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16,僕の幼馴染は クリストフside

今回はアレイの幼馴染のクリストフsideです。

 10年間、1度も顔を合わせなくなった幼馴染がアレル王国に帰ってきた。


 手紙には婚約破棄からの国外追放だと書いてあったが久しぶりに会えると楽しみにしていた。

 それなのに…。


 「何故来ないのだレイのやつは!会えると思って楽しみにしていた僕が馬鹿みたいではないか!」

 レイが帰って来てから1ヶ月経ったというのに。

 「クリス様、本音が漏れていますよ。それに、たった今手紙が届きましたよ。アレイ様からクリス様宛に」


 拳をぷるぷるさせている僕に愛する婚約者のリジーが手紙を差し出してくる。

 「ああ、リジー。ありがとう」


 手紙を開いて絶句する。

 

 『クリス、久しぶりだね。アレイだよ。突然だけど暫くは忙しくてね、会えないんだ。今度遊びに行ってあげるからさ、もう少し我慢してね⭐︎』


 「相変わらずあいつは…。リジー、明日レイに会いに行く」

 「はい、明日は友人にお茶会に誘われていますのでご一緒することはできませんが、楽しんで来てくださいね」

 「ああ、待ってろよレイ!僕を放置したことを後悔するが良い」


 その日の僕は上機嫌で床に着いた。

 翌日、僕は1人の側近と馬車に揺られていた。


 5時間ほどかけてラインスター辺境伯邸に向かう。

 着くのは10時頃になる予定だ。転移魔法で手紙を送り返しておいたのでアポなしではない。


 「やあ、レイ。来たよ」

 「来たよ、じゃないですよ。忙しいと言ったではありませんか。まあこのまま帰すわけにもいかないですし僕の部屋にでも案内しますよ」


 挨拶した途端にレイの強烈な一言が飛んでくるが突き返さないところは昔と変わっていない。


 だが、見過ごせない点が1つ。

 「レイ、痩せたというよりやつれたね?」

 所々骨が浮き出た腕に肌も白いというより青白い。


 「これでも大分良くなった。僕に放置されて可哀想なクリスにできた幼馴染がプレゼントを用意しているよ。さあ、着いて来て」


 誤魔化されたような気がしないでもないが素直に案内してもらえて安心した。

 「どうぞ、クリス」

 「何、これ。林檎?」


 レイ自ら出したのは黄色のグラスに入った紅茶ではない何かだった。

 「色付きガラスが上手くいってね。彫ってあるのは蜂と向日葵だけど中身は林檎ジュースだよ」


 色付きガラス。レイが絵本で読んだとずっと憧れていたガラス。それの生産に成功したというのか?


 「ふふ、驚いているね。僕が作ったんだよ。弟子と一緒にね」

 そう言ったレイは今まで見たこと無いような自信に溢れた笑みを浮かべていた。

 「凄いな。夢で終わると思っていたのに。多忙の理由がわかったよ。これはプレゼントも期待して良いみたいだね」


 「勿論だよ」

 出されたのは水色の箱。促されるままに丁寧な包装を1つ1つ外していく。

 「っ…!これって…!」


 入っていたのは氷の城とペガサスの模様が彫られた水色のグラスと水の流れを連想させるガラスでできたペン。


 「まだどちらも試作品って感じで世には出回ってないんだけどね。幼馴染特権だから感謝するように」

 「ありがとう、レイ。凄く綺麗だ」

 

 挑発するような物言いも全部どうでも良くなるようなクオリティに僕の口は自然に感謝の言葉を述べていた。

 「だろう?」


 いつの間にか魔法陣を使いこなし、夢を現実にし、民からの信頼を我がものにしたレイはこれからどうなってしまうのだろう。


 「この後は町を案内するよ。せっかく来たんだ。皆のこと見ていって。大分落ち着いてきた学校にも連れて行くよ。あと僕の婚約者も紹介するからさ」


 「ああ、助かるよ。それにしてもこんなとんでも男の婚約者も変わり者なのかね」

 僕の予想は当たっていた。レイの婚約者も凄かった。自ら庭を管理し、商売のことを考えていた。


 「初めまして、アレイ様の婚約者でアナスタシア・シュノシュワと申します」

 レイの指示でアナスタシア嬢はロイヤルブルーの薔

薇を僕に手渡した。


 「プリザーブドフラワーだ。商品化も考えてる。ロイヤルブルーの薔薇は可能性の花言葉を持つ。クリスにぴったりの花だろ。少し入れてる紫の薔薇は誇り、尊敬。僕はこれからもずっとクリスを支持する。サポートもする。だからまた一緒に頑張ろうな」


 やっぱり来てよかった。変わり者だが人への思いやりは絶対に忘れないのがレイだ。

 

 「レイ、アナスタシア嬢、感謝する。これからも宜しく頼む」

 僕が心からの感謝を口にすると2人は嬉しそうに口角を上げた。

 

 その日は無料教育をしているという平民向けの学校と専門学校化した孤児院で小さな子供が楽しそうに働いている様子を見て更に驚いたのだ。王都に貴族学校はあるが平民の教育機関はほぼない。レイが国王に入国審査の変更を打診したのも国民の大半を占める平民を有効に活用するためだったのだ。


 これを持ち帰ろう。父に今日見たことを話そう。

 そうして僕は大量のプレゼントと共に帰路に着いた。


 今度からは転移陣を使えば良いと言われたので頻繁に出入りしても良いようだ。

読んでいただきありがとうございます。

次話投稿は明日になります。

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