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ブラック企業で過労死した私、召喚された先で魔族の少女に癒されています。  作者: 宝妖夜るあ


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32/36

32話:朝起きたら、黒エルフ達が添い寝していた

その夜。


リリアちゃんとセレナちゃんとレオンくんは、用意された寝室で眠ることになる。


ふかふかのベッドに、清潔なシーツ。


暖かい毛布に、柔らかな枕。


「眠っていいんだよね」


「勿論、3人の為のベッドだよ」


私はリリアちゃんとセレナちゃんとレオンくんに笑いかけた。


「お休みなさい何かあったら、すぐ呼んでね」


「おやすみなさい…」


リリアちゃんとセレナちゃんとレオンくんは小さく手を振った。


私は自分の部屋に戻り、ベッドに入った。


(今日は色々あったなぁ〜)


レオンくんとセレナちゃんとリリアちゃんを見つけて、魔王城へ連れてきて、お風呂に入ってもらって、新しいパジャマを渡して…。


(ちゃんと安心して眠れるといいけど…)


そんなことを考えている内に、私は眠りについた。


***


暫くして。


部屋の扉が、そっと開いた。


「……」


レオンくんとリリアちゃんとセレナちゃんが静かに顔を覗かせていた。


自分達の寝室にいても、なかなか眠れなかったのだ。


広くて綺麗な部屋なのに、何処か落ち着かない。


今までずっと、3人で身を寄せ合って眠っていたからだ。


「……美桜さん…」


セレナちゃんが眠っている私を見つめる。


「ここなら…怖くないかも」


3人は顔を見合わせた。


そして、猫が暖かい場所を探すように、そろそろと私のベッドへ近づいてくる。


「……入ってもいいかな?」


誰も起きていないことを確認し、3人は布団の端からそっと中へ入った。


リリアちゃんは私の右側。


セレナちゃんは左側。


レオンくんはセレナちゃんの隣。


「……あったかい」


「……安心する…」


「…僕ここなら寝れる」


3人は私の服の端を軽く握り、猫のように丸くなった。


私は眠ったまま、無意識に布団を少し広げる。


「……ん…」


その動きに、3人はビクッとしたが、私が起きないと分かると、ほっと息をついた。


そして3人は、私の隣で静かに眠り始めた。


***


翌朝。


「美桜ー!!起きるのじゃ!」


ルミナちゃんが、いつものように私の部屋へやってきた。


扉を開け、ベッドの側まで歩いてくる。


「もう朝じゃぞ!いつまで寝ておるのじゃ!」


ルミナちゃんは毛布を引っ張ろうとした。


しかしーーー。


「……ん?」


毛布の中に、何かがいる。


しかも、1人ではない。


ルミナちゃんがゆっくり毛布をめくるとーー。


3人が私に寄り添うようにして、スヤスヤ眠っていた。


「…………」


ルミナちゃんは固まった。


数秒後。


「何じゃああああああああああっ!?」


魔王城中に響き渡るほどの大声が上がった。


リリアちゃんとセレナちゃんとレオンくんがビクッと目を覚ます。


「ヒャッ!」


「な、なに!?…どうしたの?」


私も驚いて飛び起きた。


「えっ!?何事!?」


ルミナちゃんはベッドを指差しながら叫ぶ。


「な、なぜじゃあああああああ!?なぜリリアとレオンとセレナが美桜と添い寝をしておるのじゃああああああっ!?」


私は右左と見た。


そこには、びっくりしているリリアちゃんとセレナちゃんとレオンくん。


「……あ」


「お、おはようございます…」


セレナちゃんが、申し訳なさそうに頭を下げる。


ルミナちゃんは目を丸くしたまま、3人を見る。


「お主達、自分達の寝室があったじゃろう!?」


「……眠れなくて」


「それで、美桜の所へ行ったのじゃな!?」


3人は小さく頷いた。


レオンくんが布団を握りしめながら言う。


「………僕達3人でいると安心するんです。でも今日は怖くて、美桜さんの近くなら…安心して」


「だからって、勝手に添い寝するな〜!」


ルミナちゃんはそう叫んだが、3人の怯えた表情を見て、少しだけ声を落とした。


「……怖かったのじゃな?」


「………うん」


「……はい」


「……そうです」


ルミナちゃんは困ったように腕を組む。


私は3人の頭を優しく撫でた。


「大丈夫ですよ。ルミナちゃんも私も怒ってないから。」


「……ごめんなさい」


「謝らなくていいんだよ。ただ、次からは一言声を掛けてくれたら嬉しい」


「うん!」


ルミナちゃんはまだ納得していないようだった。


「しかし。朝起きたら3人も増えておるのじゃ…、我はびっくりしたのじゃ…」


私は思わず、笑ってしまった。


「ルミナちゃん、そんなに驚かなくても」


「驚くに決まっておるのじゃ!美桜のベッドにレオンとセレナとリリアの巣になっておるのじゃぞ!」


「巣って…」


3人は、少し恥ずかしそうに布団から出た。


けれど、表情は昨日よりもずっと穏やかだった。


私は3人に声を掛ける。


「今日から、眠れない時はちゃんと呼んでね」


「…はい」


「我慢しなくていいからね?」


3人は頷いた。


ルミナちゃんはため息を付きながらも、3人を見ていた。


「……まぁ、安心して眠れるのなら良いのじゃ」


そして、最後にもう一度だけ叫ぶ。


「じゃが、勝手に添い寝するのは程々にするのじゃあああああっ!」


朝の魔王城に、ルミナちゃんの声が響き渡った。

作者コメント

見てくださいありがとうございます

見てくれると嬉しいです。

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