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銀山に憑りつかれた男 -あの時代で銀山をもう一度-  作者: 有坂総一郎
天文5年 楽市楽座と経済成長優先政策
17/23

問題は山越えなんだ……

こんにちは、尼子詮久(2周目)です。


全国に散らばる尼子の忠臣たちにお知らせです。


今年の秋は「戦国尼子フェスティバル」が我が居城で開催されるので、奮って参加して欲しい。


以上です。


参加しない様な不忠者の所領は没収なので、ゆめゆめ忘れぬよう。

天文5年(1536年)


「殿、新見殿に石灰石の上納と輸送を命じたそうですわね」


 佐世清宗を登用してからめっきり姿を現さなくなった白露が久々に顔を出した。


「あぁ、確かに、そう命じたな。それがどうした?」


「石灰石を肥料として用いるには生石灰や消石灰でないと非効率ですわよ?」


 しまったな……。だが、生石灰を造るためには焼成しないといけないんだよな……ってことは燃料は石炭にするのが適当か……。


 石灰は新見から陸路で日野まで輸送して、日野から米子まで日野川水運を用いれば輸送路は確保出来る。米子から富田城下もしくは安来湊までは陸路になるが、土木技術に進歩した尼子家ならば日野川と中海をつなぐ運河を建設して直接水運で輸送させることも出来るな……。


「安来湊に石灰窯を造って生石灰を量産出来るように手配するとしよう……」


「新見領内に石灰窯を造るのではなくて?」


「石炭を新見領までもっていくのが手間だし、出来た生石灰を出雲本国や伯耆へ輸送するのは二度手間だからね、それに利益の出る商品の生産拠点は直轄地にある方が良いに決まっているさ……まぁ、鉄道でも出来れば違うけれどね……さすがにまだ早い」


挿絵(By みてみん)


 新見領内には足立、井倉、阿哲の石灰石鉱山がある。残念ながら出雲本国及び西伯耆では手に入らない。その輸送を拡大しようと思えば、高規格街道の建設か、鉄道の開発しかない。どちらがより現実的か考えれば、高規格街道だろう……。


 そうなると、明地峠を越えるよりも、日野川に直結出来、勾配のいくらか少ない上石見経由の現代でいうところの伯備線と同じルートに街道を整備するべきだろう。


「殿?」


「いや、新宮党と土建集団に生山~新見間に街道を整備させる必要が出てきたなと思ってな……」


「新宮党も土建集団も休みなく土木工事をしているのではなくて?」


 そういえばそうだったな……。困ったな……。


「とりあえず、土建集団の頭に相談に行ってくるとするか……」

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