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第三十九話 森の住人。


 ベルドナード領の肥沃な森を翔ける小さな影。

 時には物凄いスピードで地面を駆け抜け木々を飛び移り野生の動物を狩って食べ。

 時には川で魚を捕らえる。

 時には森でゆったりの日向ぼっこしたり川にぷかぷか浮かんだり、リスみたいな小動物を追いかけまわしたり。


 そんな自由奔放な生活をしているその影は久々に森の終わり、つまりは街のある方に近づいていた。特に意味はなくただぶらぶらとしていたらここまで辿り着いてしまっただけ。

 街が近いためにたまに人がいる可能性があるのでいろいろと面倒くさいから来ることがなかなかない場所だった。

 案の定、その日も2人の人間が小屋で何かをしているのを発見した。


「いい匂い……」


 匂いにつられて近くまで来てしまった。見つからないように匂いの正体を諦めて森の奥に戻っていった。

 次の日も次の日もあの小屋からはいい匂いが漂ってくる。夜に気配を消して小屋に忍び込んで見るとそこには沢山の見たこともない物とひとりの男が寝ていた。

 流石にこの時間はいい匂いはしないがこの男が毎日なにかを作っているのだろう。

  小屋からでて辺りを歩いてみると近くに小さい魚が沢山見たこともないような物の上に置きっぱなしになっていた。もしかしたらあの匂いの正体はこれかもしれない。と、その小魚を両手で目一杯掴み取って森に帰っていった。


 小屋からかなり離れた森の奥で持って帰ってきた小魚を口にする。

 まだ完全に乾燥しきっていないがそれでも魚の旨味はしっかりと濃縮されていて、顔がその味によって驚きに染まる。


「美味しい……」


 気が付いたら持って来た分が全て無くなっていた。

 あの男はこんな美味しいものを作れるのか、と興味が湧いた。がいつもしていたあの匂いはこんなものじゃなかった。ということはこれよりさらに美味しいものがあるという事だろう。

 また今度こっそりと見にいってみよう。

 すぐにいくと無くなったのがばれて見つかってしまうかもしれない。

 数日後にはなんと前回の比ではないほど小魚が置いてあった。が、網が乗せられていて取りづらくなっていた。取りづらいといってもそれは鳥にとってというのであって知能があるものには何の意味の無いが。


 今回も前回同様に持って帰ろうとするが僅かな罪悪感が芽生えて少し少な目にした。

 また後日。今度は今までのお詫びに森の奥で仕留めた鳥を2羽を川で血を抜いて小屋に向かった。今回は魚がおいては無かったけど今度は屋根からお肉が入れ物に入って吊るしてあった。

 今日はお詫びの品を持ってきたのにこれを持って帰ったらお詫びにならない。頭ではわかっていたけど食欲には勝てずに2つしかないお肉の1つと持ってきた鳥を交換して逃げるように森の奥に帰っていった。




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