8話:推し活、順調に進んでいます。
8話目になりました!
それから数日。
私の推し活は、順調に進んでいた。
部屋の壁には、ルミナちゃんの写真。
机の上には、応援ボード棚には、ルミナちゃんを描いた小さな絵。
そして新しく作った服のデザイン案。
(……フフフ)
私は写真を眺めながら、ニヤニヤした。
写真の中のルミナちゃんは、白いワンピースを着て、少し恥ずかしそうに立っている。
別の写真では、庭園の花を眺めている。
まだ別の写真では、パンを食べている。
(……可愛いい)
私は写真を1枚ずつ整理していた。
前の世界では、仕事に追われてこんなことをする時間などなかった。
休日に推しのグッズを眺めることすら、疲れてできない日があった。
けれど今は、時間がたっぷりある。
誰にも急がされない。
誰にも怒鳴られない。
好きなことを、好きなだけできる。
「異世界って最高だなぁ……」
その時、扉が開いた。
「美桜、また何かしておるのか?」
ルミナちゃんが私の後に立っていた。
「はい!写真の整理です!」
私はルミナちゃん見るように向く。
「……また、妾の写真か?」
「もちろんです」
「何枚あるのか?」
「数えるのが怖いぐらいあります」
「怖がる所が違うじゃろう!」
ルミナちゃんは机の上の写真を見た。
庭園で撮ったもの。
食堂で撮ったもの。
窓辺で撮ったもの。
服を着たときのもの。
「………こんなに撮っておったのか?」
「はい!」
「妾は寝ている間に撮ったりしておらぬのじゃろうな?」
「それはしてません」
「本当なのか?」
「寝顔はまだ撮ってません!」
「まだ!?」
ルミナちゃんは慌ててカメラを隠そうとした。
私は笑いながら言った。
「でも、ルミナちゃんの写真を見ると元気になるんですよ」
「……元気になる?」
「はい。疲れた時とか、嫌なことを思い出した時とか」
私は少しだけ真剣な顔になった。
「ルミナちゃんを見ていると、心が落ち着くんです」
ルミナちゃんは黙った。
しばらくして、頬を赤くしながら小さく呟く。
「……ならば、好きにすればいいのじゃ」
「本当ですか?」
「ただし、変な写真は撮るでないぞ!」
「変な写真って?」
「寝ている所とか、食べている物を口いっぱいにしている所とかじゃ!」
「それも可愛いと思いますけど」
「撮るなと言っておるのじゃ!」
私は笑った。
ルミナちゃんは怒っているようで、以前ほど嫌がってはいなかった。
むしろ、少しずつ私の推し活を受け入れてくれているように感じた。
(推し活、順調です)
私は心の中で満足げに頷いた。
作者コメント
見てくれてありがとう!
書く気力が湧きます!
いいねとかもしてくれると嬉しいです。




