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ミリア師匠に弟子入りした日

私がミリアさんに拾われあれから3年。

私は、そのままミリアさんの家で世話になっている。


「私はルークと申します。」

あの日、スープを飲み干した私は、彼女に今後ここに置いてもらえるよう頼むため、まずは今までの経緯を全て話した。そう、前世の知識も含め全てだ。

はっきり言って当時の私は3歳児として異常としか言えない様子だった。

一緒に暮らせばすぐに気付くだろう。

気づかないのは、私を見ようとしない屋敷の人間くらいなものだ。

なんにせよ私は事情を説明した。ここではない異世界で45年の人生を過ごし、この世界で3年間を生きてきた事。貴族だったが、跡取り問題といえるだろうかかは微妙だが家の事情で、森に捨てられた事。どうかこの家に置いてもらいたい、と。

また、体は小さいがそう言った理由で大人と同じ思考力はあり、工夫すれば家事などで役に立てるだろうと主張した。

彼女の反応は、私が予想した以上にあっさりしたものだった。

異世界のくだりには驚いていたがむしろ姿と言動のギャップに納得がいったらしい。

置いて欲しいという部分に対しては

「ここで放り出すくらいなら、最初から拾いやしないよ」

と返された。

そうして、私の新しい生活が始まった。

ここで命の恩人であるミリアさんについて話したいと思う。

とはいえ、私も彼女について知っている事は多くない。

まず、今までの会話から読み取れるように、彼女は見た目通りの年齢ではない。

素直に信じるなら100歳を超えているらしい。

これについては、前世の知識が魔法もある世界ならそういう事もあるだろう、と変に納得している。


また、彼女は凄腕の魔法使い、いわゆる魔女だ。

つまり普通の人のようにただ日常的に使うだけではなく、神秘の探求を行い新たな魔法を生み出すことを目的としている。

前世で言えば、研究者や開発者というべき立場の存在のようだ。

そして現在、私の魔法の師匠でもある。

ミリアさんが魔法の専門家と聞き、私は魔法を教えてほしいと頼んだ。

すると彼女は鋭い目で

「復讐でも考えてんのかい?」

と聞いてきた。

「いえいえ、違います。」

誤解されてはたまらない。

私は急いで口を開く。

「お話しした通り私が前世住んでいた地球では魔法は物語の中のものでした。ですから、これは興味本意です。もしも、そんな動機では教えられないと言うなら、どうか忘れてください。」

私の当面の目的は生き延びることだ。

ここで彼女の逆鱗に触れては元も子もない。

それに…


「それに、そもそも私には復讐のつもりはありません。確かに今世の両親には愛情は貰えませんでしたが、この歳まで育ててくれました。また、もしここで私が復讐なんて事を考えたら、前世の家族の愛情が足りなかったみたいに思えるんです」

前世の家族は確かに私を愛してくれた。

私にはそれで十分だ。


しばらくの沈黙の後、ミリアさんは口を開いた。

「嘘じゃなさそうだね。いいだろう、それじゃあ今日から私のことは師匠と呼びな。ふん、悠々自適な隠居生活だと思っていたが、面白い運命もあったもんじゃないかね、ルーク」

「はい、師匠。よろしくお願いします。」

かくして私に魔法の師匠が出来たのだった。

命を救われ、魔法を教わる。

これからも数え切れないほどの恩を受けるだろう。

今はまだ何の力もない私だが、いつか必ず恩返しをしなければ。

そう心に決めたのだ。



なお家事については、ひとまず体の成長に合わせて出来ることをやることになった。


本日もお読み頂き、ありがとうございます。

続きが気になる。頑張れよと思っていただけた方は、評価とブックマークを頂ければ嬉しいです。

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