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ブラック企業で過労死した私、召喚された先で魔族の少女に癒されています。  作者: 宝妖夜るあ


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29/36

29話:逃げてきた3人の黒エルフ

キャラ紹介

長女

セレナ・ノクティス

髪型長めの髪

髪色漆黒の黒

肌の色:灰色

性格:しっかり者のお姉ちゃん


次女

リリア・ノクティス

髪型:ボブヘア

髪色:漆黒の黒

性格:おっとりしていて、寂しがり屋


長男

レオン・ノクティス

髪色:漆黒の黒

肌の色:灰色

性格:優しい、美桜の後ろにいることもある、甘えん坊

「…私達黒エルフの三つ子セレナ・リリア・レオンです。奴隷商人に売られて…」


一番左の長女セレナが震える声で話し始めた。


私は思わず息を呑んだ。


「…奴隷商人に?」


3人は、お互いの手を握ったまま、小さく頷く。


「…貴方達の両親も…いないの?」


「気づいた時には、私達3人だけで…」


「怖くて逃げてきたの…」


一番右の黒エルフの次女リリアが話した。


その言葉を聞いて、胸がギュッと締め付けられた。


こんな幼い子達が、そんな目に遭っていたなんて。


しかも、逃げてきた先でも安心できず、暗い場所で身を寄せ合っていたのだ。


(…放っておけない)


私は黒エルフの三つ子の前にしゃがんだまま、ゆっくりと口を開いた。


「…それなら」


黒エルフの三つ子が、こちらを見る。


私は出来るだけ優しい声で言った。


「私と暮らさない?」


「…えっ」


黒エルフの三つ子の目が、驚きで、大きくなる。


「私は住んでいる所は、魔王城です。食べる物もあるし、眠る場所もあります」


「魔王城…?」


「はい。私1人で決められる事ではないけれど、ルミナちゃんやロザリアさんに相談すれば、きっと力になってくれるなれます」


黒エルフの三つ子は顔を見合わせた。


「…本当?」


「本当です。少なくとも、ここで震えながら過ごすよりはずっといいです」


私は少し笑った。


「無理に信じてとは言わないから。怖かったら、お姉さんに言って欲しいなって」


真ん中の黒エルフのレオンが、恐る恐る尋ねる。


「…僕達を、売ったりしない?」


「しません」


私は迷わず答えた。


「…怒鳴ったり?」


「しません」


「…働けって無理やり言ったりしない?」


「それもしません」


黒エルフの三つ子の顔に、少しだけ戸惑いが浮かんだ。


私は苦笑いする。


「私は、昔、ブラック企業という所で働いていたんですけれど…無理やり働かされるのは、もうこりごりなので」


「ぶらっく?」


「えっと、とにかく怖い場所です」


私は黒エルフの三つ子を見つめた。


「だから、皆さんを怖がらせるような事はしたくありません」


真ん中黒エルフのレオンの瞳に、涙が浮かんだ。


「…僕達帰る場所がない」


「うん…」


「私達には、…もう、誰も…」


言葉を途切れ、リリアは俯いた。


私はそっと手を差し出した。


「だったら、帰る道場所を作りましょう」


黒エルフの三つ子は差し出された私の手を見つめる。


「…私達でも、いいの?」


「勿論です」


「…迷惑じゃない?」


「迷惑なんかじゃありません」


私は笑顔で答えた。


「3人共、これから安心して眠れる場所が必要でしょう?」


暫く沈黙が続いた。


やがて、真ん中の黒エルフのレオンが、そっと私の手に触れた。


その手は、冷たく震えていた。


「…僕行きたい」


続いて、もうリリアも小さく頷く。


「私も…」


最後のもセレナ、涙を拭きながら言った。


「…一緒に、行きたい」


私は黒エルフの三つ子の手を、優しく握り返した。


「うん。じゃあ、一緒に行きましょう」


3人はまだ不安そうだった。


私は立ち上がり、黒エルフの三つ子に声を掛ける。


「まずは魔王城に戻って、ルミナちゃん達に相談しましょう」


「…怖くない?」


「大丈夫です。私が一緒にいますから」


黒エルフの三つ子はお互いの手を握りながら、ゆっくりと立ち上がった。


そして私の後ろを、少し離れながらもついていくる。


私は振り返って、黒エルフの三つ子に微笑む。


「ようこそ。これから、少しずつでいいから…安心できる場所にしていこう」


黒エルフの三つ子は、何も言わなかった。


ただ、握り合っていた手を離さずに私の後ろを歩き始めた。

作者コメント

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