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第8章 赤蜥蜴と赤羽根、巨人の里へ 第11話、激戦のその後で その5

     第11話その5


 泣きじゃくるメープルと彼女を抱きしめたフリルフレア。フリルフレアは泣いても良いと言っていたが、それでもやはりメープルにはゲオルシュバッハ帝国第一皇女としてのメンツもあるだろう。そう感じたフェルフェルは自身も含めて泣きじゃくるメープルを見ている人間が少ない方がいいだろうと考え、フリルフレアにそのことを簡単に伝えると、そのまま部屋を後にした。そしてそのままどうしようかと考えていたのだが……特にやることも思いつかなかったので、風呂に入ることにした。

 宿の1階にある大浴場、当然男女が別々になっている。決して混浴ではない。そして大浴場の女湯にフェルフェルが入ろうとした時だった。

「おや、フェルじゃないですか。奇遇ですね」

「……ウェ~イ…アレイ?……どう…したの?…こんな…ところで…?」

 声をかけて来たのはアレイスローだった。アレイスローはフェルフェルの言葉に苦笑いを浮かべている。

「こんな所でって……私だって風呂にくらい入りますよ。ドレイクさんじゃないんですから」

「…うえ……つまり…赤…蜥蜴…は……お風呂…入って…無い……」

「う~ん……まあ、私たちが仲間に入った当初のころよりは入るようになりましたよ?風呂に」

「……どう…りで…あの…バカ…蜥蜴……臭い…と…思った…」

 アレイスローの情報を聞き無表情ながら額に怒りマークを浮かべるフェルフェル。表情こそ変わらないが滅茶苦茶嫌そうな雰囲気を醸し出している。

「フェルは今から風呂ですか?」

「…うん………あ……覗いちゃ……駄目よ…?」

「う~ん、それは残念ですねぇ」

 フェルフェルの冗談に冗談で返すアレイスロー。そのまま少し談笑したフェルフェルとアレイスロー。そしてそのまま別れた二人はそのまま男湯と女湯へと入って行った。

 当然女湯へ入って行ったフェルフェル。脱衣所に入り中を見回すと荷物が一つも置いていなかった。一旦そのまま浴場を覗くと誰も入っていない。

「…フ…フヘヘ……しめしめ…」

 不審者丸出しのそんな独り言を呟きながら一度女湯の入り口に戻り、そのまま入り口の前に「清掃中・立ち入り禁止」の看板を立てておくフェルフェル。これで浴場に人が入ってくることは無いだろう。大浴場を独り占めである。

 フェルフェルはそのまま服を脱ぐ。上着を脱ぐと、中に着ていた冒険者用の厚手の冒険服を脱ぐ。次いでスカートを脱ぎ、キャミソールを脱いだらブラジャーを外す。フェルフェルの形は良いが、パーティーメンバーの中ではフリルフレアに次いで控えめな乳房が露になる。そして最後にショーツを脱ぐと少し小ぶりな形のいいお尻が現れた。そして全裸になったフェルフェルは脱衣所のかごの中に着替えを入れると、バスタオルを身体に綺麗に巻き付けた。意外にも身体を見られることに抵抗があるらしい。普段のフェルフェルの雰囲気から察するとそういう事は気にしなさそうなだけに意外な感じだった。もっとも、誰もいない浴場で一体誰の視線があるというのか?……と言う疑問はあるのだが。

 そして大浴場へ入っていくフェルフェル。いきなり湯舟入るのではなく桶にお湯を汲んで身体にかけると、更にもう一度桶にお湯を汲む。そして今度は背中の綺麗な青い翼にまんべんなくお湯をかけた。そして最後にもう一度お湯を汲むとそのまま洗い場まで移動する。

「……よいしょ…」

 バスタオルを一度外し、ハンドタオルをお湯に浸して石鹸をつける。そして泡立てると、身体を隅々までキレイに洗った。両手両足は勿論、つま先、指先、首筋もお尻も、勿論胸も、背中の翼だってきれいに洗った。そして最後にお湯でキレイに洗い流す。

「……ふぅ…」

 ため息をつくようにそう呟くと、そのまま再びバスタオルを身体に綺麗に巻き付けるフェルフェル。そしてそのまま大きな湯船に浸かった。

「……フ…フヘヘ……フヘヘへへ………気持ち…良い…」

 だらしない顔になってそのまま肩まで浸かるフェルフェル。そのまましばらく湯船に浸かったまま身体の疲れを癒していく。このまましばらくゆっくりと湯船に浸かっていよう、そうフェルフェルが考えていた時だった。

 脱衣所の方で人の気配がした。

「……………………」

 思わずジッと浴場への入り口を注視するフェルフェル。せっかく誰も入ってこないように偽の清掃中の看板を立てておいたのに、そう思うとちょっと不機嫌になるフェルフェル。

 一体どんな厚かましい奴が入ってくるのか……?清掃中の看板を無視して入ってくるヤツなどロクな奴ではない。………まあ、その偽の看板を出したのはフェルフェルなので決して彼女は人の事は言えないのだが……。

 そして、フェルフェルがジッと浴場の入り口を見ていると、ついにその人物が中に入ってきた。その人物は長い耳を持ち、髪は肩くらいまでの長さで銀髪だ。そして、痩せ型ながら服から除くその腕は筋肉質であった。

 ………そう、浴場の中へ入ってきたのは銀髪のエルフの魔導士、アレイスローだった。


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