石灰は他で取れないのか?
こんにちは、尼子詮久です。
山越えしないと資源が届きません。でも、そんな道整備されていません。当然、大軍の移動なんて無理ですよね。
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精鋭尼子新宮党!
ある時は土木作業員、またある時は鬼の様な戦闘集団、またある時はキャラバン隊!
如何でしょうか?
天文5年夏
備中新見領においての石灰採掘と輸送という一大事業が開始されることとなったが、如何せん中国山地を越えて輸送する必要があり、思う様に進まないと予想されている……。
そんな折に相棒たる石見銀山の精霊(自称)である白露が顔を見せなくなって10日余りが過ぎた。
一体、あいつは一体どこで何をしているのだろうか……。
「殿!」
不意を突くように後ろから呼びかけられた……。心臓に悪いことこの上ない。こちとら後25年しか寿命ないんだからな!
「どこに行っていたんだ?」
「石灰石を探していたのよ……尼子領内にもありましたわ!」
そんな都合よく見つかるものかと思うが、こいつは自称精霊だしな……。憑りついているから幽霊かなんかだと思うのだが……。
「殿がわたくしを胡散臭い存在と思っている様ですわね……」
「いや、普通に考えてみ?胡散臭いだろう?」
帰省中に戦国時代まで拉致されるとか、普通に考えて有り得ねぇよ。
「そんなことはどうでもよろしくてよ」
「大事なところだと思うが、まぁ、いいや……で、どこに石灰があったんだ?」
「備後の帝釈峡ですわ」
帝釈峡……備中備後の国境付近に位置する渓谷。現代でも景勝地として多くの観光客が訪れているところだ。帝釈峡は切り立った岩壁や浸食地形がある。
「帝釈峡か……」
備後北部は尼子勢力圏であり、庄原から新見にかけての地域は完全に親尼子もしくは直轄地である。帝釈峡もこの地域に含まれている。
「不満かしら?」
俺の何とも言えない表情に白露はぶすっとしてしまった。
確かに直轄地に近い土地だから開発を進めるには悪くないところだ。だが、新見領よりも遠くなっているのだ……。
「新見より遠いし、輸送に手間がかかるのだが……」
「近くに銀、銅、鉛の採れる奈賀野鉱山もあるわよ……まだ発見されていないけれど、帝釈峡の西にある二子山近くがそれね、これでも悩むことかしら?」
奈賀野鉱山は18世紀に発見される鉱山であり、この時代には存在していない。開発出来れば石見銀山攻略するまでのつなぎになる。
しかも、灰吹法精錬に必須の鉛も現地調達出来るのだからこれはやめられん。まてよ、帝釈峡近辺で採掘された石灰石をそのまま奈賀野鉱山に持っていけば、灰吹法精錬が完全自己完結するじゃないか……。
「よし、やろう。帝釈峡の石灰石は灰吹法精錬に使えば面倒がない。それどころかメリットだらけだ」




