#023
モーリスに案内された部屋には既にハロルド父と学園長がいた。
「初めまして、アンジェ・クウォークさん私はこの学園の学園長をしているカーティス・プロバートです、これからよろしくお願いしますね」
「こちらこそよろしくお願いします……ん? ……これから?」
「アンジェ・クウォークさん、入学おめでとうございます。とは言ったものの今は夏休みなので学園に通い始めるのは1ヶ月後からですがね」
「試験の結果ってでるのが早いんですね」
「本来ならもっと遅いですよ、ですがアンジェ・クウォークさん貴女は既に精霊化ができるとか、それならば試験など儀式的な物に過ぎないのです」
学園長は笑いながら話を続ける。
「毎年卒業生で精霊化ができるのは多い年でも十人弱、時には一人もいないなんて年もありますよ、ですから精霊化ができる貴女はとても貴重な存在なんです、そんな貴女を入学させないなんて選択肢は我々にはないんですよ」
(精霊化ってそんなにできる人少ないんだ……ハロルド達って意外と優秀なんだね)
アンジェはハロルド達を弱いと嘗めていたが、ハロルド達の実力は上の下だ、けして弱い訳ではない。
ただジルの鍛え抜かれた感覚を覚えさせられたアンジェが強いだけだ。
そして質が悪い事にアンジェは自分がどれだけ強いのかを自覚していない。
その原因には比較する相手がジルしかいなかった事や短期間で強くなった事が関係しているのだが、それを知っているのはジルしかいない。
ハロルドはアンジェに自分がどれだけ強いのか知ってもらいたいという思いもあり学園に入学する事を提案したのだ。
そしてその思い通りアンジェは正しい感覚を理解し始めていた。
「アンジェ・クウォークさん今ここで精霊化を見せていただいてもいいですか」
「ごめんなさい。数日前魔力を使い過ぎてしまって今もまだジルが眠っているから精霊化ができないんです」
それを聞いた学園長は少し申し訳なさそうな顔をした。
「早く目を覚ますといいですね。ところでそのジルと言う精霊は本当に土属性の精霊なんですね?」
「はい、そうですけど何か可笑しかったですか?」
「いえ、可笑しいという訳ではありません。ただ契約者とは違う属性なのは珍しいので気になったんですよ」
(本当は精霊じゃないんだけど、でも確かにハロルドの班は皆精霊と同じ属性だったなー、そっちの方が良いのかなぁ?)
アンジェがそんな事を考えているとモーリスがアンジェに学園の中を案内してはどうかと提案した。
その提案を学園長が受け入れアンジェはモーリスに案内してもらう事になった。
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