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金持ちから貧乏転生~金を取るか人を取るか~  作者: 有明


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第9話:それ、ただの依存

金運最強、人運最悪だった男が――

異世界で“真逆の運命”を背負わされます。


ゆるく読める逆転系コメディです。

 「潰す」


 俺の一言に、レナの眉がわずかに動いた。




「……どうやって?」




「考える」




「具体性ゼロ」


 即切り。




「でもやるしかないだろ」


「だからって」


 レナはため息をつく。




「今のままじゃ無理」




(まぁな)


 それはわかっている。


 だが、だからといって何もしないわけにもいかない。




「じゃあどうする」


 俺は聞く。




「このまま、あいつらに金渡し続けるのか?」




「そうね」




「は?」




 思わず声が出た。




「短期的にはそれが最適」


 レナは淡々と言う。




「リスクが一番低い」




「ふざけんなよ」




 言葉が、強くなる。




「搾取されてるんだぞ?」




「知ってる」




「なら――」




「でも死なない」




 言葉を、切られる。




「今のあなたじゃ、逆らったら終わり」




「……」




「だから、生き残る方を選ぶ」




 正論だった。


 完全に。




(でも――)




「それでいいのかよ」




 気づけば、口に出ていた。




「ずっとあいつらの下で?」




「ずっとじゃない」




「じゃあいつだよ」




「力がついてから」




「その“力”ってなんだよ」




 沈黙。




 ほんの一瞬だけ、レナの視線が揺れた。




「……わからない」




 小さな声だった。




(……あ?)




 初めてだった。


 レナが、“不確定”を口にしたのは。




「でも」


 すぐに、いつもの顔に戻る。




「今じゃないのは確実」




「……」




 正しい。


 正しすぎる。




(だからムカつくんだよ)




「じゃあ一生そのままだな」




「は?」




「力がつくまで待つ?」


 笑う。




「そんなの一生来ねぇよ」




「来る」




「来ねぇよ」




 言い切る。




「待ってるだけのやつに、そんなもん来るかよ」




 空気が、変わる。




 レナの目が、わずかに細くなる。




「……待ってるだけ?」




「そうだろ」




「違う」


 即否定。




「私は、確実に積み上げてる」




「どこがだよ」




「リスクを減らしてる」




「それ、逃げてるだけだろ」




 言った瞬間。




 空気が凍った。




「……もういい」




 レナが、静かに言う。




「あなたと話しても無駄」




「は?」




「考え方が違う」




 淡々とした声。


 でも、少しだけ温度が低い。




「あなたは“勝ちたい”」




「当たり前だろ」




「私は“負けない”」




「……」




「そこが違う」




 言い切られる。




「だから、組んでもズレる」




「……」




「今回の件で、よくわかった」




 そして――




「一旦、やめる」




「は?」




「協力、ここまで」




 あっさりとした言葉。




(おい)




「ちょっと待てよ」




「待たない」




「今の状態で一人になったら――」




「それはあなたの問題」




 切られる。




「私は“確実に生き残る方法”を選ぶ」




「……」




「あなたは“リスクを取る方法”を選ぶ」




 一歩、距離を取る。




「なら、別々にやった方がいい」




「……」




 何も言えなかった。




 正しいのは、たぶん向こうだ。




 でも――




(それじゃ変わらねぇだろ)




 そう思ってしまう。




「じゃあな」




 レナが背を向ける。




 止めなかった。




 止められなかった。




 そのまま、姿が見えなくなる。




(……最悪だな)




 一人になった。




 まただ。




 前世と同じ。




 人はいるのに。


 誰も、隣にいない。




 そして――




(でも、やるしかねぇ)




 俺は一人で立つ。




 金は、半分残ってる。




 やり方も、少しは見えた。




 足りないのは――




(“守る力”だな)




 こうして俺は――


 初めて“人に頼らずに勝つ”ことを考え始めた。


読んでいただきありがとうございます!

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