第24話
夜になった。
狼たちが持ち帰ったうさぎやイノシシを、マサが丁寧に調理した。
皆に振る舞うために、肉を切り分けた。
畑からはジャガイモだけでなく、インゲンとトマトも収穫できた。
マサが焼いた肉を串に刺し、蒸したジャガイモを半分に割った。
インゲンはさっと茹でて、シャキシャキの食感が残るように仕上げた。
トマトは丸ごと切って、ジューシーな果汁が溢れ出した。
三人と四匹は焚き火を囲み、肉と野菜を頰張った。
「このトマト、甘くてジューシーだな!」
「インゲン、シャキシャキで最高だぞ!」
サチがトマトを一口かじって、
「こんなに美味しい野菜、初めてです」
と眼を輝かせた。
マサはアイテムボックスを開いた。
「よし……今日は飲むぞ!」
ガラス瓶の酒瓶を取り出し、栓を抜いた。
芳醇な麦の香りが広がった。
マサは自分の杯に注ぎながら、サチとガルを見回した。
「お前らも飲むか?」
ガルが胸を張って即答した。
「当然だろ!」
サチはこくっと頷いた。
「……はい、いただきます」
マサは二人の杯にも注いであげた。
酒瓶を掲げ、満面の笑みで叫んだ。
「家族が増えた! 乾杯!」
「「乾杯!」」
狼たちも喉を鳴らした。
「「「「アオーン!」」」
宴が始まった。
焚き火の炎が弾け、肉の香ばしい匂いと酒の甘い香りが混じり合った。
夜の森に笑い声を広げていった。
勢いでマサが狼たちに名前をつけた。
「よーし、お前らはアイン・ツヴァイ・ドライ・フィーだ!」
狼たちは尻尾をブンブン振って喜び、マサの足元にじゃれついた。
サチが首を傾げた。
「その名前は何か由来が?」
「なんだっけ、数字で1・2・3・4だったと思う」
サチが慌てた。
「あの……それでは」
マサが怪訝な顔をした。
「えっ、何か問題あった?」
ガルが大笑いした。
「こいつら春になると滅茶苦茶増えるぞ」
マサが慌てて手を振った。
「えっ……今の無し! 無しで!」
しかし狼たちは突然、くるくるっとその場で回り始めた。
キラキラッ!
体から光を放った。
サチが呆然と呟いた。
「あー……テイムされちゃいましたね。もう変えられないですよ」
マサが頭を抱えて叫んだ。
「マジかー!」
ガルが肩を叩いた。
「次は考えればいいさ」
マサが狼たちに肉を投げた。
狼たちはキャッチしてガツガツ食べ、尻尾をブンブン振って喜んだ。
「家族が増えたな!」
ガルがマサの肩を抱き、豪快に笑った。
サチが微笑んだ。
三人は焚き火のそばに座り、酒を回し飲みながら狼たちとじゃれ合った。
笑い声が夜空に響き渡った。
貯水池の水面が月光を映し、穏やかな波紋を広げていた。
焚き火の光がみんなの顔を照らした。
初めての宴は、温かく続いた。




