32,番外編3 ヴィンセントside
次回最終話になります。
レイとアナスタシアさんが結婚した半年後、僕とメルも結婚式を挙げ、僕はヴィンセント・ラインスターになった。
今は孤児院の監督をしながらアナスタシアさんの負担を減らすためにもと領地運営のことを学んでいる。
王位継承権が4番だったときはそれなりの教育を受けていたが、国と地域では王都とは異なる気候や生産物などの違いから統治法が少し違うようで、王子として受けてきた教育が生きるかどうかわからなかったが、考え方は一緒で国を統治するよりも個人的には難しいと感じた。
アストレア王国の王都ではそれぞれの地域から報告書を提出させて問題がないか適当に確認したり戦争が起きたときの処理などをするが、アレル王国の地方も同じように提出する報告書を作成するために町の様子を常に把握しておかなければならない。
ラインスター領は王都の次に広く、一日中回っても足りない日がほとんどで前当主はこの広い土地を常に管理していたのかと尊敬した。
少しずつだが任せてもらえる仕事も増え、レイの負担は大分軽くなったと思う。それでも宰相は激務らしいが。なぜ金魚で釣られたのかが本当に謎でしかない。
寝具の専門学校からは大きくはないが、信用のおける企業に就職できた子が数人、石鹸を作っていた少女の1人は同じく専門学校を出た少年が開いた雑貨屋で働き、平民向けだったことも相まって売り上げはどんどん伸びているそう。
そのお陰で従業員のための宿舎を用意できるようになり、公共馬車の利用などお金がかかる移動方法を取らずにすむことにもなった。公共馬車も需要が高いのであまり経営には問題ない。
メルも他国から来た者達に仕事を教え、孤児院で働ける環境作りを整えている真っ最中だ。
男性も女性も働く機会が平等にあるのはアストレア王国の王と違い、男尊女卑の考え方ではないアレル王国を統治する者や影響を与えたレイのお陰だろう。
国に入る際の入国審査の時点で調べられているものの、有志で自衛団も発足されて領民同士のトラブル解決や騎士になるための訓練を受ける場所も作られた。
なぜ国は彼がアストレア王国に行くことを許したのかは不明だが、アストレアの無能な王族のお陰で私はこうして幸せを掴むことができて、それだけはあいつらに感謝している。
これからアストレア王国は衰退の一途を辿るだろうが私はもうアレル王国の者だ。
もし親不孝者だと言われてもこの命が尽きるまでアレル王国のために働こう。そう胸に誓い、今日も書類と向き合う。
読んでいただきありがとうございます。
最終話投稿は明日になります。




