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決戦準備(3)

最新話投稿が遅くなり申し訳ございません。


現在書き直し作業を頑張っており、25話まで厚めに書かせていただきました。


26話~も全て新しく書き直していく予定です。


もしよろしければ、細かな変更点や増えた描写などもありますので、読んでいただけると嬉しいです。

未熟な文章ではありますが、これからもよろしくお願いします。

2018/6/16



 ここは何処だろうか?


 巨大な屋内のようだが、こんな場所には入った事がない。


 高い天井からさっきドクとミーが戦っていた魔物が、血抜きをするために上向きで吊るされていた。


 シャチのような見た目だが、強力な重量魔法を操る強敵で、危険察知能力も高いのであろう…


 きっとクラーケンが動きだした事で、逃げるためにソルの上を通過しようと思ったのであろう。


「花凜、遅かったな」(リオン)

「リオン!ちょっと大変な事になってね…」(花凜)


 魔力は遮断したままだが、リオンが私を見つけるスピードは早い。


 ここは魔物の解体場なのかもしれない。


 作業員らしき人が、大きな包丁で魔物の肉を切り分けている。


 リオンはヨダレを我慢している感じだが、普通の人なら逆に食欲が無くなるだろう。


「花凜ちゃんおかえりなさい」(ミー)

「おかえりなさい花凜ちゃん…僕達みんな腹ぺこだよー」(ドク)


 普通じゃない2名が私の元へ近づいて来る。


 ここに食欲を掻き立てるような要素は、何一つ無いはずなのだが…


「ただいま」(花凜)

「ど、どうも!こんばんは!」(ローザ)

「「こんばんはー」」(ドク、ミー)

「こちらはローザちゃんだよ!仲良くしてあげてね♪」(花凜)

「「よろしくね、ローザちゃん」」(ドク、ミー)


(あ、ああー!スナッキさん忘れてきちゃった…)


「ご飯は王宮で食べよ!ちょっと待っててね」


 魔法鞄からコクヨウ焼き菓子を置いていく事にした。


 出したそばからドクとミーが頑張って食べている。


 何だか少し珍しい光景だが…リオンまで頑張る必要は無いと思うのだ。


「パパとスナッキさんも連れてくるから待っててね!」(花凜)

「「はーい」」(ドク、ミー)

「はい」(ローザ)


