第六十七話 伝説崩壊
「イフリート討伐してきました!」
エルメルに向かって私はピースをしながらそう言った。するとエルメルが目を見開き、嬉しそうな顔をしていた。
「そうか、無事に討伐したか。」
嬉しそうな表情を見せた後、顔を曇らせて呟くように、問いかけた。
「怪我人は?」
その問いに私も顔を曇らせた。ロランさんが負傷して、他にも何人か死んでいる人や、怪我をしている人を発見していた。 一応、怪我をしていた人達は、動けるようになったロランさんが外に運んでいたけど、どういう状況になっているのか私にもわからなかった。
私が黙ったのを見てエルメルも暗い表情のまま沈黙した。
「おい!」
そんな時、ラファエルさんが姿を現した。
「ラファエルさん!?」
宴の時には姿が見えなかったのに、どうして今この場所に居るんだろうと驚いた。
「報告だ。死んでいる奴は復活はできないが、けが人は俺たち天使の方で回復させておいた。」
その言葉に、私たちはホッとした。少なくともこれで死人が増えることは無い。でも、こんな時にどうして自分が治癒魔法を使えないのか、嘆いた。
その後、死者はそれぞれ、天使が一名エルフが二名という、伝説級のモンスターに挑んだにしては少ない被害に、後にこの話が伝説として残ることになるとは、今この場に居た人物全員が予想などしない出来事だった。




