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銀山に憑りつかれた男 -あの時代で銀山をもう一度-  作者: 有坂総一郎
天文5年 楽市楽座と経済成長優先政策
20/23

千客万来

こんにちは、尼子詮久(2周目)です。


最近、夢に魘されています……ええ、白露にお仕置きと称してセクハラを働いて以来、白露が夢枕に立って「妻の愛じゃ」と繰り返して何か言っていてとても怖いです……。


そのうち、銀の毒を酒か飯に混ぜられて衰弱死させられるんじゃないかと戦々恐々としています……。


この悪夢何とかする方法をご存知の方はご一報を。

天文5年(1536年)晩秋


 帝釈峡鉱山(奈賀野鉱山と付近の石灰鉱山を総称する)発見の噂はあっという間に近隣勢力に伝わり、敵対勢力である備中三村家、安芸毛利家、備後山名家がそれぞれ軍を動かして威力偵察を仕掛けてくるようになった。


 元々新宮党が軍用街道整備と並行して野戦要塞の構築を進めていたため、迎撃は容易であり、出雲本国からの援軍到来を盛んに宣伝したこともあり本格的侵攻は今のところ発生していない。


 国久の嫡男であり、従兄である誠久に至っては迎撃どころか追い返した挙句、備中成羽まで三村勢を追撃し、近辺の城砦をことごとく焼き討ちにして帝釈峡要害まで戻ってくる始末である。


 さすがにやりすぎだと国久は誠久を叱責したようだが、当の本人は「弱いくせにちょっかいを出してくる三村が悪い」とだけ言ってどこ吹く風だ。


 国久は国久で次男豊久を連れて庄原まで進軍し、そこで毛利勢を迎撃したが、兵力の不足による彼我戦力の均衡で決着がつかず仕舞いとなった。しかし、毛利勢の帝釈峡への侵攻を阻止したことで戦略的勝利と判定された。



「なぁ、白露?」


「なんですか」


「いい加減機嫌を直せよ……帝釈峡鉱山めぐって戦が始まってるから、そろそろ俺も出陣せねばならん。東西南から呼んでもいない訪問客が千客万来なんだぞ?」


「そうでしょうね、わたくしが広めましたから」


 ――なんだって?


 タイミングよく敵勢力が動き始めたと思ったらコイツが犯人か……。


「広めたって……なんてことを……」


「反省もしない殿への妻の愛ですわ」


 そんな愛など要らない。


挿絵(By みてみん)


 しかし、こうもひっきりなしに敵が攻めてくるとこちらも本腰を入れて北備後の防衛をしなければならない。


 帝釈峡を失うことは出雲本国への橋頭堡を与えることと同義だ。そして、砂鉄の産地である西伯耆日野を脅かされる。日野郡の安全が担保出来なくなると北備中新見との連絡を遮断される。


 つまり、現在の尼子家の経済、財政の根幹を揺るがすこととなるのだ。


「国久への援軍だけでは足りないな……南備後そのものを抑えることが必要か……」


 そういえば大事なことを忘れている……。


「おい、白露……お前、なんで国久の娘になっているんだ?」


「なぜって、殿の妻は国久の娘でしょう?何をおっしゃっておりますの?」


 いや、1周目の正室は確かにそうだけど……って……。


「いやいや、本来の国久の娘はどこに行ったのだ?なんでお前がそのポジションなんだよ……」


「それは……邪魔だった……と言うしかないですわね?」


 おい、邪魔って、史実の人物を消すなよ。代わりになるなよ!


「あぁ、もうなんだか、よくわからんが、もういいよ、この世界に1周目の妻は元から存在していないことになってるんなら気にしても仕方ない……頼むから銀の毒とか盛らないでくれよ……洒落にならんから……」


「ふふっ」

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