 みんながお菓子で我慢しているうちに、私はロナウドのいる場所へ転移する。


 ロナウドは既に帰宅していたようで、自室で書類を整理しているようだ。


 現在部屋の中には、大きな机と椅子が幾つか出されていた。


 部屋の模様替えは、館に頼めばすぐに完了する。


 外から持ち込んだ物は別だが、備え付けのベッドや椅子なら、使いたい時に出してもらえば良いのだ。


 何だか顔が疲れているような気がして、私は少し心配になる。


「パパ?」

「花凜か、おかえり」

「疲れてるー?」

「これくらい訳は無いさ…昔からこういう仕事をしてきたからな。

今は引き継いだばかりで大変だが、落ち着くまでにはもう少しかかりそうだ…

早く終わらせて、花凜を色々な所へ連れて行きたいよ」

「ありがとうパパ…」

「花凜は何を見ても喜ぶからな…クレイ王国やグラシアン王国も凄い所なんだぞ?」


 これからとても大変な事になるのだが、ロナウドの顔を見ていると、少し話ずらい…


 しかし、住民の避難誘導などをさせるのには、ロナウドの協力が不可欠なのだ。


「苦労させてごめんなさい」


 私が申し訳なさそうな顔をすると、ロナウドは書類を机の上に置いた。


「俺もまさかこんな事になるとは思わなかったがな!あはは」

「…でも」

「子供は親に迷惑をかけるもんだ!それに花凜は悪い事はしてないだろ?気にするな」


 ロナウドは笑顔を作り、私を励ましてくれている。


 無理はさせたくないのだが、少し気持ちが複雑だ。


「私…まだまだ迷惑をかけちゃうと思うんだよね」

「ん?何かあったのか?」

「それはみんなの前でお話します」

「…まあ問題事は今に始まった事ではないからな」


 私とロナウドはお互い苦笑いを浮かべた。


 なるべく早く動いた方がいいので、ロナウドの手を取りスナッキの所へ転移した。


 スナッキはライオットの家を観察していたようで、民家の屋根の上に陣取っていた。


「スナッキさんごめんなさい」

「妖精王様!えーと、どういう事でしょうか?」


 スナッキは私が家の中に居なかった事に、気付かなかったのかもしれない。


 背後に私とロナウドが現れたので、少し動揺したがすぐに落ち着きを取り戻した。


「私、転移出来るからソルに帰ってたの…」(花凜)

「花凜!それは魔物だろう?危ないんじゃないか?」(ロナウド)


 私がスナッキに状況を伝えていると、ロナウドが私を庇おうとした。


 スナッキは魔物に見えるがそうでは無い…しかし、人間には水狩り族の言葉が聞こえないので、私が一方的に話しかけているように見えるのだろう。


「スナッキさんは言葉がわかるんだよ」(花凜)

「本当なのか?」(ロナウド)

「うん…後でみんな集まったら説明するね」(花凜)

「ご苦労おかけ致します」(スナッキ)

「口が動いているのはわかるのだがな…スナッキさんと言ったか?魔物だなんて言ってすまなかった」(ロナウド)


 スナッキはロナウドに笑顔を作った。


 言葉がわからなくても、その顔を見れば気持ちが伝わるのだろう。


「我々には日常のようなものですよ」(スナッキ)

「花凜、何と言ってるかわかるか?」(ロナウド)

「うん、いつもの事だから大丈夫だって」(花凜)

「そうか…すまない!」(ロナウド)


 ロナウドがもう一度謝罪を口にして、スナッキに頭を下げる。


 種族全体に対して言ったようにもとれるロナウドの言葉に、スナッキは少し複雑そうな表情だった。


「詳しくは後で話をしましょう。

今はみんなの所へ行きます」(花凜)

「わかった」(ロナウド)

「かしこまりました」(スナッキ)


 2人を連れて、すぐにリオンのところへ転移した。


 魔物のお肉はまだ解体中らしく、作業員がリオンに急かされるように仕事をしていた。


 お肉は後日取りに来れば良いので、


 お菓子は綺麗に完食されていて、ローザもお腹が空いているように見える。


「連れてきたよー」(花凜)

「おかえり花凜ちゃん」(ローザ)

「ん?半魚人ではないか?」(リオン)

「私は水狩り族のスナッキです」(スナッキ)

「こんばんは、スナッキさん」(ミー)

「こんばんは」(ドク)

「こんばんは、スナッキさん」(ローザ)


 ドクとミーはスナッキの言葉が聞こえるようだ。


 ローザも水狩り族の言葉が聞こえるようで、逆にスナッキがびっくりしている。


(もしかして、翼を付けたからかな?)


「驚きました…こんなに私の声が聞こえる人がいるなんて」(スナッキ)

「普通は聞こえないの?」(ドク)

「珍しいな…お前らが人里に来るなんて」(リオン)

「普通の人には我々の言葉が聞こえないんですよ。

こんなに聞こえる人がいるなら、パンメイラで話し合いをしても良かったかもしれませんね」(スナッキ)

「多分、うちの子達が特殊なの…」(花凜)

「みんな普通に話せるんだな」(ロナウド)

「とりあえず詳しい事は後にしよ?王宮でご飯食べながら聞いて欲しい事があるから」(花凜)


 今みんなに説明してしまうと、後でまた説明しなければいけなくなる…


「賛成だ!王宮にご飯を食べに行くぞ!」(リオン)


 ご飯と聞いたら、みんなの行動がとても早くなった。


 すぐに集まって私を手招きしている。


――――ぐぅぅ〜――――


 音の出処に目を向けると、ローザが顔を真っ赤にしていた。


 昼から忙しくて何も食べれなかったのだ…仕方がないだろう。


「花凜ちゃん…私も行って良いの?」(ローザ)

