第149話 辺境村とエロ女将!
獣人地区を平定し終えて、俺たちはケイカ村に帰ってきた。
まだ雑務が残っていたが、それらは竜人族のシャンドラを副総督に任命することでなんとかした。
思ったが、獣人たちは部族ごとで行動しすぎで、そのために各個撃破されたようなもの。
ミーニャが百獣王になったのを期に、部族議会を作って意思疎通を図らせようと考えた。
あと牛獣人たちは、獣人地区で暮らすのが怖いと言い、ケイカ村へやってくることに。
15人ほどの豊満な肉体を持つ牛獣人たち。
何の仕事をさせるか迷うところだった。
とりあえず前から村で暮らしていた牛獣人のスジャータにまとめ役をお願いする。
屋敷に入ると、ミーニャの祖母ナランディが忍び足で玄関にやってきた。
挨拶より先に、いきなり頭を下げる。
「ケイカさま、大変申し訳ございません」
「ん? どうした?」
「捕えておりました猫のチシャが馬車を奪って逃げたのでございます」
「マジか! ……ま、来るものは拒まず去るものは追わず、だ。どうせ一人じゃ何も出来ないだろう。好きにすればいい」
「お、お咎めは……?」
「ないに決まってるだろう。悪いのはすべてチシャなんだから」
そっけなく答える。
チシャにチャンスはやったのに無駄にしたのだから、もうどうでもいい。
ナランディは手を合わせて俺を拝んだ。
「なんと心の広いお言葉。さすがでございます、ケイカさま」
「気にするな――ああ、そうそう」
俺が言おうとすると、ミーニャが横へやってきた。
「おばあちゃん、私、百獣王になった」
「まあ! 本当かね!? おお、いつになく凛々しい顔をして……よう頑張ったのう……偉い子じゃ」
ナランディは目を真っ赤にして、ミーニャの頭を撫でた。
ミーニャは気持ち良さそうに目を細めていた。
「ミーニャも疲れただろう。少しナランディと休んでくるといい」
「ん。わかった」
ミーニャは素直に頷いた。耳がピコッと揺れる。
感激で言葉を失っているナランディに付き添われて、部屋へと戻っていった。
二人はそっとしておいて、俺はセリカを連れて部屋へ戻った。
ソファーに並んで座りつつ話しかける。
「牛獣人たちはどうしようか」
「どんなお仕事が出来るか、聞いてみないといけませんね」
セリカが首を傾げながら言った。金髪の上に乗るティアラがキラリと光る。
――と。
「だったら旅館で働かせればいいじゃん!」
突然、庭に面した窓から元気な声がした。
見ればサキュバスのステラが開いた窓枠に頬杖を付いて笑っていた。
「いきなりだな。ていうか、人の部屋を覗くな」
「えー、いいじゃん! せっかく長旅の後だったからエッチでも始めるかと思って見に来てあげたのに」
「どういう発想だよ」
呆れて思わず溜息が出た。
するとステラは窓枠をひらりと飛び越えて部屋に入ってきた。
ミニスカート丈の和服がめくれて、紐のような下着が見える。先がハートになった尻尾が跳ねた。
和服の上も大きく開くように見えており、形の良い双丘が露わになっていた。
サキュバス風にカスタマイズしたらしい。
「さすが痴女だな」
「別に見せてるわけじゃなくて、見られていい格好してるだけだってば!」
「はいはい。で、旅館で牛獣人たちを働かせるって言うのか」
ステラはご機嫌な様子で、背中の小さな羽根をぱたぱたと鳴らした。
「うん! 結構、順調に回り始めたんだよね。リピーターのお客さん多いし」
「リピーター? なんか変なことやってるんじゃないだろうな?」
「ぜーんぜん! 温泉の洗い場で、下着姿で洗ってあげてるだけよん」
ステラの下着とは、ほぼ紐のような下着である。
「それが原因だろ! ――そういうのはやめろ。風評被害が立つ」
俺の言葉に、ステラは可愛らしく頬を膨らませた。
「え~。これぐらい、いいじゃん! アタシの魅力を堪能させたっていいじゃん! 別に触らせてるわけじゃないんだし」
そのサービスに加えて豊満な爆乳の牛獣人たちを働かせるなんて、こいつ娼館にでもするつもりか?
