ゴミ掃除に赴く前に
総合評価500ポイント突破!ブックマーク数も150を突破しました!
ブックマークしてくださった方、評価を付けてくださった方、応援ありがとうございます!
「爺さん、待たせたな!あんたにやって欲しいことがあるんだよ!」
『分かったが、その前にお主の飯を下に取りに行かねばならん。すまんが、地下への入り口を開いてくれんか?』
「・・・いや、いい」
《サクラ、ゲンジュウロウニミセタイ物ガアルノハワカルガ、サキニ食事ダ。デナケレバ、体ガモタヌゾ》
「・・・いいって言ってんだろ!もう、手遅rッゴホゴホ!」
《サクラ!?》
血を吐いた、じゃと!?不健康そうに見えておったが、よもや病を患っていたとは・・・!血を吐くほどに悪化しているならば、今の状況からでは助かる見込みはないのう。上位属性魔術の聖属性魔術に病気を治すものは存在しては居るが、習得には高いスキルレベルを要求されることと対象の病気が治るかは術者の技量次第となる。それを踏まえると、魔術技能において他の大陸よりも劣っている極東大陸では治療は不可能と言っても過言ではない。
無論、優れた聖属性魔術士はこの大陸においても存在しているが、それらは力のある大名達や朝廷に抑えられておる。医師や薬師に関しても同じじゃ。この鬼娘は詰んでおる。
《ゲ、ゲンジュウロウ!サクラヲタスケル方法ニ心アタリハナイカ!?》
『すまんが、ないのう。この娘、桜は詰んでおる』
《ダガ「ゴホゴホ!」サクラ!?》
「もう、良いんだ。桔梗姉、私のことは私が一番分かってる。・・・爺さん、ちょっとこれを見てくれ」
そう言って鬼娘は儂に腕に抱えていた籠手を差し出してきた。ふむ、見てくれと言うことは鑑定しろと言うことか。どれどれ、<鑑定>。
――――――――――
【呪具:怨血の籠手】品質:優 ランク:名工級
呪怨鍛冶師である桜が籠手の素材を呪詛を編み込んだ自身の血に付けて作ったもの。強力な呪具となったが、それにより桜は死した後もこの怨霊としてこの呪具に囚われることとなった。桜の生前取得していたスキル若しくはその派生スキルを四つまで宿せる。
<魂縛(桜)>Lv4
――――――――――
これは・・・ある意味での延命方法ではあるが、人としての生を捨てることになるものじゃぞ。こんなもので桔梗が喜ぶわけがなかろう。死を恐れた?いや、この娘の目からは死に対する恐怖は見えん。となれば、儂が尾竜貞治に挑む上で必要になることかの。
『ふむ、それで儂は何をすればいいんじゃ?』
「ああ、多分だけど私はあと数日は持つと思う。だけど、それじゃあ間に合わない。爺さんが死霊の書と戦うには<不服従>の能力が必要なはずだ。・・・だから、爺さん、私を殺してくれ!」
《サクラ!?》
「桔梗姉、死ぬなら役立つ死に方をしたいんだ。それに、桔梗姉だけいつまでも物として存在し続けるのは辛いだろ?」
《・・・》
『姉思いの良い妹じゃな。では桜よ、そこで正座せい。苦しませずに終わらすぞ』
桜は黙って頷くとその場で正座した。ふむ、初期装備は刃が鈍すぎて使えん。本来ならば、桔梗を使いたいところじゃが、流石に妹を殺すのに使われるのは業腹であろう。戦利品の打刀で妥協するしかあるまい。
《マテ、ゲンジュウロウ。ソノヨウナ鈍刀デハ、イクラキデントテ苦痛ヲアタエヌヨウニ殺スノハムズカシカロウ。ワタシヲツカウガイイ》
『良いのか?』
《サクラガクルシマズニスムノナラ、ソノ方ガイイ》
『相分かった』
儂は桔梗を手に取り、桜の背後に陣取る。介錯は『修羅の國』で散々やらされたし、腕には自信がある。きっちりと首の皮一枚残すように斬る事が出来よう。最後に声を掛けてやりたいが、この状態では言ノ石も役には立たん。
余計なことは考えるな。集中、集中するのじゃ。カチリっと何かがはまるような感覚と共に世界の動きが遅くなる。いざ、御免!