「もちろんだよ♪ローザちゃんには悪いけど、話が終わった後で、コルローじいちゃんにも事情を説明して欲しいんだ」(花凜)

「わかりました」(ローザ)

「じゃ行くよー」(花凜)




ーーーーーーーーーーーーーーーー




 この場所はリグルートの執務室のようだ。


 ガッツとリオンと一緒に、ミルドを連行してきた場所でもある。


 正門から王宮に入るのであれば、リグルートは謁見の間か談話室を使うかもしれない。


 リグルートは私達が急に現れたので、頭を抱えている。


「突然ごめんなさい」(花凜)

「…まぁいい…今に始まった事じゃないからな…というか総出でどうしたんだ?」(リグルート)


 確かに全員で来る用事なんて、滅多にないだろう。


「かりーん」(リーファウス)

「リーファウス」(花凜)


 リーファウスが飛びついて来たので、少しびっくりした。


「大きくなってーー!………無いね…」(花凜)

「そんな数日で大きくなるわけが無かろう…」(リーファウス)


 見た目はそんなに変わっていないが、少し凛々しくなったように見える。


 私達との旅で、リーファウスも成長出来たのかもしれない。


 部屋の奥を見ると、クラウドが苦笑いしている姿がみえた。


「今花凜の話を聞いていたところだ」(リーファウス)

「え?何の話?」(花凜)

「サハギンの大軍勢を、話し合いで撤退させたそうだな」(リーファウス)


 どうやらパンメイラの出来事が伝わってきているらしい。


 絆の宿の情報網で、報せが来たのだと思う。


 しかし誰ひとりとして、危機的な表情をしていないようだ。


 クラーケンが迫って来ている事を、まだ知らないのであろう…


「リーファウス…」(リオン)

「リオンも元気そうだな」(リーファウス)

「まずは飯だ」(リオン)

「ご飯食べたいー」(ミー)

「早くー」(ドク)

「…まさか夕飯を食べに来たのか?」(リーファウス)

「それ以外でここに来る理由が無いであろう?」(リオン)


 部屋の隅に控えていた兵士が、呆れた顔になった。


 私達の態度に耐え切れないといった表情で、こちらに歩いて来る。


「無礼であろう!平民上がりの貴族が!」(兵士)

「よさぬか…何も気にしてはいない」(リーファウス)

「しかし、リーファウス様!この者達は手続きもせずにこの場に現れ、事もあろうに飯の催促など…無礼にも程があります!」(兵士)

「許せリオンよ…この者はとても良く尽くしてくれているのだ」(リーファウス)


 何だか不穏な空気になってきた…


(ご飯を食べながら、今後の話をしたかっただけなんだけど…)


 確かに私達の態度が悪かったかもしれない…


 リグルートは少し迷った表情をしているが、止めはしないようだ。


「花凜、私はこいつと少し話し合いをしてくる…リグルートよ、夕飯を頼んだぞ」(リオン)

「え…話し合い?」(花凜)

「まさか!」(リーファウス)

「「なむなむ」」(ドク、ミー)

「は!身の程をわからせてやるよ」(兵士)


 2人は部屋を出て行った…


(あんまりやり過ぎないでよね)


 ロナウドがリグルートの前に進み出て行く。


 今まで傍観していたが、ちゃんと挨拶するようだ。


「ご無沙汰しております。

此度のいきなりの訪問誠に申し訳ございません。

花凜伯爵より大事な話があるそうなので、聞いていただければ幸いです。

私共もまだ話の内容を知りませんが、国の大事に関わる事かもしれません」


 ロナウドがリグルートにお辞儀をしながら、来た理由を説明してくれた。


 リグルートは頭を整理しながら聞いてくれている。


「余は気にしていないが、先程の者も忠誠心が強くてな。

嬉しい事ではあるが、我慢の限界を超えてしまったのだろう…

クラウド!夕飯の手配を頼む」(リグルート)

「かしこまりました」(クラウド)

「余もお前達を呼ぼうとは思っていたのだ。

だから丁度良い…しかし、何故サハギンが居る?」(リグルート)

「水狩り族のスナッキさんです。

後で説明するね」(花凜)

「妖精王様」(スナッキ)

「どうしたの?」(花凜)

「先程の兵士もそうですが…この者達は、妖精王様が何なのか御存知無いのではないでしょうか?」(スナッキ)


(私が何なのを知らない?)