俺は釘を刺すために言っておく。
「ふぅん。そうか。浮気するんだったらあの約束はなしだな」
ステラは目を丸くして、あたふたと手を動かしたした。
「ちょ、ちょっと待ってよ! 触らせてないって言ってるじゃん! 浮気だってしてないんだもん! ――ほんとだよ?」
ステラは前かがみに体をくねらせ、スタイルの良い肢体を強調する。
しかし眉を八の字にして泣きそうになっていた。
「……そう言えば、少し頬がこけたな?」
「だって……全然精力吸ってないんだもん……このままだとアタシ死んじゃうかも」
肩を落とすステラ。尻尾が力なく垂れた。
彼女なりに精一杯、俺に操を立ててくれてるんだなと思った。
少し可愛い。
「死なれるのは困るな。だったら、ちょっとこっちにこい」
「んぅ? なになに? エッチしてくれる気になった?」
てててっと小幅で近寄ってくるステラ。
背中の小さい翼が喜ぶようにパタパタと動いた。
セリカが、すねるように少し頬を膨らませた。
「ケイカさまはそんな方ではありませんわ」
「どうだかな。まあセリカ、牛獣人たちに旅館で働けるかどうか聞いておいてくれ」
「はい、わかりましたケイカさま」
素直に立ち上がると、金髪を揺らして部屋を出ていった。
傍まで来たステラを抱き寄せる。細身だけれど柔らかさのある体。
はだけた和服がエロい。
「じゃあ、行くぞ」
「へ? ――んうう~!」
俺はステラを抱き締めて、思いっきり赤い唇をふさいだ。ふくよかで柔らかい感触。湿った舌を強引に絡め合う。
恥ずかしそうに小さな舌が暴れる。
「んんぅ~!!」
ステラは目を閉じた顔を真っ赤にして、俺の腕の中でもがいた。苦しいらしい。
それでもがっしりと肩と頭を掴んで離さない。
サキュバスの意地なのか、ステラは必死な様子で舌を絡めて応えようとする。
くちゅっ、と湿った音が鳴った。
そして、俺は力を注ぎ込んだ。あふれんばかりの神の生命力を。
ステラが華奢な体を、びくっびくっと震わせる。
俺の唇から逃げようとしてか、背中の小さな翼がバタバタと暴れた。
「だ、ダメ……っ! いっぱい、もうお腹いっぱい――っ! 死んじゃうっ、んぁあ……んぅ!」
ステラの唇をまた塞いで、たっぷりと俺を注ぎ込む。
ステラは、んんぅ……と喉を鳴らして喘いでいた。柔らかな肢体がビクっと仰け反る。
しばらく湿った柔らかさを堪能した後、俺は手を離した。
くたっと床に倒れ込むステラ。細かく痙攣している。
「こ、こんなに挿れちゃ、ダメだよぉ……うぅっ」
耳や白い肌をピンク色に染めて、はぁはぁと荒い息をしていた。
「これで当分、食事しなくていいだろう。しばらく休むといい」
俺はそう言い残して外へ出ようとすると、ステラが和服の裾を掴んできた。
潤んだ目で俺を見上げて、甘えるような声を出す。
「も……もう一回だけぇ……」
「お腹いっぱいって言ってただろ。死ぬんじゃないのか?」
「もう一度死にたい……お願い……」
「また、やつれたらな」
「そんなぁ……」
和服を引っ張って強引に手を外すと、ステラはへにゃっと崩れ落ちた。
乱れた和服から丸い胸や引き締まったお尻をいろいろ晒している。
痙攣するように尻尾が揺れていた。
はぁ、と呆れたため息を吐きつつ彼女を放置して俺は部屋を出た。
◇ ◇ ◇
妖精の扉を通り、辺境大陸のケイカハーバーへ出た。
湾内には外輪船が停泊している。
町は半分崩されて畑になりかかっている。
湾の西側に歴史のありそうな建物が移転してあった。
湾の東には岸から島を繋ぐ橋が建築中。
木材で枠を作り、町の家を崩して確保した石材を並べている。
簡易な麻服を着た原住民たちが働いていた。
工事を見渡せる岸辺に町長である少年のリオネルがいたので話しかける。
「リオネル、調子はどうだ?」
「こんにちは、ケイカさん。とても順調ですよ。メルビウスさんの指導がうまくて、港湾の整備は終わりました。大型船が停泊できます。島に住居も次々と立ってます」
「そうか。それはすごいな」
リオネルが少しだけ眉をしかめた。
「それで相談があるのですが……」
「なんだ?」
「穀物や調味料、香辛料の貿易を始めようかと思います」
「ほう。自立を促すにはいいかもな」
「ただ、聖金の存在を隠したいのです」
「なるほど。あれは争いの元になるからな……ただ捨てるのはもったいない。結界に使ってるもの以外は、あとでどこかの家の地下にでも隠そうか」
「それでしたら僕の屋敷を使いましょうか」
「そうするか。あとメルビウスと一緒に勇者パーティーから外していいか? ディナがいるから連絡は出来るだろう」
「わかりました。僕は当分この町にいますから大丈夫です。また移動したいときは連絡します」
リオネルが頷いた。サラサラの金髪が軽やかに揺れる。
「というか扉の場所も移動させておいた方がいいな」
「そうですね。僕の屋敷にしておいた方がいいでしょう」
