表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
62/76

第62話「酔いと本音」

 数日前。



「今度、チームで飲み会あるんだけど」



 レオが何気なく言う。


 ラーナの手が、一瞬だけ止まる。



「……そう」



 顔はそのまま。


 でも。



(……飲み会)



 少しだけ、引っかかる。



「一次会だけで帰るよ」



 レオが続ける。



「どうせ長くいても疲れるし」


「……別に」


 一拍。


「……大丈夫だよ、行っておいで」



 言える。


 ちゃんと。



(……気にしてない)



 ……つもり。


 レオは少しだけラーナを見る。


 でも、それ以上は何も言わない。



「じゃあ、終わったら連絡する」


「……ん」



 そのまま話は終わる。





 当日。


 夜。


 家。


 時計を見る。


 まだ、そんなに遅くない。



(……早く帰るって言ってた)



 スマホを見る。


 通知は、ない。



(……別に)



 気にしてない。


 ……はず。


 そのとき。


 玄関から、音。



(……はや)



 ドアが開く。


 レオ。



「……早くない」


「早めに切り上げてきた」



 少しだけ、ふらついてる。


 顔、ほんのり赤い。



(……酔ってる)



 次の瞬間。


 距離が、近い。



「……ラーナ」


「なに」


「会いたかった」



 即。


 ラーナの思考が止まる。



「……は?」


「だから帰ってきた」



 まっすぐ。


 変な駆け引き、一切なし。



(……無理)



 ラーナが一歩引く。


 でも。


 レオが一歩詰める。



「……ちょっと酔ってるでしょ」


「ちょっとだけ」


「……だからって」


「ラーナに会いたくなるくらいには酔ってる」



(……やめて)



 言葉、強すぎる。


 レオがそのままソファに座る。


 ラーナも少し遅れて座る。


 距離、近い。



「……飲み会どうだったの」


「普通」


「……女の人に距離詰められなかった?」



 一応。


 聞く。


 レオが少しだけ考える。



「……いや」


「ラーナの話しかしてないから、特にそういうのなかった」



 ラーナの呼吸が止まる。



「……何それ」


「そのまま」


「彼女いるって言ったし」


「写真見せろって言われたけど断った」



(……は?)



「見せたくないから」



 ラーナの顔が一気に熱くなる。



(……無理)



「……ほら」



 レオが少しだけ笑う。



「そういうとこ」


「ほんとかわいい」



 ラーナが固まる。



「……やめて」


「なんで」


「……無理」



 短い。


 でも。


 完全に崩れてる。


 レオが、少しだけ距離を詰める。



「……無理ってなに」


「……処理できない」



 正直。


 レオが少しだけ息を吐く。


 距離が詰まる。


 ラーナの手が、無意識に服を掴む。



(……ほんと無理)



 でも。


 逃げない。


 レオが、少しだけ笑う。



「……今日、だいぶ我慢してたから」


 一拍。


「もう無理」



 低く。


 ラーナの思考が追いつく前に。


 距離は、完全に消えた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