「私は何なの?」(花凜)

「妖精王様です」(スナッキ)


 スナッキの言いたい事は理解出来た。


(なるほど…言った方が良いのかなー?)


「では移動するか」(リグルート)

「どうしたのだ?花凜」(リーファウス)

「あ、んー…何でもない」(花凜)


 私はスナッキを見て首を横に振る。


 リグルートには、必要だと判断した時に言えばいいだろう。


 それに身内に話してからじゃないと、いきなり発表は何か違うなと思ったからだ。


 リーファウスに案内されて、私達は食堂に向かった。


 来客用の豪華な部屋で、縦15メートル横2.5メートルくらいの長いテーブルがある。


 部屋は広く、壁には大きな絵画が飾られていた。


 天井にはシャンデリアがあり、テーブルの上の料理を引き立てている。


 リグルートが1番奥の席に座る…日本人なら誕生日席と言われればわかるだろう。


「では話を聞かせてもらえるかな?」(リグルート)


 全員が着席したのを確認したリグルートが、私に話しかけてきた。


 リグルートから見て、左側に私、ミー、ドク、スナッキの順で座っていて、右側に、リーファウス、ロナウド、ローザの順で座っている。


 クラウドは料理の指示を出すと、仕事へ戻って行った。


「リオンが戻ってきてからの方がいいかな」(花凜)

「わかった。ではこちらの話を優先させてもらおう…と、思ったのだが…」(リグルート)


 ドクとミーは凄い勢いで食べ始めていた。


 2人の食べる勢いが早すぎて、メイドが慌ててお代わりを配膳しているようだ。


 ローザはガチガチに緊張しながら、1品目のスープを口に運んでいた。


 スナッキは珍しい料理に戸惑っているようだが、美味しそうに食べている。


「うぅ…ひっく…」


 王宮の料理に感動したローザが、1品目のスープで感極まったように涙を流していた。


 リグルートの頬に冷や汗が流れる。


(これから他にも色々出てくるのに…あはは)


 ロナウドがハンカチをローザに差し出し、ハンカチを受け取ったローザがロナウドに小さく頭を下げる。


「無くなりはせぬ…ゆっくり食べるが良い」(リグルート)


 リグルートは溜め息を吐くと、グラスとシャンパンのようなお酒を全員分用意させた。


 縦長のワイングラスに注がれたシャンパンは、シャンデリアの光を受けて輝いてみえる。


 シャンパンの見た目は綺麗だが、ミミックと飲んだお酒が美味しくなかったので、私の興味はスープに移る。


 スープは薄緑色でクリーム仕立てのようだ。


 ほうれん草などを使っているのかもしれないが、なんだか良くわからないスープである。


 癖が無くまろやかでコクがあり、ほんのりとした甘さが後を引く。


「大丈夫?ローザちゃん」(花凜)

「こんな美味しいスープもパンも初めてで…うぅ…すいません」(ローザ)


 後でコルローを問い詰める必要があるようだ…


「良い匂いだな」(リオン)

「リオンおかえり」(花凜)


 リオンは部屋の中に入ると、空いていたローザの隣に座る。


 あの後兵士がどうなったのかは、後日聞くとしよう。


 その後も次々と料理が運ばれてきて、その度にローザが泣いていた。


 リオンも前半の遅れを取り戻すかのように、集中して料理を食べている。


「そろそろ良いかな?」(リグルート)

「うん!」(花凜)

「パンメイラを襲撃したサハギン…えーと、水狩り族と言ったか?その大部隊を撤退させた功績を讃え、報奨金を用意したいと思う」(リグルート)

「そんな事をしていたのか?」(ロナウド)

「うん!お金は別にいらないんだけど…」(花凜)


