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俺だけが使えないアカシックレコード ~規格外のクラスメイトたちに命乞いして無人島を生き抜きます~  作者: クレハ コウヨウ


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40話 「内装案がないので外壁を作りました」

本当にあいつらは突拍子のないことをする。


内装案がないからって、外に壁を作るか?


おかしな話だと思いながら、広場から外壁を眺めていると、周囲とは色の違う部分が目に入った。


門から少し離れた両側に、それぞれ一つずつある。 

「なんだこれ?」


近づいてみると、金属で囲われた小さな空間だった。


「それは火種庫だ。まだ何も入ってないがな。」


「なんでまたここに……。」


「火が回ってもなんとかなるからさ。この外壁も中は空洞で色々と中に入れるつもりだからな。」


「収納を兼ね揃えてるとはなんとまあ。」


遊び心ありきで作ったんだろうな、多分。


「と……言うことでだ。木炭の一時保管場所をこの横につくるから、木炭とサトウキビの繊維を持ってきてくれよ。」


「かまどにはどのくらい木炭を残したらいい?」


「ポテチが追加で作ってるのがあるから、出てる全部でいいぞ。」


「わかった。」


コーラにペットボトルの台車を作ってもらい、木炭を取りに行く。

戻って来たら驚かされるのをわかっていながら……


かまどに到着すると、シュポシュポといいながら相変わらず鍋と海水が回っている。

青空実験室とは恐れいる。


気を取り直して木炭とサトウキビの繊維を回収する。

台車が結構な大きさだったので気にはなっていたが、ちょうどいい量が収まった。


1日半でこの収穫か。

まあ、考えても悲しくなるからやめておこう。


それよりだ。帰ったらとんでもないことになっているだろうから覚悟は決めておこう。


一度、海の波音を聴いて落ち着こうと耳を澄ませる。


………シュポ……シュポ…シュポシュポシュポシュポ


「・・・」


絶好調だな。


波打ち際まで行けば流石に聞こえるだろうが、諦めて拠点に戻ることにした。


先程3人で歩いて来た道を通る。

門の近くまで要塞のような外壁感は見当たらない。


カモフラージュは万全だな。


門の前ギリギリまで葉っぱが上手いことその存在をかき消していた。


これも一つの遊び心か……。


木を移動させて、植え替えもしているんだ。

この位わけはないのかもしれない。


しかし、トンネルに入った時に異変が起きる。


「これ、石畳じゃないか?」


慌てて台車を押して走り抜ける。


「これはどういうことだ!」


石畳は綺麗に並べられ、住処まで続いている。


「なんのことだ?」


「この見事な石畳。ポテチお前、振動糸使ったな?」


「違うぞ!やったのはコーラだ。」


コーラに目をやると、顔を逸らす。


「使うなと言ったよな?」


「最初はさ……。」


「なんだよ。」


「石畳を綺麗に並べたかったんだよ。そしたらさ、石畳なんてないことに気づいたんだ。」


「そりゃそうだろ。」


「そしたら、ポテチが切ったらいいじゃんって言ってさ。」


「おい、人のせいにするなよ!」


「それで、石畳に使えそうな岩を切って作ったんだよ。」


「コーラブレード使いたかっただけだろ?」


「……」


コーラは再び顔を逸らした。


「お前たち、本当に短期間でどこまでやれば気が済むんだ?」


住処の形はほぼ変わっていない。

変わっているのは外だ。

外周に目を向けると、外壁の長さが左右で違っていることに気付いた。

片側だけ、十メートルほど短い。


「なんだこれ?」


近づいてみると、短くなった部分には壁で囲まれた区画があった。


「そこはな、貯水庫だ。もう水も入れてある。」


「これだけの量を?」


「両端だけさ。まあ利用方法はおいおいな。」


「何か仕掛けがあるのか?」


「作ってはないぞ。まだな。」


何をする気なんだこいつは?


しかしな、両端といったが結構でかいぞ。

まあ、何を作るか想像は出来るが利用方法まではわからないな。

本当に考えてないかもな。


ふと、上をみる。


「いや、遊びすぎだろ!」


「何がだ?」


「これはお前か、ポテチ!なんで旗がいくつもあるんだ?」


外壁の上部である道の辺りに、旗が10本程並べてなびいている。


「外側からは見えないからな。インテリアだ。」


外壁の一番外側は仕切りがあるので確かに見えてはいないだろう。

文句を言うにもインテリアと言われた以上、なんとも返答しにくい。


「そうか、白旗だと縁起わるいぞ。」


「アイデアがまだない。だけどさ、遭難者が使う時がくるなら丁度良いと思ってる。」


「高い所にあったら使いにく過ぎるだろ。」


「へへへっ。」


何故照れるんだ?

旗がなびく様は壮観ではあるが……。


「あと、見える範囲で想定出来るのは……。地下室だな。」


「何故そう思う?」

ポテチが試す様に言う。


「これまで見た内容だと動いてるのはほぼコーラだ。ポテチならもっと目立つ物を作るし、隠すなら隠すやつだ。」


「まあ、秘密だけどな。」


「空間ばかり作ってどうするんだよ?外壁も収納スペースなんだろ?」


「そこは後々考えればいいから。」


「目的なく作りすぎだろ!」


すぐ壊せるってことも大きいのだろうが、まあなんとも考え無しだな。


ただ、これから色々言えば外に寝床を作りかねないし、言うのはやめておこう。


「またいいや、木炭置くから案内してくれ。」


「わかった。半分を両側に置いて、サトウキビの繊維はその横の収納スペースだ。」


「ちゃんと別々にするんだな。」


「繊維は着火剤だからな。一気に燃え広がるのが利点ってことは欠点も抑えないとな。」


そこは雑じゃなくて良かったと思いながら、それぞれ振り分けて置く。


「ふうっ、全部いれたな。さて、他にかまどからこっちに移動する物はないか?」


「特にはないな。燻製も移動させてるし。」


「そうか。……そう言えば腹が減ったな。」


「だったらタコを食ってみたらどうだ?魚は焼かないとダメだけどな。」


「そう言えばまだ食べてなかったな。頂こう。」


「おっ、いいじゃないか。コーラ、俺にもくれ。」


一息つきながら、タコの足をもらい、かじってみる。


コーラ汁を使って煮たからだろうか、ほんのり甘みがあり、弾力と柔らかさが両方残る。燻製の独特匂いもアクセントとして成立していた。


「旨いな。」


「出来がいいな。」

「保存食でこれなら充分だろ。」


コーラとポテチも満足しているようだ。


「カメノテの塩も使ってみようぜ。」


とポテチが、カメノテと伊勢海老を煮て作った塩を持ってくる。


少し塩をつけて食べると、磯の香りを感じる。


「おおっ、なんか海鮮感が増して、旨いな。」


塩とタコの弾力、そしてカメノテの風味がなんとも言えない。


頭の部分も塩をつけながら味わい、一匹分をぺろりと食べた。

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