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孤独なダンジョン攻略  作者: 主食がお菓子
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繋がり

ピョーンピョーンと、ルコが帰ってきた。


「いつもより時間かかったな。そんなに腹空かせていたのか」


「ラビットじゃ、足りない。下に言って食べてきた」


ゴンと、げんこつをお見舞いする。


「主人、何をする」


「お前硬すぎ。じゃなくて、黙って独りで勝手に下へ行かない。ここのダンジョンは慣れているかもだけど、万が一何かあっても側に居ないと助けれないだろ」


右手の痛みに堪えながら、ルコに説教する。この子は賢い。だから、一回ちゃんと話すと次からはしない。なので、ダメな事や心配させる事をやらかした時は、その場で叱る事にしている。


「ごめんなさい」


しょぼーんとするルコの頭を撫で、顔を上げさせる。綺麗なターコイズの瞳が俺を見つめている。


「ルコは必要と思ったから下へ行ったんだ。その考えはダメじゃない。だけどな、勝手に黙って行ったら俺が心配するでしょ。ルコならわかるよね? 」


「うん。心配するとここがぎゅーっと苦しくなる」


胸に手を当て、そう答える。


「主人にちゃんと言う。戦闘妖精は嘘を言わない」


「えらいえらい。それでこそ、俺のルコだ」


「ムヘヘ」


やっぱりいい子だな、ルコは。俺の言う事を素直に聞いてくれるし、かといって、間違った判断をした時はキチンと違うと教えてくれる。親バカフィルターがかかっていたとしても、こんなに良い子は他にはいないと胸を張って言える。


そんな事を考えていると、コンコンと頭を叩かれた。


「ルコちゃんを愛でるのはそれぐらいにして、この子の話をしましょう」


「アルマンディン」


「ある? なんだそれ」


「アルマンディン。ガーネットの亜種」


「そうなの。へぇーアルマンディンちゃんね」


名を呼ばれたからなのか、反応するかの様に一際輝く。


ルコが空間から手を出す。先程胸に手を当てていた時に思ったが、手には青い石が装飾されていた。


「アルマンディンのエネルギー返す」


そう言うと、手から石が離れ東堂さんの手の中にある宝石に吸い込まれる。光が放ち、半透明の人形が姿を現した。


ルコとは違う青い瞳、なびく髪、胸に収まるアルマンディン。


「綺麗」


そっと触れようとするが、手が身体をすり抜ける。


「主人のエッチ」


「えっ、ごめん? 」


ジト目で言われ、つい謝ってしまった。その様子に、アルマンディンがクスクス笑う。よかった、半透明だし透けるから心配したけど、彼女はちゃんとそこに居る。存在しているんだ。


『イミティーションドールから助けていただきありがとうございます』


頭に彼女の言葉が入ってくる。これは念話というものだろうか、なんとも不思議な感覚だ。


『ターコイズ、素敵な主人を見つけたのですね。手がつけれない程の荒くれさんが、こうも立派になって。嬉しすぎてタオルが欲しいです』


そう言ってダバーと涙を流す。なんとも感受性が豊か子だな。


「アルマンディン、余計な事言わない。あと、私はルコだ」


『まぁ、それは貴女の名前? 素敵ですわ。とても大事にされてるのね』


「アルマンディン、主人どうした? 」


『ガーネットに奪われました。そのあと、イミティーションドールに飲み込まれ、力全てを封じられ利用されたわ。結局、力を扱えきれなかった様だし、エネルギー過多で自爆してくれたでザマーです』


ガーネット、そいつがイミティーションドールに力を与えた元凶か。


『私とガーネットは一緒に主人と出会った。喜ぶも束の間、主人に捨てられた。あれも今思えば仕組まれた事だったのです。ガーネットは危険。あの子は、戦闘妖精の存在意義を壊そうとしている』


存在意義? それはどういう事だ?


「本当の自由を手に入れる。イミティーションドールも言っていた」


『彼女は可哀想な子。あの子はその自由になる為の実験に使われたのです。私自身もその巻き添えを受けました』


そう言い終えると、アルマンディンの姿が少し薄れた。


『やはり、主人無き者は存在を維持するエネルギーの消耗が激しいです。イミティーションドールがあれほど過度なエネルギー摂取を行ったのも、主人を持たない者だからです。ルコ、最後に貴女に伝えれて良かったです。これでもう、心残りはありません』


「何を言っている。意地でも生きろ。戦闘妖精は死を恐れないが、死ぬ事は許されない」


そう怒鳴って飛び出して行った。すぐ戻ってきて何かをアルマンディンに向けて投げた。


「受け取れ。それがお前の新しい繋ぎだ」


淡い光に包まれ、今度は鮮明にアルマンディンの姿が現れた。頭にうさ耳をつけて。


『え? えええーーーー』


「戦闘妖精、ラビットバージョン」


投げ入れたラビットを繋ぎとした事で、特徴が身体に現れてしまった。これで彼女の存在が確かな者になった。あと必要なのは主人だけ。それも、


「かわいい」


後ろからアルマンディンを抱きしめる、彼女がいる。


『えっえっ………主人? 』


「そうよ。私が主人よ。だから、貴女を絶対死なせない。存在意義が人との繋がりなら、喜んで受け入れるわ」


東堂さんの想いに答える様に、一層胸の宝石が輝く。


「私は戦闘妖精、ジュエリードールのアルマンディン。主人、お待ちしておりました」


念話じゃない。彼女の声で契約が交わされた。


「アルマンディンってルコと違って言葉使いが上手いね」


「ターコイズ……ルコも言えますよ。でも、彼女エネルギー不足をよく起こすでしょう? エネルギー量は戦闘妖精の性能を左右するのです。特に燃費が激しい彼女には、しっかりエネルギー吸収をさせてあげてください」


「……燃費悪っ」


食いつくされたラビットや、ビックラビットを思い出す。指折りながら計算すると、その燃費の悪さに頭を痛くした。


イミティーションドールと戦った時は、あんなにスラスラ喋っていたのは、相手からエネルギーを補充していたからなのか。あれほどのエネルギーを毎日得るとなると、ダンジョンを買い取るしかない。


「あはっあははは」


「燃費ってなに? 」


こいつはとんでもない大食らいを拾ってしまった。後悔してもどうしようもない。


「燃費ってなにーー? 」


ぷしゅーと気の抜けた音と共に、ルコが倒れた。


「あれ? もうご飯んん」


自力で立てれず、仕方なく背負ってビックラビットの元へ行った。少しずつエネルギーを吸収させ、あとは自力で摂取させた。


俺もこれからはガスマスクにしよう。


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