 リグルートは私がこう言うだろうと予想していたみたいだ。


 少し眉根を寄せるが、そんなに気にした様子はない。


 私はお金が欲しくてパンメイラに行った訳では無いのだ…


「そうか…他に何か欲しい物はないか?」(リグルート)


 リグルートがワインらしき飲み物を口にふくみ、私の言葉を待っている。


(急に言われても思いつかないよね…)


「じゃあ、リーファウスをうちの子にします」(花凜)

「え?」(リーファウス)


 リグルートがワインを咽てしまい、苦しそうな顔になった。


「駄目だ」(リグルート)

「え?」(リーファウス)


 わかってはいた事だけど、リーファウス弟計画は一瞬で白紙になる。


「その話は落ち着いてからで良いだろう。

花凜がみんなに話したがっていた事は何なんだ?」(リオン)

「えっとね…この大陸にクラーケンさんが来るんだって」(花凜)

「…それはつまり…あぁ…そういう事か…」(リオン)


 リオンが辛そうな顔をしたので、私は椅子を持ってリオンとローザの間へ移動する。


 椅子をくっつけて座り、皿に盛られたローストビーフのような料理を、リオンの口へ運んであげた。


 リオンは素直に食べている…


「ままま、まて!く、クラーケンだと?いや、落ち着け!何かの間違いじゃないのか?100年動きを見せなかった5つの法則が、なぜ急に動き出すのだ!」(リグルート)

「正気が保てなくなっちゃったんだよ」(花凜)

「人類を滅亡の危機に追いやった強大な魔物ではないか!」(リーファウス)


――――ダン!――――


 スナッキがテーブルを拳で叩き、立ち上がった。


 それに驚いた全員の視線が、スナッキに集まっている。


 部屋の隅に控えていた兵士が、腰に下げた剣に手をかけた。


 空気が重たくなるようなプレッシャーが、スナッキの魔力の大きさを表している。


「我々の事はまだ許そう…しかし、クラーケン様を魔物扱いするな!」(スナッキ)

「花凜伯爵、彼は何と言っている?」(リグルート)


 リグルートの目が鋭くなり、スナッキを警戒しているのがわかる。


 危ないと判断されれば、スナッキはリグルートの護衛に排除されてしまうかもしれない…


「スナッキさんは、クラーケンさんを魔物だと言われた事に怒ってるの…確かにクラーケンさんは魔物に分類されるけど、魔物と聞いたら人間は警戒します。

それだけで差別用語だと私も思うよ?」(花凜)

「しかしだな、リーファウスが言ったように、人類を滅亡寸前まで追い込んだ敵なのだぞ?」(リグルート)

「その認識から間違っているんです…この国に、過去の歴史は残されてないのかな?」(花凜)

「妖精王様、場を乱してしまい申し訳ございません」(スナッキ)


 スナッキは席に座りなおし、少し落ち込んでしまった。


 すぐに魔力も鎮まり、兵士も警戒を緩めていく。


「悪気があった訳では無い…すまなかった」(リーファウス)

「どういう事なのか話してくれ」(リグルート)


 私がリオンの方を見ると、リオンも私の顔を見ていた。


「いいかな?」(花凜)

「いいぞ」(リオン)


 私は過去の出来事から全てをリグルート達に説明する。


 全てを話すと言う事は、リオンに苦い記憶を思い出させてしまうだろう。


 話をしている間、私はずっとリオンの左手を握っていた。


 それから水狩り族がパンメイラを襲撃した目的と、クラーケンが移動しているせいで、海の魔物が大移動している事などを告げる。


 リオンの傷にあまり触れないように、そして如何に5つの法則達が尊敬出来る存在なのかを説明した。


 今までの常識が覆り、知らされた真実に、リグルートもロナウドも頭を抱える…


 ローザは信じられない真実に顔を青くしていて、今にも泣き出しそうだった。


 私達は手を取り合わなければいけないのだ。


 私はみんなを繋ぐ架け橋になりたいと思った。


 魔物も教会も人間も妖精も全て…


 私は左手でローザの右手を握った。





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