壊れたものは直せない
遠江 徊
轟 裕二
佐久間 恭太郎
石川 祐介
昔この四人でこんな話をしたことがある。
「いつか…パンクバンドやろうや」
僕と裕二の提案だった。恭太郎も祐介も、迷わず二つ返事で返してきた。
「やろう」
この言葉で…それからの行動は簡単だった。高校生だったから、バイトして楽器店行って…自分のやりたい楽器を買った。役割もすぐ決めてそれぞれ練習に励んでいた。ボーカルとギターは僕。裕二はドラム。恭太郎はエレキボード。祐介は…エレキベース。全て上手く行っていた祐介と僕は、小中と同じ学校とゆう事もあり、恭太郎や裕二が家に着く頃には2人だけで練習した日もあった。それでも、全体的に合ってはいたし長く続くだろうとメンバーが誰しも予想した。でも…ある日祐介が電話に出なかった…いや…出れなかったに等しいだろう。
ぽぽぽ…ポルポル…
「祐介…どうしたんだろ?遅くないか?」
僕はそう恭太郎や裕二に言うと二人は珍しい物でも、見つけたかのような表情をしてこう言った。
「さぁ…寝坊とか?」
その直後だった…
ぴぴぴっ…
僕の携帯電話が鳴り響く。通話のボタンをクリックして電話に出たら…相手は警察官だった。
「はい…はい…え?……」
僕は…この時電話に出なきゃ良かったと…後悔した。祐介が死んだ。死因は自殺だったそうだ。祐介の家は複雑で、親が年に一回毎回毎回変わっていく家庭だった。理由は分からなかったが、祐介は最期遺書を書きビルから飛び降りたそうだ。遺書にはこう書かれていた。
「生きるのに…疲れました。僕と関わっている皆さん…ごめんなさい」
何故死のうとなる前に、僕や頼れる奴に相談しなかったんだろうそう考えると僕は頭が痛くなった。僕らは恐らく信用されていなかった。そう思えてしまうようになった。いつの間にか皆バラバラになっていき…僕らの明るい青春は…消えていった。
思い出してしまうほど…僕は自分を憎んでしまう。何故祐介は、僕らを頼る事無く「死」に逃げてしまったのかを…想像するだけで自分が憎くなった。僕は病室でため息を吐きながら裕二に言った。
「考えさせてくれ」
裕二は少し戸惑った様子で…
「お…おう…答えが出たら言ってくれ」
そう言い裕二は、病室を後にした。僕はまたため息を出した後
「なんで壊れたものって直んないだろうな…笑えねぇよ」
そう言葉を吐き眠りについた。




