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俺だけが使えないアカシックレコード ~規格外のクラスメイトたちに命乞いして無人島を生き抜きます~  作者: クレハ コウヨウ


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24話 「夕食までの自由時間。」

「えーっ、早速ですが、今回の作成を発表します。」


岩場に移動しながら、コーラが話をし始める。


「まずは伊勢海老が隠れている岩場を探します。」


……ほう。


「その岩場が一枚岩かどうかを確認します。」


……んっ?


「岩を強引に持ち上げ、伊勢海老を表に出します。」


・・・


「いきなり太陽が出現した伊勢海老は必死にバックします。」


……伊勢海老も災難だな。


「そこを袋などで捕獲します。」


「はいっ!」


「元気に手を上げてよろしい。ポテチ君、何かね?」


「作成名はなんですか?」


……気になる所はそこじゃないだろ?


「これがお前達が見る最後の光だ作成!」


「おおっ!かっこいい。」


よくわからないので、とりあえず拍手をした。


「よし、なら岩場に着いたら、岩をどかせる場所にいる伊勢海老探しだな。」


「ポテチ君、理解が早くて何よりだ。」


そんな話をしている内に蛸がいた岩場に着く。


「それでは、2人で対象となる岩場を探そう。」


「はいっ!」


「元気に手を上げてよろしい。何かね?」


「先程から何も発言していない彼はどうしますか!?」


……急にディスるなよ。


「彼には偉大なる作成の見届け人になって貰おうじゃないか。」


「素晴らしい考えです!・・・いい場所を見つけました。ここはどうでしょう。」


「ふむ、いいね。ただ、ここは逃げ場があるようだ。穴を塞いで欲しい。」


指さしで、場所を指定するコーラ。ポテチは頷きながら、3箇所程にポテチ袋を設置していた。


「よし、準備は整いました。この岩場は複合体ですから、岩が崩れると危険です。まずはこれを囲みましょう。」


コーラは下からペットボトルを伸ばし、充分に広げると、次に上に伸ばして岩を固定する。


「ではポテチ君。伊勢海老が集まっている場所は確認する様に。」


「大丈夫です。いつでも確保できます。」


「よし、では持ち上げます。」


ペットボトルが下から一気に岩を押し上げる。


……来るぞ。


豪快に海水が流れ落ちる――そう期待をしていた。


だが、水は一滴も落ちない。


周囲をペットボトルで覆っていたため、音もなく伊勢海老たちの隠れ家だけが姿を現した。


……豪快なのに、静かすぎる。


「よし、固まっているな。」


あわれな伊勢海老達はギーギーと騒ぎ立てる。

……かなりの音量だ。


パニックになって威嚇し続けるもの、必死にバックするもの、光に当てられ動けぬもの。様々だ。


特にバックしている伊勢海老は退路が立たれているので、飛び跳ねる様に暴れているだけだった。


コーラとポテチは手分けして、ペットボトルと袋で捕獲する。


様子が気になったので、海水に近くと。


「あっ、そこは・・・。」


とコーラが声をだすが、こちらはなんのことか分からずそのまま覗き込む。


・・・ぶしゃっ!!!


「ぐわっ!!!なんだこれ?ネトネトしてクセェ。」


「大丈夫か、遭難者。そこには蛸がいたんだよ。」


「あははっ、酷い顔だな!」


「いいから、海水でもいいから、顔を洗える物をくれ。」


「わかったよ、ほれっ。このまま顔を突っ込んでいいぞ!」


ポテチが笑いながら、海水が入った袋を差し出してくれる。


「しかし、蛸墨ってサラサラしてないんだな。濃いし、臭い。」


「普通は海水を含ませるからな。濃度が違う。

まあ、最終兵器を出された感じだな。」


とポテチの疑問にコーラから解説が入る。


「うー、まじか。ポテチ、海水おかわり。」


「ほい。」


何度も顔を洗い、ようやく墨は落ちた。

……臭いだけは、どうにもならなかった。


「よし、全部回収出来たな。さて、小さいやつはリリースするぞ。」


「リリースの基準はどう判断するんだ?」


「大きさは頭から殻の終わりまでで15センチ位だな。後は卵を産んでるかどうかだ。」


「卵があったらそりゃ駄目だよな。」


「色々と勿体無いしな。今回は6匹捕獲したけど、卵はなし。大きさで1匹はリリースだ。」


「まだ獲るか?」


とポテチが言ってくる。


「5匹いれば充分だろ。それよりそこの蛸はどうする?」


「今はいらないかな。」


「なんでだ?遭難者。」


「下処理が面倒。ゴリゴリってさ。」


「実際は感触なんてなかったんだろ?」


「感触はなくとも、ゴリゴリ、ゴリゴリ……。」


「いやだと言うことは伝わったよ。」


「伊勢海老とか牡蠣とかの方が色々と楽で助かる。」


「伊勢海老は焼くだけで済むからな。」


蛸は獲らないことにし、岩を元に戻す。


「さて、伊勢海老は調理の直前に締めるのがいいみたいだが、いつ食べる?」


「しばらくは食べなくていいな。」


コーラからの問いにポテチが答える。


「夕方でいいんじゃないか?伊勢海老と冷えた蛸、後は燻製の味見をして夕食にしたら?」


「それでいいんじゃないか?風呂もその時間までに用意してさ。」


ポテチはコーラに近づき、何やら小声でボソボソと何かをいい始める。


コーラは何度か頷き、


「だな。」

とだけ答えた。


「伊勢海老は夕飯! それまでは自由時間だ!」


「自由時間って言葉がそもそも怖いんだがな。」


「いい響きだろ?」


「その響きで返ってくるのが想定外すぎるのが怖いの!」


ポテチはピンと来ておらず、コーラは“ああ、こいつはすぐ突拍子のないことをやるよな”って顔をする。


……さっきも思ったけど、お前もなんだよ!


「あっ、思い出した。」


「どうした遭難者。」


「伊勢海老を獲る時に、岩を保護して持ち上げただろ?あの時さ、水ががばぁーとなるのを期待してたんだよ。」


「それで?」


「こう、海から島が出現みたいなさ、豪快なのが見たいな。」


そういうと、コーラは先程ポテチに向けていた表情をしてくる。


「いたって標準的な少年の発想だろ?」


「いたって標準的な少年はな、接続制限なし。閲覧制限なし。使用回数制限なし。場所・状況制限なし。接続による代償なし。整理機能付き。実現・トレース補助。接続媒体不要。クラスメイト全員が使える、アカシックレコード。なんて言わねー。」


「よくご存知で。」


「言っとくけどな、お前が1番厨二だからな。」


「ポテチは?」


「あいつは小学生。」


「へへっ。」


「照れんなよ。まあ、仕方がない。遭難者の希望に沿ってやろうじゃないか。魚が少ない岩でやろう。」


こっちだと、コーラに連れられて、目的の場所に着く。


「ではこれから、岩を持ち上げる。埋まっている岩を使うから少し待ってくれ。」


水面内で、ペットボトルを動かしながら変形している。時折砂を振動で落としたり、水深の調整の為に海の奥に移動させている様だ。


……直接岩に触れてないのに実に器用だな。


「よし、じゃあ持ち上げるぞ。」



海から島が生まれるみたいな景色が、今度こそ見れる。







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