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小さな賢者は隠しごと 〜三歳のレオンは、のほほんと照らす〜  作者: マシュマロ羊


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みんな聞いて♪レオンは報告する。

いつも応援ありがとうございます!

プライベートがバタついているので、しばらく更新が遅く不定期になります。

でもレオンくんたちのお話は大切に書いていきます٩(。•ω•。)و

少しお待たせしてしまうかもしれませんが、のほほんとお待ちいただければ幸いです。

これからもどうぞよろしくお願いします( * ॑꒳ ॑*)

 





 領主邸の広間に、山の散策を終えたアルベルトとレオン、そしてバルトが戻って来ました。


 重厚な扉が開くと、そこにはヴィクトールの他に、なぜか王都にいるはずのガツとシクの姿があります。


「ただいまー! ……あっ! ガツとシクだぁ!」


 レオンはバルトの腕から下へ降り立つと、ぱぁっと花が咲くような笑顔で駆け寄りました。


「うわぁい!ボク、うれしい♪」


 いつものように、足元へ無邪気にまとわりつくレオンに、ガツは苦笑を浮かべます。

 そしてレオンをヒョイと抱き上げ、膝の上に乗せました。


「……よぉ、坊っちゃん。元気だったか?相変わらず親父さんを困らせていたようだな」


 ガツはレオンのふわふわな髪を優しくなでると、口角を上げてウィンクし、どこか面白そうに笑みを深めます。

 横ではシクが伏せ目がちにレオンの頬をそっと撫で、「……レオン様。……元気?」と静かに問いかけました。


 そんな二人の問いかけにレオンは、ニコニコと満面の笑みを浮かべます。


 アルベルトは挨拶した後、何度かシクとは言葉を交わす関係から、レオンの『お宝たんけん』を一緒に手伝ってくれないかとお願いしました。


「……とにかくレオンは、危ない所へばかり行きたがるんだ。今日も『死の溜まり場』に行こうとして、心底肝を冷やした。……俺一人では、もう心配で堪らないんだ」


 アルベルトの話を聞いたシクは、小さく頷きます。


「……レオン様の好奇心、止められない。……護衛、やる!」


 シクはレオンの自由行動を考え、後ろに控えることしました。

 その傍らではバルトは、セバスに向き直ると静かに一礼します。


「セバス、ただいま戻った。本邸の護りは盤石か?」


「お帰りなさいませ、バルト。いかがでしょう、レオン様の『探検』は。なにも、……いえ、あえて聞き返すまでもないですね。その表情からすべてを物語っております」


「ああ。……レオン坊ちゃまの慧眼には、驚かされるばかりだよ。お陰で、いろいろと楽しむ事ができた。フフ……次回もぜひお付き合いさせて頂こうと思う」


 プロの兄弟執事が、静かに報告を交わす背後で、ヴィクトールはガツからレオンを譲り受け、膝の上に乗せて話を聞いていました。


「レオン、どんな『たんけん』だった? 怪我もなくてよかったよ。それで、なにか面白いものは見つけたのか?」


 ヴィクトールはレオンを優しく抱擁し、背中をポンポンと叩きます。

 その子供特有のほんの少し高い体温に、フッと肩の力を抜いて癒やされていました。

 レオンはヴィクトールの胸元で、キラキラとした瞳を輝かせます。


「とうさま。ボク 、お宝みつけたぁ。だから、みんな、おいで♪スゴいお宝なの!」



 レオンはさっそく、『お宝』の場所へ誘いました。

 自然いっばいの山中であたたかな湯に浸り、のんびりと周りの景色を眺めながら、身体をじんわりとあっためるのです。

 そしてその後は、地熱を使ったあたたかな料理……。

 そんな光景を想像したせいか、レオンのお腹が「キュイ!」と鳴きました。


「ハハハ……、山を登ってたくさん『たんけん』したんだ。そりゃ腹も空くだろう。ならばまずは食事からだ。『たんけん』の話はその後ゆっくり聞くとしよう」


 ヴィクトールはレオンのお腹をポンポンと叩き、「ご飯だぞ」と教えると、「お腹さん、ペコペコと言ってるの」と、レオンは恥ずかしそうに応えます。

 そんな二人のようすを微笑ましそうに眺めながら、皆は食堂へと移動したのです。









 さて食堂では、季節特有の賑やかさと、芳醇な香りに満ちていました。


 今夜の主役は、清流でニコと本邸の料理人たちが腕を競い合い、その結果大量に釣り上げたニジマスです。

 ローズマリーとタイム、ニンニクの香りを纏い、乾煎りトウモロコシ粉をたっぷりとまぶして焼き上げました。

 黄金色の衣をまとって食欲をそそる香ばしさを放っています。


 サイドを固めるのは、新じゃがのコロッケ。

 中にはベーコン、人参、甘い新玉ねぎを入れ、香草にタイムとバジル、隠し味にニンニクとヤギチーズが濃厚なコクを添えています。

