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17,国王来領⁉︎

 幼馴染のクリスを見送ってから早2日。僕とディークは相変わらずガラス細工作りに励んでいた。


 この前クリスを案内した時にメルとヴィンの専門学校も良い感じに回っていたしアナ主体のプリザーブドフラワー作りも女性陣が張り切っていたので問題ない。


 吸収力が高く、女性陣は一般向け、アナは貴族向けに役割分担された。1人だと負担が大きいので僕も手伝ったりしているがそのうちに弟子がつき、僕はガラス細工作りに集中出来るようになった。


 今はディークがグラスに模様を彫る練習、僕はアナの誕生日に贈るステンドグラスランプを作っている。

 デザインが決まったので型紙のカットをしていた時、手紙という嵐はやってきた。


 内容はアレル王国国王、ダン・アレル国王陛下の来領。クリスが持っている魔法陣は僕がいる場所に転移するようにしてあるからそれを使った陛下が来れば工房が見られるわけで…。僕が王家に引き抜かれてしまうことも考えられる。考えただけでも恐ろしい。


 「レイ、3日ぶりかな?報告したら来たいって駄々こねたから連れて来ちゃった…ってここどこ?」


 「クリスお前…!僕が風呂に入っていたらどうしていたんだ!偶々工房にいたから良かったものの…今度からは日時を明らかにした上で前日までには手紙を寄越してくれ。お久しぶりです。国王陛下。大変お見苦しい姿をお見せしてしまい申し訳ございません」


 「ああ、こちらこそー」


 「レイ師匠!どうしましたか!」


 陛下が最後まで言う前にディークがドタドタとやって来た。時間の経過から考えてしっかり片付けをしてから来たのだろう。


 「ディーク、アレル王国国王のダン・アレル国王陛下だ。こっちが幼馴染のクリストフ王太子殿下。決して不審者ではないから安心してほしい」


 「国王陛下…?っ…!申し訳ございません。元アストレア王国第2王子のディークと申します。現在はアレイ様を師としガラス細工を学んでおります」


 慌てて自己紹介をするディーク。切り替えの速さ、流石ですね。


 「2人とも息子から話は聞いているし楽にして良い。それと今の一撃で扉が外れたようだがそれは良いのか?」


 陛下が指差した方向を見ると慌て過ぎたディークが勢いよく扉を開けたと思われる木片が散らばっていた。そこまで急いでいたのに片付けをしてきたなんて優秀優秀。


 「ええ、この扉はもうすぐ変えようと思っていたところですので問題ありません」

 そう言って扉のデザイン画を見せた。


 「これは、ガラスか?」

 「はい、色付きガラスが作れたのでステンドグラスで扉を作ろうと思っていたのです」

 色付きガラスと言った途端、陛下の目の色が変わった。


 「ほう、クリスに作ったというグラスと同じく色付きガラスか。中々に興味深い話だな。是非聞かせてほしいものだ。引き抜くつもりはないがオーダーすることはあるかもしれないからな」


 有無を言わさぬ良い笑顔に断るという選択肢はなく、泣く泣くガラス細工について語ることになってしまったのだ。

 しかもその後町を見たいと言い出し、色々な所を案内しなければいけなくなった。メルとヴィン、アナ、全てを回り、ようやく満足したと思ったが違ったようだ。


 「では、本題に入ろう。君はアレル王国の入国審査の見直しを申請した。まずはその理由を聞こうか」


 疲れ果てた頭でディークとの会話を陛下に話した。身元を偽れば犯罪者が入れること、身元が特定しにくい有能な者を逃す可能性があること、冬の気候的に職員の命に関わること。全てを語ってみせた。僕とディークが解析魔法の使い手でもあり、魔法陣の制作に当たっていることも。


 「魔法陣を2人で作っていると?しかも入国審査で使う門の大きさに合わせた強力なものを?にわかには信じられないな」


 疑うのは当然だ。本来の作り方を完全に無視している。

 「では、実践しましょう。すぐに作れるものは手紙用の小さいものですがそれでも証明できないより良いですから」


 神経を集中させると口が勝手に呪文を唱え始める。


 それは僕にも何て言っているのか理解できない。

 グォンと音がして足元に白い魔法陣が構築されていく。息を呑む様子が聞こえてくるが自分の意思では呪文を止めることはできない。最後の1音を言いきるとこちらに意識が戻ってくる。


 「この目で見てしまったらもう否定は出来まい。解析魔法の件、検討しておこう。では、また来る」

 そうして嵐は去っていったのだ。


 「レイ師匠、水をどうぞ」

 できた弟子が水を差し出してくれたので素直にお礼を言い、飲み干す。呪文を唱え続けると異様に喉が渇く。1人でやっているから余計に。


 当分嵐は来ないだろうと踏んで僕らは帰宅した。

読んでいただきありがとうございます。

次話投稿は明日になります。

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