↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
俺だけが使えないアカシックレコード ~規格外のクラスメイトたちに命乞いして無人島を生き抜きます~  作者: クレハ コウヨウ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
28/47

28話 「約束のコーラ風呂」

「うっうう。」


目が覚めると、砂浜は少しオレンジがかっていた。


「おっ、起きたか。」


とコーラの声がする。


「ああ、結構寝てたみたいだな。」


「そうだな。」


「申し訳ないが、水をくれないか?」


「はいよっ。」


とペットボトルに入った水を受け取る。

氷始めの様でとても冷たい。


勢いよく口の中に入り込む。


「ああーっ、うめえ。冷え切った水はこんなにうまいんだな!」


「そんなにか?まあよかった。」


どうやら寝ている間に塩は出来ており、

燻製も作業は終わった様だ。


「おおっ、遭難者。起きたみたいだな。」


ポテチからも声をかけられる。


「ちょうど風呂の準備が出来たんだ。入ってみろよ。」


「妙に雑に置いているな。」


風呂場と案内された場所は鉄板や木炭作りをしている側だった。

火種の近くで急遽沸かしたのが目に浮かぶ。


ポテチ袋を白く変化させて、浴槽を隠している様だ。


「よし、お披露目するぞ!」


ジャーンと袋を外す。


湯気が立ちのぼる、大きな浴槽。


……黒い。


「湯加減もいいぞ!」


とポテチが指で鼻をなぞりながら自慢げに言う。


「あのさ……。これ、コーラ」


「ゼロコーラだぞ!」


「いや、これは普通のコーラ……。」

甘い匂いがする、間違いなく普通のコーラだ。


「・・・」

「・・・」


黙っている時点で答えは出てるだろ。


「なあ、やっぱりこれ……。」


「いいから入ってみろよ。」


「まあ、ちょっと待て。湯加減はいいって言ったよな?触って確かめたか?」


「いや?」


「やっぱり。」

アカシックレコードで温度を確かめたに違いない。


「とにかく入れよ!ほら、この袋を腰に巻いたら見えないからさ。」


変な気遣いに、ありがとうと礼をいい、

入ることにする。


口には出さないが、すぐ近くにもう一つ浴槽らしきものがある。多分あれがゼロコーラだ。


「さあ、一気に入れよ。」


覚悟を決めて一気に入る。


「ベトベトする。匂いも甘い!」


2人はニヤニヤし始める。


「なあ、本当にこれ、ゼロコーラか?」


「いや、おかしいなあ。なあ?コーラ。」


白々しくコーラに問いかける。


「そんなはずはないけどな?」


「こっちは最初からわかってるんだよ!ってか、汗くせぇ?」


甘いコーラの匂いの奥に、自分の汗の臭いが混じっている気がした。

まあ、散々走り回ったんだ。そんなものか。


「なんだ、普通のコーラだと知ってたのか。」


「すぐ近くにもう一つ浴槽ぽいのがあればわかるだろ!」


ベトつく体を気にしながら、湯を出る。


「なあ、こっちも入らないと駄目か?」


「せっかく用意したんだから入れよ。」


「いや、いや。そう思うなら普通のコーラを用意するなよ。」


3人で行動するんだ。

基本は断らずに積極的にと思っている。


「せっかくだし入るか。」


「おう、そうしろよ。」


試しに手をゼロコーラ湯につける。

確かにベトつかない。


匂いはある。ただ先程の様な甘い匂いではない。


ゆっくりと足から入る。

炭酸は残っており、シュワシュワと言う音がする。


「どうだ?」

とポテチは興味シンシンだ。


「そうだな、さっきは不快が勝ったからわからなかったけど、炭酸の感じがなかなかだな。」


とは言え、やはり甘味料の匂いは気になるし、ゼロコーラ湯から漂う自分の臭いが気になっている。


一度、頭も全て湯の中に入れてみる。

頭皮をわしわしと揉み込む様に指を動かす。


「ふうっ。」


髪の毛からゼロコーラが、流れ落ちる。


「うん、髪は軋むな。」


もっと言えば拭きタオルがない。


「炭酸で髪がサラサラにならないのか?」


ポテチが不思議そうに聞く。


「ならないね。君達なら事前にわかるはずだけど?」


湯加減は確かに良かったので、ちょっとだけ気分はいい。


何度か髪をなぞり、水分を落とす。


さて、上がろうかとすると、


「ほらっ。」

とコーラからダンボールから作った水切りみたいのを渡される。


試しに身体をなぞると綺麗に落ちる。


確信した。俺若返ってるわ。

気付いていたけど、肌の質感が違う。


「背中は俺がとってやるよ。」


とコーラが背中の湯を切ってくれる。


「洗車かよ。」

とツッコむポテチ。


「ありがとう、多少はスッキリしたよ。で?君達は入らないのか?」


「んー?やめとく。」


でしょうね。そうだとは思っていたよ。


服を着て、火種がある場所に行く。

置いてあるアルミ鍋は湯気がたっている。


移動中、服の状態を確認する。臭いはまだに気にならないが、ちょっとだけ違和感はある。

大量の水があれば煮沸消毒でもして、乾くまではポテチが出す色付き袋で代用するって手はあるんだけどな。


「なあ、コーラ。鍋って何か入れてるのか?湯気がたっているけど?」


「ああ、海水を沸かしているのさ。今から伊勢海老を食べるから、残りの頭や殻で出汁を取って、そのまま煮詰めれば海老塩になる。」


「カメノテみたいにするのか。」


「そういうことだな。」


コーラは昼に蛸を入れていたコーラ氷水のボックスに手をだす。

アルミのカバーを外し、ボックスを開ける。

そこに伊勢海老を入れていた様だ。


「氷水で冷やすと仮死状態に出来るからな、風呂に入る前に入れたんだ。」


コーラ氷水がどんな感じか覗いてみる。時間はたっているはずなのに溶けてはいなかった。

ーー途中で入れ替えたのか?


「よし、早速準備するか。5匹全部食べるでいいか?」


「いいぞ。」


「ああ、どうやって食べるんだ?」


「3匹は焼いて食べる。2匹は活け造りでどうだ?」


「いいじゃないか。ほらっ、手袋つけてやるよ。」


「それでな、締めて焼くのとそのまま焼くのとがあるんだが。」


「締めてやろうぜ、そのままだと無惨だろ。2人でやった方が早いから、道具をくれ。」


台と、アイスピックの様な物を取り出し、5匹の伊勢海老を置く。それぞれが頭と身体を固定させて、頭の部分に突き刺す。


尾がピクピクと動くが、しばらくすると完全に動きを止める。


「まずは焼こう。」


腹の部分を上にして、網に置く。


「しばらくはこのままだな。よし、次は活け造りだ。」


アイスピックだったアルミは包丁に変化する。

頭と胴体の間を包丁で一周させる。


「テコの原理を使って……。」

見事に折れる。

更に捻りながら頭と胴体を切り離し、頭の部分は網にかける。


「焼いたほうが味噌も美味いしな。」


次はハサミに姿をかえ、腹にある皮を切る。


「次は小さなヘラでいいか。」


尾の方からなぞる様に身をかきだす。


頭と同様、身を取り出して残った殻は網に置いて、焼き始める。


「仕上げは水締めだ。」


身をぶつ切りに切った後、コーラ氷水に入れていた蒸留水を取り出し、身をくぐらせる。


「花が咲くっていうんだぞ。」


とポテチが教えてくれる。確かに白い身がふわりと反り返り、花が開いたような形になっていく。


「後は水を切って……と。」

と、取り出したのはなんと扇風機だった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。