↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
老エルフ吟遊詩人の語った物語  作者: まろんねこ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

13/26

12 エルナとセシリア奴隷商人の館に着く

エルナとセシリアがいよいよ奴隷商人の館に着きます。

館の描写と調教準備の章です。

館は森の中に忽然と姿を見せた。

外見は教皇国にある店舗付き住居と変わらない。

但し、店の生業を現す看板はない。


荷台のエルナは譫言のように「ふぁひゅひ……、ふぁひゅひ……」をくり返し、

痒みを和らげようと敷物の棘に血だらけの身体を擦り付けていた。


セシリアはあれから数度男たちの手で絶頂に追い上げられ、

身体を飛び散らせた花蜜で汚れた荷台に横たえていた。

「ひやぁは…、ひやぁは…」と哀願を弱弱しくくり返し気息奄々となっていた。


「ほら、しゃんとしろ!館に着いたぜ」


ロミオが二人に声をかけるが、二人とも反応はない。


「しょうがねぇなぁ」


男たちは二人一組でエルナたちを持ち上げ、荷台から下ろすと投げ捨てるように地べたへ転がした。


悲鳴を上げる気力もない二人に水が浴びせられる。


「ほら、セシリア!いつまでも呆けているんじゃねぇ!!目を覚ましやがれ!」


冷たい水を何度も浴び、ようやくセシリアの瞳に生気が戻る。


ぶるぶるっと身体を痙攣させ後ろ手の不自由な頭を上げ、身体を起こそうと藻掻いた。


「目が覚めたか。さっさと起きろ!エルナの傷を治すんだ」


ロミオの声に隣りに横たわるエルナに気づく。


しだいに目の焦点が合い、エルナが全身鞭打たれ、棘に擦り付けた血だらけの肌を見て戦慄する。


「ばぁうへんしゃはん……。ばぁうへんしゃはん!!ひっかひしふぇ!!」

涎を噴き出し必死に声をかけるが反応はない。


「ばぁうへんしゃはん!!ひっかひしふぇ!!」

半狂乱になって叫ぶセシリアの髪を掴み、ロミオが耳元で怒鳴る。


「騒ぐんじゃねぇ!!おめぇの魔法で治してやるんだ。早くしねえと死んじまうぜ!」

セシリアは我に返りロミオを見る。


「ほれ、口枷を外してやる。騒がねぇでエルナを治せ」

カチリという音と共に口が自由になる。


しばらく口を開け閉めし、口腔の感覚が戻ったセシリアはエルナに声をかけた。

「冒険者さん。今楽にして差し上げますね」


全裸で後ろ手拘束され、恥ずかしさと度重なる強制絶頂のため足がふらつく。

ロミオが肩に手を掛け倒れそうになったセシリアを支えた。


「ありが……がとうございます」

丁寧にロミオに礼を言い、

次いでエルナを見つめ、

足に力を入れてふんばる。


羞恥に顔を真っ赤に染めながら祈る。

「"治癒"そして"浄化"の祝福を」


煌めきと共に柔らかな光がエルナを覆う。


汚れが落ち、

血が止まり、

腫れが引き、

傷が消える。


ほどなくエルナの傷は全快した。

対するセシリアは短い時間で魔力を使い過ぎたのか、がっくりと膝をついた。

はぁはぁと荒い息遣い。

顔は羞恥もあり紅潮している。

脂汗が全身から噴き出し、裸の肌にぬめりのように光った。


「おぉっ!駆け出しと言えども流石はアルデリア教皇国の神官様だ。てぇしたもんだぜ」

ロミオがひゅ~と口笛を吹いた。


「さて二人ともしゃんとするんだ。ここが俺たちのご主人様である"ウェナリキウス・マグノール"様のお屋敷だ」

馬車に乗り込むときと同じ乗馬鞭で、ペシペシと二人の尻を打つ。


「はぁ~ん」

エルナは小さな尻をぷりぷりと振り、半場陶酔した顔で歩みを進める。


「きゃぁ!」

セシリアはお尻の穴をきゅっと締め足を前に運び、ふらつく足取りで屋敷の中に足を踏み入れるのだった。


◇      ◇      ◇


