6話:推しに可愛い服を着せたい!
6話目です
それではどうぞ!
魔王城での生活にも、すっかり慣れてきた。
朝は美味しい朝食を食べ、昼は城の中を散歩し。午後はルミナちゃんと話をする。
夜になれば、静かな部屋でゆっくり眠る。
以前の私からすれば、夢のような生活だった。
そんなある日のこと。
私は自分の部屋で、机の上に広げた布を眺めていた。
白い布。
淡い紫色の布。
黒いレース。
小さなリボン。
そして、色とりどりの糸。
「……よし」
私は小さく頷いた。
今日は、私が作ろうとしているもの。
それはーーー。
【ルミナちゃんの新しい服!】
推し活をするなら、推しには可愛い服を着てもらいたい。
これは当然の事だ。
私はバッグの中から裁縫道具を取り出した。
針、糸、ハサミ、布。
必要なものは、願えば不思議なバッグから出てくる。
「どんな服にしようかな……」
ルミナちゃんは黒や紫の服を着ている事が多い。
それもよく似合っている。
けれど、たまには雰囲気を変えてみるのもいい。
私は白と淡い紫色を組み合わせ、ふわっとしたスカートのワンピースを作ることにした。
胸元には小さなリボン。
袖にはレース。
スカートの裾にも、控えめな飾り付ける。
派手過ぎず、けれど可愛らしい。
(絶対に似合う……!)
私は夢中になって針を動かした。
窓の外では、風が庭園の木々を揺らしている。
遠く鳥の鳴き声が聞こえ、部屋の中には布を切る音だけが響いていた。
しばらくしてーー。
「完成!!」
私はワンピースを両手で持ち上げた。
白の基調にした、ふんわりとしたワンピーしを両手で持ち上げた。
白の基調にした、ふんわりとした可愛い服。
紫色のリボンが、ルミナちゃんの髪や瞳に合いそうだった。
「これは……いける!」
私は完成した服を抱えて、ルミナちゃんを探しに部屋に出た。
廊下を歩いていると、ちょうどルミナちゃんが窓辺に立っていた。
外の庭園を眺めているらしい。
「ルミナちゃん!」
「何じゃ、美桜」
私は服を広げて見せた。
「これ、作ってみました!」
「……服じゃと?」
「はい!ルミナちゃん用です!」
ルミナちゃんは服を見つめた。
白い布。
紫色のリボン。
ふわりと広がるスカート。
「………妾に?」
「もちろんです!」
「なぜじゃ?」
「可愛いからです」
「理由がいつも同じではないか!」
「可愛い子には可愛い服を着せたくなるんです」
ルミナちゃんは服を手に取り、じっと眺めた。
少しだけ頬が赤くなっている。
「……着なければならぬのか?」
「嫌なら無理には……」
「……一度だけじゃぞ」
「本当ですか!?」
「一度だけじゃ!」
ルミナちゃんは顔を背けながら言った。
私は心の中で大歓迎した。
(やった!推しの新衣装!)
しばらくして、ルミナちゃんが着替えて戻ってきた。
扉が開く。
そしてーーー。
「………」
私は言葉を失った。
白いワンピースは、ルミナちゃんの小さな体にピッタリだった。
紫色のリボンが髪の色とよく似合っている。
スカートは歩くたびにふわふわと揺れ、背中の翼が少しだけ覗いていた。
「……どうじゃ?」
ルミナちゃんが恥ずかしそうに尋ねる。
「………可愛い」
「それだけなのか?」
「物凄く可愛いです!」
「声が大きい!」
「天使……いや、魔族の妖精……」
「何を言っておるのじゃ!」
ルミナは顔を真っ赤にした。
私はバッグからカメラを取り出した。
「写真を撮ってもいいですか?」
「しゃしん?」
「記念です!記念です!」
「……1枚だけじゃぞ」
「はい!」
私は何枚も写真を撮った。
「1枚と言ったじゃろう!」
「すみません!可愛すぎて手が止まりませんでした!」
ルミナちゃんは怒っていたが、完全には嫌がっていないようだった。
私は撮った写真を眺めながら、心の中で呟いた。
(異世界に来て良かった……)
作者コメント
6話読んでくれてありがとうごさいます!
読んでくれただけでも小説を書く気力が湧きます。
次は7話です
お楽しみ〜




