる時だけ顔ゆるんでるよね」
「……。見るな」
90年以上の付き合いになる店主達と弟子の前では気がゆるむらしい。
「……すみませ~ん。"星薬"さんいらっしゃいますよね」
こそっ。
「今の見た?」
「うん。顔からスッて表情落ちたな」
「やっぱり師匠……」
「……誰だ」
「あ、ハヤテファミリーのエルフィとシュフティです。入って良いですか?」
「ああ、エルとシュウか。無理だ入れないな(物理的に)」
交流が続き、"噴熱"のエルフィと"月眼"のシュフティが特によくやって来るようになった。"月眼"は猫の獣人、索敵と短剣使いだ。
「来客中ですか。いい加減広い部屋に移りません?この間は偉い商人の護衛さんが部屋の前で護衛してましたが、入れなかったからですよね」
「……ん。若干困惑してた」
「何故、自分の時間を邪魔する奴らの為に部屋を広くしなければいけない」
「それでも、昼前なら時間はとっておいてくれるんですよね」
「……狭いほう落ち着く」
「……。何か用か?」
「いえ、今度神国で100年に一度のお祭りが有るんですよ。行きませんか?」
「……神子召喚の神事」
「行かない」
「……ええ?100年に一度ですよ?私達でも1生に2回しか出逢えないイベントですよ?」
「……進化前なら1回」
「人多くなっていい迷惑だ。帰れ、今部屋に人が居るのを忘れて居るのか」
「いえ、大丈夫ですよ師匠。今日はカールの報告はついでです。僕達も100年祭について来たんです。僕達は行く予定でしたので、一緒に行きませんかとお誘いに」
「お前達もか」
「カールの所の冒険者に頼もうと思っていたんですが、ハヤテファミリーは実力も折り紙付きなので師匠に便乗しても良いですか?」
「いや、自分は、」
「師匠もたまにはそういうのに行った方が良いぞ」
「いや、」
「クラウさん、薬都のお祭りさえ何だかんだ言い訳して部屋に引き込もって居るじゃないですか」
「……隠して居れば称号持ちとか気にされない」
「~!……出て行け!」
「わわっ」
「師匠!」
「ああ、強引過ぎた。こうなったら師匠は絶っっ対に曲げ無いから」
「そうですか。すみません、私達も調子に乗った様です。あの、一緒に神国まで行きますか?」
「ああ、師匠が一緒ならね、便乗させてもらいましたがカールの所属するファミリーもありますし」
「そう、ではまた」
「はい、また」




