第22話
その後、マサとガルは川まで戻り、溝をさらに延長して下水路を完成させた。
マサが剣で土を抉り、ガルが土魔法で壁を固め、サチが「ここ、少し深くしてください」と指示を飛ばした。
三人は息を合わせて作業を進め、溝が徐々に長く、深くなっていった。
往復を繰り返すうちに、ついに川の水が溝に流れ込み始めた。
最初はチョロチョロと細い水だったが、徐々に勢いを増し、ザザーッと音を立てて貯水池に向かって流れ込んだ。
澄んだ水面が広がり、夕陽の光を反射してキラキラと輝いた。
「……できた」
マサは小さく呟いた。
ガルが驚いた。
「おお! 水が来てるぞ!」
サチが瞳を輝かせた。
「……きれいです」
三人は貯水池の縁に並んで立ち、新しくできた水面を見つめた。
達成感が、三人の間にじんわりと広がっていった。
マサは満足げに息を吐き、空を見上げた。
「……よし、次は本格的に大きな家を作ろうぜ。土台はガル、俺が壁と屋根を……サチは内装のアイデア出してくれ」
サチが小さく頷き、ガルが拳をドンッと握った。
「おう! でっかい家にしてやるぜ!」
夕方、新しいログハウスが完成した頃。
マサはアイテムボックスから三着の水着を取り出した。
「せっかくだから、水浴びしようぜ!」
マサは水着を地面に広げた。
魔力を少し込めると、それぞれの体型にぴったりフィットするように調整される優れものだ。
サチが目を丸くして、水着を見つめた。
「これ……全部、私たち用ですか?」
黒いワンピースタイプをそっと手に取り、頰を赤らめながら布地を撫でる。
「かわいい……」
ガルは赤いビキニタイプをガバッと掴み、目をキラキラさせて振り回した。
「おおお! 赤くて派手で最高だ!」
即座に着替え始め、ズボッと上着を脱ぎ捨てた。
サチが慌てて水着を手に取った。
「わ、私も……」
マサはくすっと笑った。
(二人ともノリノリじゃん……楽しそうで何よりだ)
数分後――
ガルがビキニを着こなし、胸を張り、ドヤ顔でポーズ。
「どうだ!? 似合うか?」
マサが思わず親指を立てた。
「おお、最高! 似合いすぎてる!」
サチが黒いワンピースを着て、くるりと一回転した。
「……ど、どうでしょう? 変じゃないですか?」
ガルがサチの肩をバンッと叩いた。
「おいおい! かわいいじゃねぇか!」
「ひゃっ!」
サチが飛び上がったが、すぐにくすくす笑った。
「……ありがとうございます。ガルも、綺麗ですよ」
マサは二人の様子を見て、ニヤニヤが止まらなかった。
「二人とも最高だ!」
三人で顔を見合わせ、キャッキャと笑い合った。
「よし、行くぞー!」
三人は勢いよく貯水池に飛び込んだ。
ザバーン!!
水しぶきが高く舞い上がり、冷たい水が体を包んだ。
サチが水面を叩いて水を飛ばした。
マサが避けきれずにびしょ濡れになった。
ガルは豪快に泳ぎ、マサを肩車してサチに水を浴びせようとした。
「わっ、待って! 冷たい!」
「逃がさねぇぞ!」
サチがキャッキャッと逃げ回り、ガルが「こらー!」と追いかけた。
マサが「待て待て!」と慌てた。
水しぶきが夕陽に反射して虹がかかった。
三人の笑い声が貯水池に響き渡った。




