14.エルナとセシリアスライムに寄生される
脇道にそれておりましたが、ようやく本編に戻ってまいりました。
そろそろ登場人物それぞれの得意分野と性格をかき分けられればと思います。
あっ、それと弱点と。
エルナの心身から"魅了"が抜けきった時にはすべてが終わっていた。
靄がかかったような夢から覚めてゆく自分。
「わたし……なんでここに……?」
記憶の底に滓のように残る闘いの記憶。
背中に深手は負ったが確か3人倒したはず。
残りの3人は……。
どうなった?
「覚えてない……」
いや、武器を使われて……。
神官は?
どうなった?
……逃がせなかった。
あの女、アンジェラの瞳を見た瞬間術にかかったんだ。
くそぉ、あの術さえなければ、深手を負っても神官を助けられたかもしれないのに。
それがどうだ。
自ら武装解除した上に、嬉々として拘束されちまうなんて。
しまいには全裸の上こんな恥ずかしい格好で拘束されているなんて。
あの女に命令されるがままに自分からこんな格好に。
結局あの神官は逃がせなかった。
自分と同じ姿で辱められた。
助けてやれなかったのに、あの深手も鞭の傷と痒みも"治癒"で治してくれた。
すまない。
大きな大きな借りができちまった。
そして……、
なんなんだこの腹の中の感触。
尻の穴を弄られて、なんか入れられちまった。
なんなんだこれは?
なかで突然その何かが蠢く。
自分の意思ではない動きが不快だ。
あぁ、なんとかならねえのか。
今更ながら、エルナは手足を拘束する枷を外そうともがいた。
「あらぁ、"魅了"が解けちゃったのね」
アンジェラがエルナの顔を覗き込んだ。
術にかかっている時のピンク色は、黒みがかった瞳に戻っている。
「ヒューランのハーフでもドワーフと同じように魔法耐性が皆無で助かったわ」
ぺちぺちとエルナの頬を叩きながらほくそ笑むアンジェラ。
「どぉ~。"魅了"の夢から醒めたご気分は?」
「最悪だね。こんな格好に拘束された上に、腹の中に変なものをいれられて」
「変なとは失礼ね。帝国で改良したスライム"リームス・ロセウス"よ」
「てめぇ、人の身体にそんなもの入れやがって!」
「あらぁ? すごく気持ち良かったでしょう」
「うっ……」
確かに、尻穴をアンジェラの指が出入りする度になんとも言えない感覚に襲われていた。
思い出すと恥ずかしさで顔がさらに赤らむ。
「もう心配いらないわ。二人とも一生うんちの心配はないもの」
かっと怒りで頭に血が上ったが、同時にあのかけだし神官も同じ目にと思うと後悔が先に立つ。
「わたしはいいからせめてそっちの神官からこいつを取り出してくれ」
「だぁめ。一度入れちゃうと私たちでもとりだせないわ。もう2度と」
「2度と?」
「その子たちはお腹の中をキレイにしてね、お尻を前の穴みたいに殿方のイチモツで気持ち良くなれるように改造してくれるの」
アンジェラはにっこりと微笑む。
エルナは愕然とした。
一方、隣で話を聞いていたセシリアの顔から血の気が引いていた。
わたくし……、そんな身体に!!
神よ、これが試練だというのならあまりにも……。
あぁ、わたくしはあなた様の教えを信じていますのに。
それなのにあまりにも……。
悲しみに身悶えするセシリアの心の支え信仰心。
そこに宿る神は何も答えてくれなかった。
◇ ◇ ◇
頃合いだな。
二人の様子を見ていたリチャードは思った。
今はあまり追い詰めちゃぁいけねぇ。
とりあえずはここまでだ。
心を壊しちまっちゃぁ二束三文になっちまう。
後は手筈通りに進めれば……。
「おい、今日はその辺までだ」
リチャードが皆に命じる。
「さて今日はもう上がりだ。明日迄休ませてやれ。続きはそれからだ」
「わかったわ」
アンジェラが答えロミオに目配せする。
「了解」
アンジェラとロミオはエルナとセシリアの尻穴から漏斗を引き抜いた。
引き抜かれた瞬間、二人とも反射的にビクンと下半身を跳ね上げる。
エルナは悔しそうな顔でアンジェラを睨み。
セシリアは表情が抜け落ちたような顔で粗い吐息を吐いていた。
「さてと。今日は終わりだってよ。ゆっくり休め」
男たちは二人の拘束を一旦は解いた。
「明日もある。明日からが本番だ」
二人は反抗の気力も失ったのか、そのまま冷たい石の床に腹ばいに崩れ落ちた。
彼らに両手を取られ、後ろ手に拘束されても抵抗しなかった。
足首にも捕らえられた時と同じ短い鎖がついた枷が巻かれ施錠された。
「おっと、これを塗っておかなくっちゃな」
ロミオが棚から陶器の壺を手に取る。
仰向けにされた二人に男たちが壺から黄色いクリームを掬い取った。
「全体に満遍なくぬるんだ。塗り残しするんじゃないよ」
アンジェラの声に男たちは二人の下腹部から股間、そして脇の下にそれをべっとりと塗る。
「奴隷に飾り毛は無粋だからねぇ」
塗った後を仔細に確かめた彼女がうんうんと頷く。
「いいだろう。上へ連れて行きな。例の部屋で休ませるんだ」
男たちが二人ずつでエルナとセシリアを立たせる。
両脇を抱えられた二人が扉の先に消えた。
◇ ◇ ◇
彼女たちが見えなくなると、アンジェラは椅子に腰かけたリチャードに近づき囁いた。
「逃げると思う?あの子達」
「あぁ、これまでの経験から言って間違いなくな」
「ホナミには?」
「ここに来る前に命じておいた。気づいても捨て置けとな」
「一度逃がして捕まえる。これをやれば、気が触れなくても心は折れるからねぇ」
アンジェラはそう言いながら彼女達の消えた扉を見つめていた。
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