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7/9

【妖刀:桔梗】

総合評価180ポイントに到達していました!

ブックマークをしてくださった方、評価を付けてくださった方、応援ありがとうございます!

私事で恐縮ですが、学生なので更新スピードは余り早くないと思います。

最低でも週に一度、更新するつもりですので、これからも読んでくださると幸いです。


5/7 ご指摘により間違いを修正しました。小竜×→尾竜○


5/8 桔梗の台詞が読みにくいという指摘と、改善に関する具体的な意見をいただきましたので、桔梗の台詞は代名詞以外の名詞は出来るだけ漢字にすることにしました。人名はカタカナにするつもりです。

『よし、今すぐにでも始めようかのう!』

《ソウコナクテハナ!》

「・・・ああ、やっぱり戦闘狂だったんだ」


 その残念な子を見るような目で見るのはやめて欲しいんじゃがの。まるで儂が残念な人物のようではないか。時折、昌幸や秋子さんに同じ目で見られることがあるが、儂のどこがいけないんじゃろうなぁ?皆目見当が付かぬ。


『では、読み合いでよろしいかな?』

《モンダイナイ》

「うん?読み合いってあれだよな、相手の手を読んでその裏をかき合う奴」

『この読み合いはそれとは少し違うのう。今回はお互いに殺気を隠さず、気を当て合うんじゃ。まあ、ざっくり言うと見えない分身同士を戦わせるといった方が良いかのう。その上で相手の手を上回る手を打たねばならん。純粋な技量のぶつかり合いとなる』

「ほぇー、よく分からん」

《ホレ、チチウエヤワタシガ目ヲツブリナガラムカイアッテイタダロウ》

「ああ、段々桔梗姉が汗をかき始める奴」


 この娘、気を当て合うレベルまで修練しておらんのか?いや、鍛冶を専門としているならば、それも納得できなくはないが、桔梗殿の技量を鑑みても少しくらいは出来てもおかしくないと思うのだがな。桔梗殿と鬼娘は何歳差なんじゃろうか?それにしても桔梗殿の父上殿か、夢が広がるの。


《デハ、イザジンジョウニ》

『《勝負(ショウブ)!》』


 目を閉じ、自らの意思を相手に叩き付ける。このゲームは大作よな、よもやこれ程まで相手の殺気を鮮明に感じ取ることが出来るとはの。流石に生前の顔までは分からぬが、どうやら身長は儂と同じくらい、身長百七十前半といったところか。鬼娘も儂ほどと行かずとも百六十五を超えておるし、鬼人族は皆長身なのかもしれぬな。


 それにしても、中々隙のない構えをしておる。かつての儂ならば、多少苦戦したかもしれんな。しかし、今の儂は違う!イザナ様との戦いによる成長を見せてくれよう!以前の儂を知ってる奴はこの場におらんがの。


 イザナ様との戦いで体験した超集中状態(ゾーン)を再現する!感じ取れる全てがまるで止まったかのように遅くなる。しかし、ゆっくりと桔梗殿の意思と儂の意思は動いておる。いや、僅かに桔梗殿の方が速いの。桔梗殿が想定しておるのは恐らく桔梗殿の死ぬ直前、大して儂は『修羅の國』のアバターでの動きを想定しおる。


 『修羅の國』においては厳しい修行を乗り越えることで身体能力を向上させることが出来た。古いゲームではあるが『織田の野望』のように能力値の向上があったわけじゃな。そのせいで有名武将は鬼のように強かったのう。儂は能力値をカンストさせておったし、身体能力では劣らないと考えておったが、流石に比べるゲームのジャンルが違ったようじゃのう。


 ふむ、イザナ様の時よりも儂の体の動きがスムーズじゃ。流石に超集中状態に任意で入るのには無理があったか。儂は抜刀せずに桔梗殿へと走り寄る。対して桔梗殿は八相の構えをとり、こちらを迎え撃つつもりのようじゃ。間合いに入った瞬間、こちらを切り裂くつもりじゃな。


 儂は桔梗殿の間合いに足先が入った瞬間に急停止し、一歩下がる。それと同時に鼻先を桔梗殿の斬撃が掠める。儂は眼前を過ぎ去った刃が完全に振り下ろされる前に大地を踏みしめ、彼女の懐に飛び込むと前傾姿勢から抜刀、その首を刎ね飛ばした。勝利を確信した儂の視界は元の速度へと戻ってしもうた。気を抜くと駄目じゃのう。儂もまだまだじゃ。


