1095日ぶりの三重奏
三日後この日は貸スタジオが借りられなかった。だから僕の部屋で演奏する事によりなった僕はギターを手にし裕二と恭太郎に三年前活動していた時のように言った。
「いつも通りにいこう。」
僕はそう二人に言いギターを構える。白と黒のツートーンのシンプルなエレキギター…買った当初から僕はこのギターを使っている。数秒経過してすぐ僕は足でリズムをとる…三テンポの時一斉に楽器を鳴らした。でも僕達はすぐ演奏を止めた。理由は簡単だった。
「リズムが…ズレてる」
すぐに分かった。やはり四年間のブランクはこうも堪えるとは…恭太郎はすぐ自分の感情を丸め込むように
「気を取り直そう。前回のミスを引きずってると結果も悪くなる。」
流石冷静な人言い方と考え方が違う。一方裕二は、少し焦っている様子だった無理もない。なんせ僕の命は後僅かなのだから。
「もっと練習しよう!な?」
恐らく恭太郎も裕二と同じ事で焦っているのだろう。僕も同じ事ともう一つの事で焦っていた。僕はこう零す。
「ベーシストが…居ない…」
そうベーシストが居ないのだ。コレは重大な問題だったりする祐介と同じ位の腕を、持つベーシストが居ればな。二三時間が経過しただろう二人は帰宅した。僕は頭を抱えこう言った。
「どうすれば…」
そう考えていた時だった。
「ピーポン」
インターホンが鳴り響く。僕は誰か分からなかったが…聞き覚えのある声が、玄関に響く。
「廻?居る〜?」
僕はこの時この声の主琴葉の声を聞きこう思った。
「こいつは…使える…」
と…悪魔の笑みを浮かべながら…
トン…ギシッ…トン…ギシッ…
僕の家の二階廊下から響くその音は、この家の二階奥の部屋…つまり僕の部屋に確実に近づいていた。ある程度その音が響いた後にドアをノックする音が聞こえる。
トントン…
僕は、いつもより明るめなトーンでノックした人物にドア越しに言った。
「来たか…どうぞ」
そう言った後に琴葉が入室した。まぁ…何となく来るのは予想していた。僕はギターの弦を調整しながら琴葉に聞いていた。
「どうしたんだい?君がこんな昼時に来るなんて…珍しいじゃないか…」
琴葉は嬉しそうに微笑んで瞳を閉じながら言ってくれた。琴葉自身が思ってくれた事を
「バンド…活動再開するんだね…良かった」
僕はギターの弦を弄るのを止め、話の続きを聞く事にした。だって…もし琴葉が祐介が言っていた事…僕の癖を一週間前に言ってくれなかったら僕はギターを弾いていないし…バンド活動もしていなかった。
「琴葉…君のおかげだよ…祐介によく言ってた僕の癖を…君が知っていなかったら僕は今の活動をしていない。」
琴葉は、嬉しいような悲しいような…そんななんとも言えない表情で僕に言う。
「祐がね…生前言ってたの…「廻はああやっていつも平常心保ってるけど…ホントは崩れかけの心なんだ」って祐がいなくなった今…私がどうにかしなきゃいけないから…ホントは廻の手伝いもしたいけどね…」
僕は琴葉に、今渡そうと思ってる物がある。それをここで渡すしかない。そうじゃなきゃチャンスを逃してしまうから。
「琴葉…こっちに来てくれ」
そう僕は言いクローゼットを開けて、一本のエレキベースを渡した。最初琴葉は戸惑いながら
「えっ?ちょっ…?えぇ?…」
そう疑問の声出している琴葉に言った。
「バンドをやってくれないか?」
そう僕が琴葉に質問した後の琴葉はテンパっていたのだろう。まるでヘリウムを吸った時のような声で僕に質問した。
「な…なんで私?」
僕は一呼吸間を置いて僕は言う。だって、それは…そのエレキベースは…。
「それは…僕の親友であり君のパートナーが僕らに託した物」
僕はそう言い琴葉に問いかける。
「やるのか…やらないのか」
まぁ君は即だったな。やりたい理由は何となく察しが付く。
「祐がやりたかった事…私がやりたいんだ…」
そう言い琴葉は振り向きながら僕に言った。
あれから1週間が経過した。いつものように練習を始めたいところだが……今日はこの二人に紹介したい人がいる。僕は一度裕二と恭太郎の二人に声をかけた。
「あ〜…一ついいか?メンバーが増える。」
裕二は期待した表情を見せながら…こう言葉を口にする。
「お!どんな奴だ?気になるなぁ」
まぁ…裕二の反応は、何となく予想出来た。恭太郎は静かな表情でこう言った。
「ベース?ギター?どちらでも良いけど…仲良くしたいものだね。」
裕二も恭太郎も新メンバーがどんな奴か楽しみにしていた。僕はコホンと咳払いをしてドアに向かい…
「入ってきてくれ…」
そう僕が言った後に、ドアが開き琴葉が入ってきてきた。琴葉は、ペコリと小さく礼をした後
「これから……よろしくお願いいたします……担当はベースです」
と一言言った。その直後裕二は興奮気味になりつつ
「Foooooo!女!このバンドにも華が来たよ!おぅい!」
と…とち狂った感想を述べた後に、ドラムを叩きこう言った。
「俺は…轟 裕二!よろしくな!」
コイツはいつも女子生徒の尻を追っかけていたから…こうなる事は予想出来ていたが…今回はやけに張り切ってるな。一方恭太郎は静かに…
「僕は…恭太郎って言うんだ…よろしく」
この二人の温度差に僕は頭を抱えて溜息をつく。
「はぁー……」
横で聞いていた琴葉は驚いた表情で僕に言ってきた。その言葉に僕はもう事実しか言えないが
「いつも…こんな感じなの?」
そう聞いた琴葉に、僕は頭を抱えながら
「ああ…癖の多い奴らの集まりだが……よろしく」
その後普通に練習に入りたかったのだが…裕二は女の事になるとしぶといという事を忘れていた。琴葉に質問詰めだった。
「なぁなぁ?彼氏いる?廻とはどんな関係?教えてくれよォ〜」
困る琴葉…恭太郎の制止も聞かない裕二…やめておけと言っているにも関わらず言う事に耳を貸してくれない奴に困る恭太郎。僕は、それに見かねて溜息をつきながら少し声のトーンを上げて言った。
「ほら!練習始めんぞ!」
と…




