20,アナの誕生日
ほぼ想像で書きました
アナの誕生日が前日に迫っている。
今日はアナがいつの間にか友人になっていたクリスの婚約者のリジーをはじめとする友人同士で誕生日パーティーをするそうだったのでお茶会用の華やかさを失わないように気を付けながら作った淡いオレンジ色のドレスを贈った。
淡いオレンジ色はアナの赤褐色の髪によく似合う。セットでガラスで作った薔薇の髪飾りも付けたら凄く喜んでもらえた。
マリアベルと違って破壊神じゃないし、喜んでくれるから非常に贈りがいがある。
ランプも作り終わったので工房のステンドグラスを今は作っている。
僕の瞳である赤と弟子の瞳である青をベースに水の中をイメージしたデザインだ。
青い背景に赤い金魚や鯉を散りばめる。今はガラスをその通りに貼り付ける作業をしているので比較的楽だが型紙に合わせてガラスをカットする作業は細かくて大変だった。少しでも割れたりかけたりしたら台無しになる。
そのせいか僕もディークも若干ピリピリしていたがあとは貼るだけとなるとそれも緩む。
オーダーを受けたガラスペンを作った後に販売航路をどうするかを考える時間もできた。
「レイ師匠、こっちは終わりました。お手伝いしましょうか?」
「ああ、こっちもそろそろ終わるから大丈夫だ。先に休憩していていいよ」
僕がそう言うとディークはいつも通りに練習しに行った。
「よし、さっさと終わらせてしまおう」
僕はその後20分程でステンドグラスを洗浄工程まで終わらせた。
夕食後、ランプだけでなくアクセサリーも送ろうと考えた僕が家に帰ることも忘れていたのには自分で自分に驚いた。
5月なのにまだ肌寒い日が続き、寝落ちした僕は隙間風によって起こされたのだった。もちろんメルは工房まで飛んできた。少し怒られはしたが普段気を遣っている分強く言われずに済んだのは救いだ。
その日の夜、ラインスター家とシュノシュワ家そして手荷物及び元王子3人衆で細やかな誕生会が開かれた。
成人前だがアレル王国の社交界では既に未来の王妃であるリジーと友人関係にあり、男尊女卑国だったアストレア王国から来たにも関わらずそのような素振りは見せず、高位貴族ということで周りに当たり散らすような人物でもないとかなり評判が良いため誕生日パーティーを是非との声が上がった。そのため身内だけで行った後に行うことになった。
そして誕生会が終わった後、僕はアナを個人的に呼んでいた。
「レイ様、アナスタシアです。入ってもよろしいですか?」
コンコンと控えめなノックと共にアナの声が聞こえてくる。
「どうぞ、入って」
扉を開けて促すとアナは少し気恥ずかしそうに入室した。
「改めて、14歳の誕生日おめでとう、アナ。こうして君の誕生日を祝うことができて本当に嬉しい。公のプレゼントとしてドレスは贈ったけど、これは僕の個人的なプレゼント。市販されていないからこれも手作りになってしまうけど…気に入ってくれると良いな」
そうして僕はランプと気まぐれから徹夜して作った髪飾りを入れた箱を渡した。
「今、開けても良いですか?」
「ああ、勿論だよ」
緊張からなのか僕の心臓が早鐘を打っているのがわかる。
「凄い…綺麗…」
シンプルだったけどそれは自然に漏れたような感想だった。
「気に入ってくれたかな?色付きガラスで作ったランプと髪飾りだ」
「はい!凄く綺麗です!えっと…これはもう少ししたら開催される私の誕生パーティーで着けても良いですか?」
嬉しさから口角が緩む。
「うん。是非着けて欲しい。きっとアナに似合う。アナのことを考えて作ったんだ」
凄く恥ずかしい告白をしているような気がしないでもないが、今日くらいはと思って笑った。
「ずっとずっと大切にします」
暫くお互いに見つめ合っていたが、急に恥ずかしくなりあまり話すこともなくその日は別れた。
後日、誕生パーティーで僕が贈った淡いオレンジ色のAラインドレスを着て、僕の瞳の色の赤い薔薇の髪飾りを着けて僕のエスコートを受けるアナに来賓が目を奪われてアナに男性の友人がいなくて良かったと心底安心した。唯一男性で来ていたクリスはリジーの付き添いだったらしく、珍しく気を利かせて近づかないでいてくれた。
しかしその翌日に工房まで来て昨日の僕がいかに甘い表情をしていたかを長々と語ってきたクリスはやっぱりクリスだと思った。まあ昨日は邪魔しないでいてくれたので甘んじて揶揄われていたが。
読んでいただきありがとうございます。
次話投稿は明日になります。




