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ブラック企業で過労死した私、召喚された先で魔族の少女に癒されています。  作者: 宝妖夜るあ


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28/36

28話:暗がりにいた、3人の黒エルフ

28話です。

黒エルフ達との出会いです

キャラ紹介は29話に書こうと思います

巨大プリンを作った日から、2日後。


私は少しだけ気分転換をするため、魔王城の外へ散歩に出ていた。


「たまには、こういう時間も必要だよね…」


魔王城での生活は快適だった。


ルミナちゃんは可愛いし、ロザリアさんは優しいし、仕事に追われることもない。


それでも、部屋の中にいると、少しだけ体を動かしたくなる。


私は城の近くにある道を、ゆっくり歩いていた。


風が木々が重なり、日差しが殆ど届かない場所。


そこにーー。


3人の影があった。


「……?」


私は足を止めた。


3人共、地面に座り込んでいる。


膝を抱えるような、体育座りの姿勢だった。


しかも、3人で身を寄せ合い、お互いの手をギュッと握っている。


何かに怯えているようだった。


(えっ…人?)


気になった私は、少しずつ近づいていく。


最初は普通の人間かと思った。


しかし、近づいてみるとーー。


「……耳、長い?」


3人の耳は、人間よりもずっと長く尖っていた。


(エルフ…)


私はそう思った。


けれど、日陰から少し光が差し込んだ瞬間、その肌の色が見えた。


人間のような肌ではない。


深い灰色。


(……黒いエルフ?)


3人は黒エルフだった。


年齢は、私と同じくらいに見える子もいれば、少し幼いように見える子もいる。


3人とも服は汚れていて、髪も乱れていた。


そして、お互いの手を握りながら、小さく震えている。


「……」


私はどう声をかけるべきか迷った。


いきなり近づいたら、怖がらせてしまうかもしれない。


でも、このまま放って置くことも出来なかった。私は少し離れた場所で立ち止まり、出来るだけ優しく声を出した。


「こんにちは」


3人の肩が、ビクッと跳ねた。


一番左にいた黒エルフが、ゆっくりと顔を上げる。


その瞳には、強い警戒心と恐怖が浮かんでいた。


「……っ」


真ん中の子が、握っていた手に更に力を込める。


右側の子は、怯えたように後ずさろうとした。


私は慌てて両手を軽く上げた。


「あっ、ごめんなさい。驚かせるつもりはありませんでした」


3人は黙ったまま、私を見つめている。


私は無理に近づかずに、その場にしゃがみ込んだ。


「私は美桜といいます。魔王城に住んでいます」


黒エルフの達は、お互いに顔を見合わせた。


「…魔王城?」


小さな声が、真ん中の子から漏れた。


「はい。少し散歩していたら、皆さんがここにいるのを見つけて」


「……」


「寒くないですか?お腹は空いていませんか?」


そう尋ねると、3人の表情が僅かに揺れた。


けれど、誰も答えない。


私は無理に質問を続けるのはやめた。


(何か事情があるんだろうな……)


3人の手は、まだ固く握られている。


まるで、手を離したら何か恐ろしいことが起きるかのように。


私はできるだけ穏やかな声で言った。


「すぐに立たなくても大丈夫です」


「……」


「話したくない事は、無理に話さなくてもいいですから」


すると、一番右の黒エルフが、微かに口を開いた。


「…私達…」


しかし、その先の言葉をが続かない。


隣の子が、そっと肩を寄せる。


私は3人を見つめながら、静かに待った。


暗い木陰の中で、ほんの少しだけ。


私を見る目から怯えが薄れているように感じた。

作者コメント

見てくださりありがとう

書く気力が湧きます




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