――――――――――

スキル<集中>を習得しました。

――――――――――


 練度は高い、が、如何せん対人経験が足りんな。儂よりも長生きはしておるだろうが、桔梗殿の故郷で一年中戦が起こり、多くの人間との死闘を潜り抜ける機会があったとは考えにくい。それに対して儂は七年もの間毎日毎日死闘を繰り広げておったのだから、差が出ることは仕方あるまい。剣術のレベルとしては『修羅の國』でも上位層に入れるとは思うが、≪十大剣聖≫に入れるほどではない。はっきり言ってしまえば、織田彩湖の方が手強かったのう。


《完敗デス。ココマデ圧倒サレタノハ成人シテカラハジメテノ経験デス》

『いや、これでも数多くの修羅場を潜り抜けておりますからな。最近まで毎日戦いに明け暮れる世界にいたものでして』

《ナント!シカシ、ウラヤマシイヨウナソウデモナイヨウナ》

「いや、羨ましくねぇだろ!?そんな場所行きたくも見たくもないわ!!」

『やれやれ、武人としてまだまだ未熟よな』

《マッタクデス》

「私、鍛冶師なんだけど!?」


 やれやれ、鬼人族は戦闘民族。つまりは生まれながらにして武人であることが求められるのよ。せめて、戦いを楽しむことが出来る程度にはなってほしいものよ。


《マタ、ソンナコトヲイッテ。ワタシハオマエガ成人デキルカ心配ダゾ》

「はいはい、その話は聞き飽きたよ。って言う訳で、爺さん、見せたい者があるからちょっと待ってろ!」

『どういう訳なのかさっぱり分からん』


 その場から逃げるように鬼娘は鍛冶場から出ていきおった。平常を装おうとしていたが、明らかに様子がおかしいのう。若干焦りが見えていた。何を焦っておるのだ?


『ふむ、あの通路の先には何があるのですかな?』

《太陽ノ光ガハイッテクル場所ガアル》

『なんと!しかし、それだと外からここがばれませんかな?』

《尾竜家ハ、イマコソゴミクズニヒトシイガ、モトモト結界術ト死霊術ノ名家ダ。オソラクデハアルガ、コノ隠れ家ハ尾竜家ノ全盛期ニツクラレタモノダロウ。ナラバ、結界ニヨッテ地面ノアナヲゴマカスナゾ、ゾウサモナイコトノハズダ》


 尾竜貞治は無能と言うことで決まりか。なれば、気を付けるべき事は死霊の書に操られた不死者だけか?いや、腐っても名家、どのような秘宝を持っているかは分からぬか。


『なるほどのう。となれば、今の尾竜家は先祖の遺産で生き残っているようなものと言う訳かのう』

《ソウダ。ワタシトテ【マコウヘイ】サエイナケレバ、アヤツラナドニオクレハトラナカッタノダ!》

『まこうへい・・・魔鋼兵ですかな?しかし、桔梗殿が後れをとるものを使う相手を倒すのは今の儂にはちと厳しいですぞ』

《イヤ、マコウヘイハワタシトアイウチニナッタ。イマノヤツラデハナオスコトハデキマイ。アトハ、死霊ノ書一ノ巻ニアヤツラレタ不死者ダケノハズダ。カノ死霊ノ書トイエド、ショセンハ一ノ巻、アヤツレルノハ第一階梯ノ不死者ダケダ》


 ふむ、益々儂によっては都合が良い。あの程度の敵兵しか居ないならば、負ける道理はないの。無論、あれらよりもレベルの高い敵は現れるだろうが、愚かであればあるほど自衛のための戦力を手元に置きたがるもの。なればこそ、順当に敵を倒していけば、自ずと彼我の差も埋まるであろう。


『しかし、没落した名家がよく死霊の書を売り払いませんでしたな』

《イヤ、ウリハラッテイル。モトモト死霊ノ書ヲカイタノハ尾竜家ノ三代目当主ダ。タシカ六ノ巻マデアッタハズダ。一ノ巻ハホンライ尾竜家ニハヒツヨウノナイシロモノダ。オソラクコノ隠れ家ニ魔術触媒トシテオイテアッタノデアロウナ。三代目モマサカ一ノ巻ゴトキニタヨルホド(ちから)ガオチルナドトハ、カンガエテモミナカッタダロウナ》

『そうでしょうな。盛者必衰の理を感じますのう』


 尾竜家三代目当主、才気に溢れた人物であったのであろうが、いかに天才といえども未来のことまで見通す事などできはしない。況してや、自身の死んだ後のことなど予測できようものなら最早妖怪の類いよな。