 こちらもトウモロコシ粉をまぶしてカリッと揚げられ、一口頬張れば素材の旨味が口いっぱいに広がるでしょう。


 料理の合間を縫うのは、早取りトマトと新玉ねぎのスープです。

 トマトの爽やかな酸味に新玉ねぎの瑞々しい甘みが溶け合い、仕上げに散らされたバジルの香りが、濃厚な食卓を清々しく整えます。


 食卓には、ヴィクトール、アルベルト、レオン、そして招かれたガツとシクが座っています。

 カトリーヌは知人宅へのお呼ばれで、あいにく不在です。

 その背後では、セバスとバルトが完璧な所作で、主たちのグラスへ静かにワインを注いでいきます。

 注がれる液体が描く細い線は、まるで銀の糸のよう……。

 二人は音もなく立ち回り、食卓の心地よい緊張感と温かな空気を、優雅に整えて行きました。


「……うわぁ、おいしそう!」


 レオンが料理を目の前にして目を輝かせると、ガツはさっそく焼きたてのコーンブレッドに手を伸ばし、感嘆の声を上げます。


「しかしすげぇな。……侯爵家の料理人たちの魚を釣る腕はたいしたもんだ。新鮮な川魚は最高の一品だぜ」


 シクは相変わらずマイペースに食を進め、コロッケが気に入ったのかおかわりをお願いしている……。

 アルベルトはレオンのニジマスの骨を取り除き、食べ易くしていました。

 ヴィクトールは兄弟の仲の良い様子と、集まった者たちの満足げな笑顔を見渡し、一安心です。


「レオン、それでお宝探しで、どんなものを見つけたんだ?……父様にも教えてくれないか」


 主たちが和やかなひと時を過ごす中、背後に控える兄弟執事一バルトとセバスは、その穏やかで楽しげな空気の中を、優雅に泳ぐように給仕をこなしていました。


 そんな中ヴィクトールは楽しげに問うと、レオンはキラキラとした瞳で話すのです。


「お山でちゃぷんしたの。ヌクヌクの、パチパチよ。のほほんして、湯気もわもわね……。ボク、みんなと一緒に、ほりほりして、ウマウマしゅるの!」


 その言葉に、食卓が一瞬静まり返りました。


 ヴィクトールは目を見開き、アルベルトはスプーンを止めて顔を上げます。


「……ヌクヌク、ちゃぷん……? まさか、山の中で温かい水場を見つけたのか?」


「そっか!あれも地熱だから一緒なんだ。なら豚の蒸し焼きが、また食えるぞ!!」


 ヴィクトールの疑問をよそに、アルベルトはとても嬉しげです。

 レオンも「うん!」と元気に頷きました。


「……なるほど、自然の地熱を利用した蒸し料理ですか。湯気がもわもわと立つほどの……。レオン様、それは素晴らしい発見ですね。ならば料理人に伝えねばなりません。ニコは大忙しですね」


 給仕の合間にその報告を聞いたセバスが、執事の仮面を忘れ、早々に先の算段を始めると、その背後にいたバルトは目を丸くします。


「セバス、まさか、地熱で料理をするということか? ……あっ! それより旦那さま、おっしゃる通り温かな湯処で間違いございません。私も密かに『足湯』を堪能させて頂きました。ぜひ旦那様も、レオン坊ちゃまのご招待お受け下さいませ」


 バルトは少し呆れつつも、すぐに執事の顔に戻り、ヴィクトールに詳細を報告しながら進めました。

 その話を聞いたガツは面白そうに笑い、大きな手で自分の顎を撫でさすります。


「坊っちゃんは、面白いお宝見つけたようだな。ならば喜んで、ご相伴に預からせて頂こう! 確か……どっかの国に、山の恵を用いた極上の湯処があるって話を、聞いたぜ」


「……自然の湯処は、極楽湯。イナリ、言ってた」


 シクは食べ過ぎたお腹をさすり、ガツの話に補足しました。

 それを聞いたヴィクトールは、その『極楽湯』の話に興味を惹かれ、レオンの『ヌクヌク』への期待に胸を膨らませるのです。


 レオンの『たんけん』は、翌日さらなる賑わいをもたらす予感がします。

 大人たちは、まだ見ぬその山の恵みと、レオンが計画している「ウマウマ」の話で、ディナーの夜は更けていくのでした。







読んでくれて、ありがとうございます(*´ω`*)

たくさんのブクマやポイント嬉しいです( * ॑꒳ ॑*)

とても励みになり、がんばろうと思いです。

メールもとても嬉しくネタになることも♪

誤字脱字報告ありがとうございます。(о´∀`о)

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― 新着の感想 ―
その国と交流が有るのなら、山師と技術を呼んで開発が出来そうだね。 こっちは前例が有るから、レオンの関与を隠しやすそう。
更新ありがとうございます。 山奥の秘湯…キャンプ好きな息子から聞いたのですが岐阜の平湯温泉にそんな感じの露天風呂があるそうですよ?…今は崖崩れ?で営業休止中で行けないそうですがレオンの温泉もそんな感じ…
感想一覧
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