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31,番外編2 ディアside

存在すら忘れられていそうなディアsideです。

 「国王というのは恐ろしく忙しいねぇ」


 そうボヤいて肩を揉むのは今の俺の主であるクリストフ・アレル陛下。

 レイが宰相になってすぐ、国王の位を引き継いだ。

今の俺は専属騎士がいなかったクリストフ陛下が王太子だった時にレイの紹介で側近となった。


 国王の候補として教育は受けてきたし、陛下のサポートをするくらいどうということもないが、あまりにも話しすぎではないだろうかと思うようなことも話す。

 

 それは全部レイへの絶対的な信頼があってこそのものだと思っているから俺はなるべく必要に応じてサポートはしているが。


 レイはガラス作家、領地の運営と宰相を兼任している。クリストフ陛下も大分無茶なことを言うと思ったが、レイは金魚で釣られ、体調を管理しながらもその3つ全てをそつなくこなしていた。


 ディークは完璧すぎると噂されていたが、レイの方が凄いのではないだろうか。


 「ねぇディア。ここ、怪しいと思うんだけどさぁ」


 そう言ってクリストフ陛下が見せてきたのは2年くらい前にできた王都の平民学校の活動報告書。


 確かにその報告書の通りなら活動に対しての資金が明らかに合っていない。多めの援助は行なっていて、少し余るくらいの計画になっているはずなのに1円も余っていない。平民が使用する一般的な教材の分以上に何かに使っているということになる。


 「財政官がいないからそっちの管理は宰相のレイに一任しているんだけど情報が行ってないのかなぁ」


 わざとらしい。クリストフ陛下は俺を遣う時、必ずこの口調になる。

 

 「貴方ならいつでも呼び出せるのでは?領地運営は嫁さんと分担してやっているようですし執務室か工房に飛べば貴方から会いに行くことも可能です」


 「じゃあ行ってくるからそれまでよろしくね〜」


 全くこの人は、と思いつつも側に居続ける俺は意外と心の奥底にある忠誠心が高いようだ。

 

 ソファーに座っているリジー王妃も女性からの招待状を捌きながらクスクスと笑いつつ慌ててはいないので俺の主は変人だというのは共通認識のようだ。


 俺は短くため息を吐いて書類の整理を始めた。

読んでいただきありがとうございます。

次話投稿は明日になります。

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