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25,開戦(?)

はっきり暴力描写あります。

 僕を誘拐して内部崩壊を狙うという宣戦布告?盗み聞き?から2日後、国境には長い塀があるが、それを魔法で強化し、上空に防音、防御結界を張った。防御結界は攻撃を防ぐだけではなく外からは中の様子が見られないようになっている特殊な結界だ。これは僕とイオしか使えない。


 今回のことは国民は知らない。なぜならアストレア王国は不戦敗が決まっているから。


 イオにも報告したら「竜の姿で威嚇すればあちらは戦意喪失するだろうよ」と言っていたのでアストレア王国の王宮まで飛んでいって少し脅かしてみようかと思っている。


 「アレイよ、準備は済んだか?我はいつでも出発できるぞ。アストレアの馬鹿達には格の違いを見せつけて牽制しなければならないからな」

 

 イオは結界を出るまでは人型なので動きやすいものを着ていた。


 「ああ、もう平気だ。2度とアレル王国に手を出せないように徹底的に潰さないとね」


 僕は加護を受けた時に貰った竜の翼があるから背中部分が大きく開いた服だ。

 冬だったら凍え死んでいるかもしれない設計。


 「じゃあ行くか。アストレア王国の王宮まで案内してくれ」

 

 この世界では国境と国境の間はどこの国の持ち物でもない、建物などが何もない空間が数10キロ続く。だから竜の姿で飛んでいても直前まで気が付かれなくて済む。


 僕達は国民に悟られないように朝早く、ひっそりと出発した。

 国を出るとすぐにイオの背中に乗る。


 これからラインスター兄妹を邪険に扱い、国外追放にしたアストレア王国に仕返しが出来ると思うと口角が上がるのが止められない。


 「随分と楽しそうにするのだな。あまり良い思い出はないだろうに」


 確かに良い思い出はあまりない。せいぜい両親が生きていた頃くらいだがそれも5年ともたなかった。


 時間をかけて作ったグラスは悪意に晒された後意図的に2つ割られた。

 罪人でもないのに鞭をはじめとする拷問器具を使われて体にも心にも一生残るトラウマや傷を負った。


 正当な評価を得られない仕事を拷問後に痛む体で朝から晩まで不眠不休で行わなければいけなかった。

 メルを傷つけたくなかったから取った行動でもそれ自体がメルにトラウマを植え付けた。


 今でも偶に悪夢で飛び起きることがあるくらい酷いものだった。


 この幸せがいつか壊れてしまうと考える時だってあった。アレル王国でそれなりの人気があっても当時のこともあり、複雑であまり喜ぶこともできなかった。


 「良い思い出はあまりない。両親の遺骨は今アレル王国にあるしアストレア王国にはもう嫌な思い出しかない。だからこそアストレア王国が自滅するのを想像すると楽しいのだよ」


 僕はそう言った後に自分の過去を話した。イオは何

も言わずにただ黙って聞いてくれた。


 「では、遠慮なく行く。お前は我の守護対象であり友人でもあるからな」


 全て聞き終わった後、イオの人を安心させるような声色。

 僕は弱くない。だから両親が死んだ後、悪意に晒されながらも自分じゃない幸せも自分で守らないといけないと気を張りすぎていた。僕は1人で闘っていたわけではないのに。心の奥底にあった恐怖からそれすら見失っていた。


 「イオ、ありがとう」


 心からの感謝。



 そこから数十分ほど飛んだらアストレア王国の王宮が見えた。

 イオに気づいた騎士達が怯え、逃げ惑う。かつて僕が怯えていた者が僕達に怯え、助けを求めている。これほどまでにスカッとすることは中々ないだろう。


 「イオ、第3王子はあっちにいる」


 あの男のことだ。無謀な戦いを挑むだろう。


 「アレイ・ジーク!どういうつもりだ!お前は国外追放にされた身であるだろう!なぜここまで残虐非道なことができるのか!」


 ええされました。国外追放に。でも、戻って来るななんて言われてなかった。それに残虐非道と言うが、まだ誰も殺していないし開戦の日時は伝えられていない。

 そして1番気に入らないのが。


 「僕はもうジークではないですよ。貴方達が戦争を仕掛けたアレル王国に実家がありますので。今はラインスターですよ。2度とジークと呼ぶなよ、役に立たない坊ちゃんが」


 僕が挑発すると予想通り、第3王子の顔は怒りで真っ赤になった。


 「王家への侮辱行為だ!マリアベルだけでなく僕まで侮辱するとは!」


 僕の怒りゲージが満タンになりそうだ。

 しかしそれはイオの一撃で消し飛んだ。


 「侮辱しているのはそちらも同じであろう。我が友人に2度と関われぬようにしてやろうではないか」


 竜の威嚇は耐性のない者が浴びれば即気絶する。

 第3王子は辛うじて耐えたようだが側近や騎士達はバタバタと倒れていく。


 そして戦闘不能になったアストレア王国に僕は吐き捨てた。


 「アストレア王国との縁を切ることは既に他国でも決定事項だ。もうお前達の顔を見ることもないだろう。やり過ぎたのだよ。アストレア王国は」



 そしてアレル王国は不戦勝。やっと一区切りついたのだ。

読んでいただきありがとうございます。

次話投稿は明日になります。

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