「あばよ、私の人生」
儂の斬撃は桜の首を皮一枚残して切り、その体は頭の重さによって前へと倒れた。すると、籠手から赤黒い禍々しい無数の腕が伸びて来る。儂は思わず後ろに飛び退き、中段に構えた。不気味な腕は桜の体から青白い人魂のような物を取り出すと、それを籠手へと引きずり込んだ。次の瞬間、炎の薄い膜が籠手を包み込みおった。
む、むう、演出が不気味すぎる。もう少しどうにかならなかったのかのう?心臓に悪いわい。それにしても、この籠手は物理的に触れんような気がするんじゃが、<鑑定>。
――――――――――
【籠手:桜】品質:優 ランク:名工級
鍛冶屋である桜が、死霊の書の対策として、四年の歳月を掛けて完成させた妖具。桜の魂が宿っており、没落貴族への復讐の代行と娘の空の保護を約束する者を契約者とする。契約者以外が装備すると、籠手から炎が吹き出し、不届き者を焼き殺す。契約者には不屈の意志を授け、魔力を纏わせれば、それが炎の衣となり、籠手に触れた敵を焼き、契約者の腕に火属性への耐性を付ける。また、【桜】を装備しながら敵を倒せば倒すほど、この妖具は力を増す。備考として、多少鍛冶が出来るようになる。
<念話>Lv1
<不屈>Lv1
<炎ノ衣>Lv1
<鍛冶>Lv1
――――――――――
『娘じゃと!?』
《ソウダ。娘ガイル。クソ野郎トノ間ニウマレタ半端者ダケドナ。ソレデモ娘ハ娘ダ。クソ野郎ノトコロデ監禁サレテルハズダカラ、ゴミ掃除ノツイデニタスケテクレ》
『うむ、娘は大事にせんとな。無論、引き受けよう』
儂は燃えさかる籠手を手に取り、装備した。それにしても、籠手だけとは不格好じゃのう。どこかで鎧も調達せねばな。
――――――――――
介錯を行いました。
称号≪介錯人≫を獲得しました。
スキル<介錯術>を習得しました。
スキル<人体知識>を獲得しました。
種族レベルが上昇しました。✕5
レベル上昇に伴い、BPを獲得しました。✕5
上限レベルに達しました。進化してください。
<剣術>のレベルが上昇しました。✕3
武技<二段突き>を習得しました。
<刀術>のレベルが上昇しました。✕11
武技<水平斬り>を習得しました。
[隠し物語:鬼人姉妹との契約]を開始します。
[隠し依頼:尾竜貞治への復讐]を受注しました。
――――――――――
情報過多で混乱するのう。隠し物語のう、これがカグラ様の気遣いと言う奴か。普通のプレイヤーならば、この洞窟に放り出された時点で詰んでおるが、儂の場合は早く強くなるための贄にしかならぬ。感謝してもしたりんのう。
《ゲンジュウロウ、今スグゴミ掃除ニイクカ?》
《先手必勝ッテヤツダナ!アノクソ野郎ヲブチコロシニイコウゼ!》
『まあまあ、落ち着け。先程、進化できるようになったのでな、進化してから行きたいのよ』
《アー、ワタシヲタオシタカラカ》
《ナルホド、戦闘力ノ向上ハヨロコバシイコトダナ》
取り敢えず、進化先の確認をしようかのう。
――――――――――
・骸骨剣士
・骸骨兵士
・骸骨斥候
・下級骨武者
BP:10
特性系スキル<>
――――――――――
特性系スキル?何じゃそれは?