館へ足を踏み入れた瞬間、セシリアは思わず目を見開いた。

奴隷商人という響きから想像していた場所とはかなり違う。


どこか甘ったるい香りが漂っている。

花ではない。

香木と香油。

それに微かに混じる薬品の匂い。


それが何なのかはセシリアには解らない。

ただ近寄ってはいけないもののような気がしてわずかに身震いをした。


床は磨き抜かれた黒檀。

塵一つ落ちていない。

壁には落ち着いた色合いの絵画と、見たこともない異国の織物。

豪奢だけど派手ではないわね。

お金持ちの館だわと周りを見渡したセシリアは思う。

もっとも、自分は孤児院と教会しかしらないから見た事はないけど。


それにしても静かだわ。

話声も聞こえない。


使用人たちの足音すら聞こえない。

どこかに人はいるはずなのに、衣擦れ一つ聞こえない。


こんな立派なお屋敷ならばいるはずの。

そう、違和感があるとすれば、人の気配がない事だ。


エルナは瞳のピンク色が薄れてきてはいたが、"魅了"がまだ効いているようだ。

きょろきょろと辺りを見回しアンジェラの姿を探す。


片や自分はエルナへの"治癒"で魔力不足を起こしている。

立っているのがやっとで、男たちに支えられないと崩れ落ちそうだった。


「俺たちの雇い主ウェナリキウス様のお屋敷だ。と言ってもここは『調教用』。本宅は王都にある」

ロミオが誰に言うとではなく呟く。


「おかえりなさいませ。お疲れ様でございます」

いつの間にか現れたお仕着せを纏った侍女がロミオたちに深々と頭を下げた。


えっ! いつの間に。

気配も感じなかった。

セシリアは驚き辞儀から顔を上げた彼女を見る。


艶のある黒髪を結い上げたほっそりとした女性。

歳は自分より5、6歳は上に見える。

感情のこもらない事務的な声。

こちらも黒い細い目に光る瞳も硝子のように感情を表さない。

黒のお仕着せに白いエプロン。

どちらも下ろしたての様に綺麗で皺ひとつない。

履物は普通の室内履きだがこれも黒い。


まるで陶器のの人形みたい。


「紹介するぜこの屋敷のメイド"ホナミ"だ」


ホナミって妙な響きの名前だわ。


「こうみえても格闘術にも長けている。変な気は起こさない方がいい」


ホナミは二人にちらりと視線を向けたが無言。

男たちの背嚢やエルナたちのリュックを手早く掴み奥へ消えた。


「あいかわらず辛気臭い奴だ。まぁ、仕事は早くて間違いもねぇ。そして余計な事は言わねえ。聞かねぇ」

ロミオが呟く。


「おい、無駄口は後だ。やることをやっちまえ!」


乱暴に扉を開け、リーダーとアンジェラが入ってきた。


「へいへい、わかりました。じゃぁ先にアレをやっちまうか。地下に行こうなお二人さん」


エルナは言われるまま夢遊病者のようにアンジェラの後に続き、セシリアは男二人に支えられながら地下への石段を降りて行った。


◇      ◇      ◇



衛生的で掃除の行き届いた階上と異なり、地下は薄暗く明り取りの窓もない。


夜目が効く者でなければ全体像はわからない。

明るい階上から連れ込まれたばかりでは室内の状況はわからない。

二人は焦点の合わない虚ろな目で右へ左へと視線を彷徨わせていた。


男たちが太く長い蝋燭に火をつけ壁の四方にある燭台に据え付けた。

室内が照らされる。


一方の壁には見たこともない器具・束ねたいくつもの麻縄が掛けられていた。


反対側の壁は鉄格子がはめ込まれた牢で、隅の方に水の流れる溝がある。


天井からは鎖が繋がった滑車がいくつもぶら下がっていた。


部屋の中央には鉄製のフレームが付いた椅子のような物が何基が据え置かれていた。


そのほかにも様々なものがあるが、セシリアにはその用途は全く分からない。


それらが灯された蝋燭の火で揺らされ、魔物の顎のような動きの影を床に落としていた。


