#012
アンジェリカは周りを見回し騎士達の状況を確認していく。
クイーンと対峙している騎士達はジルの言った通りクイーンの攻撃を防ぎながら攻撃しているがクイーンは無傷のままだった。
吹き飛ばされてしまった騎士の方は駆けつけた騎士によって、襲い掛かってくる蜘蛛から護られていた。
(吹き飛ばされた方は今のままなら問題なさそうだし、クイーンを狙いますか!)
アンジェリカはクイーンに向かって真っ直ぐに走る。
アンジェリカがクイーンに近づこうとしている事に気が付いた蜘蛛がクイーンへの道を塞ぐかの様にアンジェリカに襲い掛かる。
だがアンジェリカはそれに脅える事など一切なく、寧ろ今の状態を確かめる絶交を機会だと一匹一匹丁寧に斬り捨てていく。
そのあまりの速度に吹き飛ばされた騎士を狙おうとしていた蜘蛛は一斉に向きを変えアンジェリカに襲い掛かる。
襲い掛かろうとしていた蜘蛛が一斉に矛先を変えた事に護っていた騎士は驚きながら蜘蛛が目指すモノを見る。
そこには先歩まで綺麗な水色の髪が灰色に変わったアンジェリカの姿があった。
(何故精霊化できる程の才能を持った者が無名のままこんな辺境にいるんだ?)
騎士はそんな疑問を持ったが、今は吹き飛ばされてしまった仲間を護るべきだと周囲を警戒するが、蜘蛛は一匹もいなかった。
騎士は蜘蛛がいないのならもう一人にこの場を任せて、クイーンと対峙している仲間に助太刀する事も考えたが、今この場を自分が離れればもしも蜘蛛が此方に矛先を向けてしまったら二人の仲間を失う事になると思いとどまり、仲間が回復するまでの間周囲の警戒に当たる事にした。
アンジェリカは今の状態を確かめる為に一匹一匹丁寧に斬り捨てていたが、それが段々と雑になって来ていた。
(もう大体確認できたから襲い掛かってこないでいいのに何でまだ襲い掛かってくるの! って言うかなんであそこに立っている騎士は周囲に蜘蛛がいなくなってるのにこっちに来ないの! あー、もう面倒くさい)
アンジェリカは短剣を鞘に納め、袋からジルの剣を取り出して横に振りながら一回転する。
すると周囲にいた蜘蛛の殆どが斬られていた。
『その魔術はまだ教えてなかった筈だがいつ練習した』
(練習何て一回もしてないよ、なんとなくできそうだったから試してみただけ)
『もしや……の……いやしかし……』
(何を考えてるのかは知らないけど、蜘蛛が生み出されていない今の内にクイーンを倒しにいくよ)
アンジェリカがジルに伝えた通りいつの間にか巣から蜘蛛が産み落とされなくなっていた。
如何やら巣の中に溜めこんでいた子蜘蛛が底を尽きた様だ。
アンジェリカは残った蜘蛛を片付け終えるとクイーンに向かって走り出した。
今更ですが子蜘蛛の体の大きさは40㎝×25㎝×15㎝くらいで結構大きいです。
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