「一部屋使わせてもらうぞ」
「はい。でしたら、今から見に行きましょうか」
「そうだな。現地確認しておかないとな」
リオネルに連れられて工事中の橋を通って島へと渡った。
途中、作業する原住民たちに崇められるように手を合わせられた。
もう神として扱われている。
よきかなよきかな。
島へ渡ると、石で出来たこじんまりとした家が二百軒ほど並んでいた。
数百メートルはある広さなので、まだ余裕はある。
通りを歩いていると商店があった。
「店を出したのか」
「ええ、生活に必要な品を売る雑貨屋です。貨幣制度を馴染ませるところから始めてます」
「なるほど。仕事をさせて賃金を払い、商店で物を売る。うまくいくといいな」
「大丈夫です。やってみせます」
リオネルは白い歯を見せて微笑んだ。少年らしい可愛いさの中に頼もしさを感じさせる笑み。
リオネルの澄む町長屋敷は他の住居とは違って2階立てて部屋数も多かった。
いくつか見て回る。
すると妖精少年のディナシーと出会った。
メイド服を着て、バケツとモップを持っている。ふわふわしたプラチナブロンド。
少女かと思うぐらい可愛い。
「あ、こんにちは勇者さま。リオネルさんもお帰りなさい」
「頑張って働いてるみたいだな」
「はいっ。お掃除楽しいです! ……今日はどうされたのです?」
「妖精の扉をこの屋敷に設置しようと思ってな」
「わぁ~。便利になりますね。それでしたら2階の部屋がいいかもです」
「よし、案内してくれ」
「はーい」
ディナに連れられて2階へ行く。
2階の突き当たりに、棚が1つあるだけの部屋があった。
「誰も使ってないです」
「この部屋に設置しようか。リオネル、この部屋を使う予定は?」
リオネルは首を振った。金髪が光るように揺れる。
「ないですね。じゃあ、さっそく勇者関係者以外立ち入り禁止の張り紙しておきますね」
「頼んだ」
リオネルが張り紙を作るために部屋を出て行った。
俺は扉の設置場所を確認するとディナに言う。
「地下の部屋も見ておきたいんだが」
「わかりました。ついてきてくださいな」
ディナがくるっとターンして歩き出す。メイド服の裾が丸く広がった。
廊下を歩きながら尋ねる。
「ディナ。カタログ見たときから気になってたんだが」
「あう。僕の着てる服、お嫌いですか……? 初めて働いたときに貰った服なんです」
ディナは両手で胸を隠すように押さえる。仕草まで少女っぽい。
「いや個人の趣味は別にいい。妖精なのにどうして人間のふりして働いてたんだ?」
「はうっ!? そ、そんな、妖精じゃないですっ」
ディナシーはあたふたと手を振って否定した。
「もう手遅れだから。勇者パーティー入らずに妖精の扉通れたから妖精確定だぞ」
「あぅぅ……そうでした」
がっくりと肩を落とすディナ。癖のあるプラチナ肩で揃えた髪が垂れて頬を隠した。
「まあ、俺のケイカ村にもハーヤやヘムル、マージリアがいるからな。暇なときにでも会いに来るといい」
「あ、はい! わかりました……みんな勇者さまのために働いてるんですね」
「ディナだって働いてるじゃないか。奴隷にまでなって」
ディナは少し暗い顔をした。
「妖精界がなくなって行き場が無かったですから。僕は妖精として特別なことができないので掴まるといろいろ危なかったんです。だから人間のふりして暮らしてました。掃除だけは好きなので」
「それは大変だったな。まあ、妖精界も取り返したんだ。いつでも遊びに行けばいい。俺の村に定期的な連絡するのも忘れずにな」
「はいっ、本当にありがとうございます、勇者さまっ!」
ディナは白い歯を見せて笑った。
その後は地下室を見て、聖金の隠し場所を確認した。
これでケイカハーバーの確認は終わり。
リオネルと一緒に外へ出る。
西に傾いた太陽から明るい日差しが照りつける。
「ケイカ村は冬が近いのに、ここは温かいな」
「聞いたところに寄ると、年中暖かいそうです。雨の降る季節と雨の降らない季節の二つしかないとか」
「雨季と乾季しかないのか。熱帯だな」
「ねったい?」
「ああ、気にするな。しかし、これだけ温かいと作物はどうなるんだ?」
「川が傍にあって水に困らないので、年中、畑を作れます」
「そうか。米と豆は重要だからな。念入りに頼む」
「大好きだそうですね。任せてください」
リオネルは、はにかむように笑った。
俺はサラサラの金髪頭をくしゃくしゃに撫でた。
「じゃあ、この調子で町作り頑張ってくれ」
「はい、ケイカさん!」
頼もしい返事をあとにして、俺はケイカ村へと帰った。
童話のパロディ書いてみました。
少しは笑えるコメディになってれば幸いです。
【なろうテンプレどうわ~異世界転生チートましまし~】
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