用途はわからない。

なのに、これらが奴隷を責め苛み調教するために作られた道具だと本能的に理解できた。

セシリアは恐ろしさからブルブルと震える。

魅了"が抜けきっていないエルナは虚ろな目のままだった。


「さて、エルナちゃん。まずはその床にうつ伏せになって」

アンジェラがエルナに命じる。


「はい。アンジェラ様」

エルナは言われた通り冷たい石の床にうつ伏せになった。


男が輪が四つ付いた鉄製の拘束具を手にすると、エルナの後ろ手拘束を解いた。


手首と足首をまとめて拘束されると自然に頭と肩を床に付けお尻を上げて突き出した形になる。

"魅了"の影響下にあるとはいえ、流石に恥ずかしいのかエルナは顔を赤らめ腰をもじつかせた。


アンジェラは満足そうに頷くと魔力切れでへたり込み、肩で息をしているセシリアに声をかけた。


「セシリアちゃ~ん。あなたもうつ伏せになってね」

「えっ?」

「あなたもエルナちゃんと同じ格好にするから、床にうつ伏せになってって言ったの。わかった?」

「そんな恥ずかしいことできません!!」

セシリアは首をブンブン左右に振って拒否する。


「ふ~ん。まだ自分の立場わかってないんだ……」

アンジェラは笑って馬車の中でエルナに使っていた植物でできた鞭を取り出した。


ヒュンヒュンと軽くアンジェラにあしらわれた鞭がセシリアの乳房の下を切り裂いた。


「ぎゃ~あ~!!!」

生れてこの方味わったことのない痛みが走る。


見る間に赤いミミズ腫れができ、激しい痛みと熱感がセシリアを襲う。


そして……、むず痒さがそこから広がる。

「もうひとつ味わってみる?」

アンジェラの声にセシリアは白旗を上げた。


「やめてください。言うこと聞きますから」

セシリアは言いながらうつ伏せになる。

素早く男が後ろ手と足の拘束を外すとエルナと同じ鉄製の拘束具に四肢を繋ぎ留めた。


自然セシリアの身体は頬を石の床に付け、尻を高く上げた姿で拘束されてしまった。

普段人目に晒すことなどない場所を、隠す術もなく他人に見られる恥ずかしさで頭が爆発しそうだ。


「いい眺めよセシリアちゃん。最初から素直になれば……って、あれぇ~?」

アンジェラが股間を覗き込み、花唇を指で寛げる。


「やっぱり恥ずかしいこと好きなんだセシリアちゃん。新しい花蜜で濡れてるじゃない」

「嘘です!わたくし濡らしてなんか……」

「ないって言うのぉ?じゃあこれは何かしら?」

アンジェラは花蜜を指で掬い取り、セシリアの眼前でその指を広げて見せる。

二本の指を濡らしたものが


「……」

思わず目を硬くつぶり見まいとするセシリアの耳元でアンジェラが囁く。


「上の口は相変わらず嘘つきねぇ。嘘つきは罪人の始まりって言うの知らないの?」

アンジェラがケラケラと笑う。


「恥ずかしさで舌噛んで死にたいくらいでしょうけど、できないわよねぇ教皇様の教えに背くから」


改めて言われセシリアは唇を噛む。

そうなのだ。

いかなる辱めをその身に受けようとも、神官に自死は許されない。

それは神の与えたもう試練であり、自死を選んだものは死後神の身元に行くことは許されない。

永遠に闇の荒野を彷徨うのだと教皇に教えられ育ってきたのだ。


「教皇様。この辱めの試練に打ち勝つ力をお貸しください」

セシリアは心の中で祈る。

だが、羞恥心は薄れるどころか高まるばかりで、

その身を奥底から得体のしれない炎で炙り始めるのだった。

お目にとめていただきありがとうございます。

良かった、悪かった、何らかの反応をいただければ幸いです。

AIではないので遅筆です。

とりあえず書き進めた分をひとつずつ投稿していきます。

誤字脱字のご報告もいただけると幸いです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。