《シカシ、人ニメイワクヲカケズニ衰退シテイッテホシカッタモノダ》

『いやはや、全くもってその通りですが、実際問題家が傾くと言うことは余程のことがない限りトウシュの問題となりますからな。家を傾けるような者に他人への配慮を期待するのは酷なことでしょう』

《イヤ、家ヲカタムケタモノデモ人格テキニ問題ノナカッタモノガイナイワケデハナイ。ソレト、先程カラキニナッテイタノダガ、敬語ハヤメニシテクレナイカ?ワタシトキデンハ相棒トナルノダゾ?》

『む、確かにそうじゃの。儂としたことが失敬失敬。ではこれからよろしく頼むぞ、桔梗』

《アア、コチラコソヨロシクタノム、ゲンジュウロウ》


 新たな戦友を得られたのは僥倖であったな。さてはて、それにしてもあの鬼娘は遅いのう。何の準備をしているのやら。そう言えば、儂が骸骨漁師を倒した時に魚の入った網も一緒に下へ落ちて行っていたのう。・・・拙くはないか?あれ、鬼娘の飯じゃろう?となると、鬼娘は昼飯抜きと言うことに・・・こうしては居れん!今すぐに魚を捕ってこねば!!


《ム?ゲンジュウロウイカガシタ?》

『お主の妹の飯を下に置き去りにしてしもうた!今から取ってくる!』

《ナント!タシカニソレハ一大事ダガ、ドウヤッテ下ニオリルツモリダ?蓋ヲオケルモノト下ヘトオリルモノガ必要ニナルゾ?》


 む、むう、気が動転しておったわ。あれは一応儂と同格レベルのものが二人がかりで上げておったものじゃ、鬼娘の協力がなければそもそも持ち上がらんな。結局は鬼娘待ちと言うことか、口惜しい限りじゃのう。どうであれ、食事は鬼娘が生きていく上で必要なもの協力は確実に取り付けられる。ならば、急ぐこともないの。


 どれ、待っている間に極東諸島群についてお浚いでもしておくか。極東諸島群、元は東大陸と一つであったものが、二体の魔物のぶつかり合いで半分に分かれた片割れが、更に幾つかに割れて出来た地域じゃ。その島の中で最も大きい大和本島が極東地域の中心、俗に極東大陸と言われるものとなっており、帝家が国主となっているが、今は公家と同様に権威しかない状態となっておる。この島において力を振るっているのは武家であり、魔境を開拓したり、開拓済みの領土を奪い合ったりしている。


 まあ、基本的には日本の戦国時代と同じで違うのは魔術や鬼人などの亜人、魔物の脅威くらいじゃな。日夜戦いを繰り広げているため、全人類の中で最も平均レベルの高い地域となっている。あとは、魔境を領地に有する領主は全兵力を戦に導入できない代わりに、他の領主からは迫られにくく、農兵に至るまで練度が高いことで知られておる。


 亜人は基本的に差別はされていないが、魔境に近い地域に多く分布しており、戦国大名とは基本的に恭順はしていないが敵対もしていない。つまり、魔境への壁として活用されている。


 魔術はあまり発展はしていないが大抵の武士が魔術を斬ることが出来るため、他の大陸と戦争になったとしても問題はない。この極東諸島群において魔術は公家が専門としていたが開拓や魔物の討伐の役目を武家へと譲ったことでおきた、公家の低レベル化によって極東諸島群の魔術レベルが停滞することになったのじゃ。


 極東諸島群は極東大陸を除き、余り人の手が入っていない。つまりは、手つかずの土地が残っておるわけじゃな。まあ、それなりの理由があるせいでおいそれとは手が出せんが、領主となりたいなら要チェックじゃな。


「おーい、爺さん持ってきたぞー!」


 お、ようやく帰って来たか。何を持ってきたのかは気になるが、その前に飯じゃろうな。やれやれ、文句を言われんと良いのだがの。

 



 






5/8 こんな風にした方が良いのではないか、こんな風にしてみて欲しい等のご意見・ご感想があれば送っていただけると幸いです。全てが採用される訳ではありませんが、今回のように改善される場合もございます。ご意見は詳細であれば詳細であるほど、採用しやすいです。

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[気になる点] 《イヤ、イエヲカタムケタモノデモジンカクテキニモンダイノナカッタモノガイナイワケデハナイ。ソレト、サキホドカラキニナッテイタノダガ、ケイゴハヤメニシテクレナイカ?ワタシトキデンハアイボ…
[気になる点] カタカナで書かれると読みづらい。
[気になる点] 小竜貞治 尾竜では?
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