――――――――――
・<剛力Ⅰ>・・・1BP
・<俊足Ⅰ>・・・1BP
・<器用Ⅰ>・・・1BP
・<頑丈Ⅰ>・・・1BP
・<英明Ⅰ>・・・1BP
・<忍耐Ⅰ>・・・1BP
・
・
・
――――――――――
なるほどのう。基礎能力値を向上させるスキルか。ボーナスポイントの取得方法は進化可能レベルを超えたレベリングか。このようなものが魔物のみであるとは思えん。となれば、怪しいのは職業レベルじゃが、昌幸に調べさせるか。どれ、進化に影響が出そうなスキルがあれば良し、無ければ強化に使えば良かろう。
――――――――――
・
・
・
・<幸運Ⅲ>・・・9BP
・<半霊体>・・・10BP
――――――――――
む、これは面白そうじゃのう。どれどれ、詳細はどのようなものか。
――――――――――
<半霊体>
霊体と実体を併せ持つ事を可能とするスキル。スキルレベルの低い内は局所的な霊体化しか出来ないが、育てれば部分的な霊体化を可能とする。一見<霊体化>スキルの下位互換のようだが、霊体化とは違い、魔力を消費せずに変化を可能とすると言う点で<霊体化>よりも優れている。ただし、パッシブスキルに属し、魔法抵抗力を低下させるという欠点もある。
――――――――――
元より光属性は致命的であるし、魔法抵抗力を低下させたところで変わりあるまい。よし、これを獲得するぞ!
――――――――――
スキル<半霊体>を獲得しました。
新たな進化先が追加されました。
――――――――――
――――――――――
|霧骨人《|きりぼねびと》(ミスト・スケルトン)
半霊体である骨人。その体の表面は不完全な霊体となっており、常時全身に薄い霧の膜を纏っているように見えるのが由来。半霊体であるためか、その動きは軽やかで素早く、骨人系第一階梯の中でも危険度上位に入る。魔術に弱いが物理的な攻撃は一部を霊体化することで回避してくることがあり、異性のある個体に対して近接戦を挑むのであれば武器への属性付与が必要となる。また、魔力に対して通常の骨人よりも敏感である。
――――――――――
ふむふむ、つまり腕を切り飛ばされそうになったとしてもその部分を霊体化すれば逆にチャンスを作り出せると言うことか。何と便利な!これで決まりじゃな!
――――――――――
霧骨人に進化しました。
スキル<魔力感知>を獲得しました。
――――――――――
おお、体の表面が溶けて仄かに青白い霧のようなものに変わりおった。ふむ、薄ぼんやり光るだけじゃし、隠密性は余り下がってはおらんようじゃの。それに体が軽い!体重を乗せた攻撃をしたいときに些か困るであろうが、そこは腕の見せ所よな!さて、お次は転職じゃ!
――――――――――
・剣士
・剣術家
・見習い魔術士
・見習い暗殺者
・見習い格闘家
・修練者
BP:0
特性系スキル<>
――――――――――
――――――――――
修練者
見習いの内に神にその才若しくは武術の技量を認められた者が至る職業。未だ未熟者であることに違いは無いが、確かに汝は登竜門を潜った。戦闘系スキル全てに補正が掛かる。
――――――――――
修練者一択じゃろ。刀一本でだけでどうにかなるほど世の中甘くはないわ!特に儂のような独り身は手札が多いに越したことはない!
――――――――――
修練者に転職しました。
称号≪登竜門を潜った者≫を獲得しました。
――――――――――
ふっ、登竜門か。出来れば、武の頂を越え、神域へと続く道があれば良いのう。
《準備ガトトノッタカ、ゲンジュウロウ》
《ナラ、トットトイコウゼ!》
『無論よ。さて、ゴミ掃除に出発じゃ!』




