15話壁に飾られた、知らない女性の肖像画
15話目です
登場人物
レティシア・グラシェール
ヴァレリア様の妹
短い髪
髪色:ミットナイドネイビー
バスト:D
人間の男性と恋に落ち駆け落ち
どこにいるのかわからない
人魚の国の中央街へ向かう前に、私達は王宮の中を少し見て回ることになった。
海の中にある王宮は、外から見ても美しかったけれど、中は更に凄かった。
廊下の壁には、色鮮やかな海の花が飾られている。
天井からは大きな真珠のシャンデリアが下がり、淡い光が床を照らしてた
窓の外には、魚達が群れを作って泳いでいる。
「凄い…。王宮の中から魚が見える…」
「ここでは普通の事だよ」
人魚のお姫様ロレッタちゃんが笑う。
「私達にとっては、魚が空を飛んでいる鳥みたいな物だからね」
「なるほど…」
私は窓の外を見ながら歩いていた。
すると、廊下の壁に飾られた1枚の肖像画が目に入った。
「あれ?」
そこには、とても美しい人魚の女性が描かれていた。
短い髪。
優雅な表情。
美しい尾びれ。
けれど、ヴァレリア様やロレッタちゃんとは少し違う雰囲気がある。
どこか自由で、いたずらっぽい笑顔が浮かべていた。
「この人魚は誰ですか?」
私は尋ねると、ロレッタちゃんの表情が少しだけ変わった。
ルミナちゃんも肖像画を見上げている。
「……その方は」
ロレッタちゃんが言いかけた時、後ろからヴァレリア様の声が聞こえた。
「レティシア私の妹ですよ」
私が振り返ると、ヴァレリア様が静かにこちらへ歩いて来ていた、
ヴァレリア様は肖像画を見つめる。
その目には、懐かしさと寂しさが混ざっていた。
「妹さんなんですか?」」
「えぇ。私のたった一人の妹ですよ」
「とても綺麗な方ですね」
「そうでしょう?」
ヴァレリア様は優しく微笑んだ。
「昔から、誰よりも自由で、誰よりも好奇心旺盛な子でした」
「今は何処にいるんですか?」
私は何気なく尋ねると、ヴァレリア様は少しだけ黙り込んだ。
その沈黙に、空気が変わったような気がした。
「……分かりません」
「え?」
「もう長い間、会っていないんです」
ロレッタちゃんが少しうつむく。
ルミナちゃんも何も言わなかった。
私は肖像画をもう一度見た。
そこに描かれた女性は、今にも笑いながら何処かへ走り出しそうな雰囲気をしている。
「何かあったんですか?」
ヴァレリア様はすぐに答えなかった。
やがて、ゆっくりと口を開く。
「レティシアは、人間の男性と恋に落ちました」
「人間と…?」
「えぇ。そして、私達に何も告げず、人間の世界へ行ってしまったのです」
私は驚いて目を見開いた。
「それ以来、会っていないんですか?」
「一度も…」
女王様の声は穏やかだった。
けれど、その奥には深い寂しさがあった。
「レティシアが今どこにいるのか、生きているのか、なくなっているのか…それすら分かりません」
王宮の廊下に、静かな水の音だけが響いていた。
私は何も言えず、肖像画を見つめ続けた。
15話見てくださりありがとう
見てくれただけても書く気力が湧きます
次は16話です




