毛を毟る
こんにちは、尼子詮久です。
寒い日々が続いていますが如何お過ごしでしょうか?
こんな寒い時期にはアレが必須です。
というわけで、本日のお話です。
天文5年冬
「寒い。寒い。寒すぎる」
「殿、火鉢を熾しているのですから少しは暖かくなっていると思いますわよ」
出雲国は割と雪国である。そんな雪国生活は2回目です。この寒さ、現代ではだいぶマシになったと言っても時折やって来る冬将軍に現代人は弱弱になっているのに、まともな暖房器具のないこの時代では慣れない。
「そうだよ、ダウンジャケットだよ、羽毛布団だよ、毛布だよ、なんでこの世界には羽毛布団がないんだよ!」
「羽毛?中海や能義平野にはいくらでもいるじゃない?白鳥とか鴨とか……」
「今すぐに猟師たちに鴨狩をさせよう。それで鴨肉を燻製にして保存食にすると同時に羽毛で布団を造ろう。あとダウンジャケットだ!」
この時代には夜着はあっても羊毛布団や羽毛布団といった保温性の高いものはない。でも、素材は能義平野には冬になればいくらでもいる。シベリアから水鳥が大量にやって来るのだ。
「でも、羽毛ってそんなに取れないわ?どうするの?量産出来ないのだから商品にならないわ」
「良い。問題ない。私が寒いのをなんとか耐えれるようにしたいだけだ。他人の心配などしていない。売れるかどうかなんて気にしない」
「私のは?」
「知らん。というか、白露、お前、いつもどこで寝ているんだ?」
「ひ・み・つ」
どうせ、青狸みたいに押し入れにでもいるんだろう……。
「まぁ、羽根布団の一つや二つは作れるだろうさ……だが、羊は使い道が結構あるし、導入するか……食わなければ毎年結構な量の羊毛が取れるだろうし、うまくいけば商業ベースで……」
「殿……あなたは戦国大名というより商人よね……」
「仕方ないだろう……現代にあって、この時代にないものは売れるものばかりだ……そして、ないと辛いものがいくらでもある」
そう、出雲国の寒さは尋常ではない。もちろん、北陸や奥羽のイカレた寒さと雪もどうかと思うが、結局この寒さをどうにかするには、建物構造か服装をどうにかしないといけないのは変わらない事実だ。
「結果として水鳥が絶滅しようが知らん。寒さに耐え抜くためには必要な犠牲だ」
「殿はこの時代を生き抜けるのかしら……」
指摘がありまして、調べてみると当時は我々が知る布団は存在せず、半纏をデカくして羽織らない様な形状の夜着というものが登場したかどうかの時期だったということだそうで、綿布団を夜着と変更しました。
綿布団は関ケ原前後くらいから登場したと思われますが、これは木綿の国産化が進んだことで登場したものであるようです。




