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ブラック企業で過労死した私、召喚された先で魔族の少女に癒されています。  作者: 宝妖夜るあ


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37/38

37話:黒いゴジック服のルミナちゃん

37話です


翌朝。


カーテンの隙間から差し込む朝日で、私は目を覚ました。   


「……朝?」  


まだ少し眠かったけれど、すぐに思い出す。


(そうだ! 今日はルミナちゃんが新しい服を着てくれる日!)


私は慌ててベッドから起き上がり、身支度を整えた。

そして食堂へ向かうと――。


「おはようございます!」


「おはようございます、美桜さん」


ロザリアさんが優しく挨拶してくれる。


その隣には、いつものように朝食を待っている黒エルフたちがいた。


「あれ? ルミナちゃんは?」


「まだ来ておりませんわ〜」


「そうですか……」


(もしかして、着たくなかったのかな…)


そのとき、食堂の入口から小さな足音が聞こえてきた。


コツ、コツ……。


「皆、待たせたのじゃ…」


現れたルミナを見た瞬間――。


私は固まった。


「…………」


黒いワンピース。


白いレースの襟。


袖についた小さなリボン。


腰には銀色の飾り。


ふわりと広がるスカートの裾にも、細かなレースがついている。


髪には黒いリボン。


いつもの可愛らしい雰囲気に加えて、少し凛としたゴシック風の印象が加わっていた。


「……美桜?」


ルミナちゃんが首を傾げる。


「どうしたのじゃ? なぜ黙っておるのじゃ?」


「…………」


(可愛い)


(黒い服、似合いすぎる)


(レースもリボンも最高)


(待って、想像以上に似合ってるんだけど!?)


「美桜さん?」


ロザリアさんに声をかけられ、私はようやく我に返った。


「か、可愛いです……!」


「いきなり何じゃ!?」


「すごく似合っています! 本当に可愛いです! 黒い服も最高です!」


「そ、そうか?」


ルミナちゃんは少し照れたように視線をそらした。


「昨夜、美桜が作った服じゃからな。ちゃんと着てみたのじゃ」


「ありがとうございます!」


「礼を言われることではないじゃろう」


「いえ、着てくれたことが嬉しいんです!」


私はルミナちゃんの周りをぐるっと一周しながら、服の細部を確認する。


「レースも綺麗ですし、リボンの位置もぴったりです。髪のリボンもよく似合っています!」


「そ、そう何度も言うでないのじゃ!」


「だって本当に可愛いんですもん!」


黒エルフたちもルミナを見つめていた。


「お姉ちゃんみたいで可愛い……」


「いつもより少し大人っぽいね」


「でも、やっぱり可愛い……!」


「うむ。皆もよく分かっておるではないか!」


ルミナちゃんは得意そうに胸を張る。


しかし、すぐにロザリアさんが微笑みながら言った。


「まあ、ルミナちゃん。とてもよく似合っていますわ」


「母上まで……」


「黒い色も素敵ですし、レースの使い方も上品ですわね」


「美桜が作ったのじゃ」


「ええ。美桜さんの愛情がたくさん詰まっていますわね」


「愛情!?」


ルミナちゃんの顔が一気に赤くなった。


「ち、違う! これはただの服じゃ!」


「ただの服ではありませんよ!」


私は力強く答える。


「ルミナちゃんのために、夜遅くまで一生懸命作った特別な一着です!」


「だから夜更かしするでないと言ったじゃろう!」


「すみません……」


「……でも」


ルミナちゃんはスカートの裾を少しつまんだ。


「……大切にする」


「ルミナちゃん……!」


私は思わず胸を押さえた。


(今のは反則!)


「写真を撮ってもいいですか!?」


「また写真か!?」


「一枚だけ!」


「一枚だけじゃぞ!」 


「はい!」


私はすぐにバッグからカメラを取り出した。


ルミナちゃんは呆れながらも、少しだけ姿勢を整える。


「こうか?」


「はい、最高です!」


カシャッ。


「もう一枚!」


「一枚だけと言ったじゃ!」


「では、記念にもう一枚だけ!」


「増えておるではないか!」


ロザリアさんが楽しそうに笑う。


黒エルフたちも隣に並び始めた。


「私たちも一緒に写りたい……」


「ルミナ様の隣がいい」


「美桜さん、撮って!」


「もちろんです!」


私はルミナちゃんと三人の黒エルフたちを並ばせた。


黒い服のルミナちゃんを中心に、可愛いパジャマ姿から普段着に着替えた黒エルフたちが並ぶ。


「はい、笑ってください!」


カシャッ。


朝の食堂に、カメラの音が響いた。


ルミナちゃんは少し恥ずかしそうにしながらも、服の裾を整えている。


「……まあ、悪くない写真になったかもしれぬのじゃ」


「ですよね!」


「ただし、次に新しい服を作るときは、ちゃんと寝てから作るのじゃぞ」


「はい……」


「返事だけはよいのじゃ」


ロザリアさんはそんな私たちを見ながら、穏やかに微笑んだ。


「今日も賑やかな朝ですわね〜」


私は黒いゴシック風の服を着たルミナちゃんを見つめながら、心の中で叫んだ。


(異世界生活、最高すぎる……!)

作者コメント

見てくださりありかとうございます


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