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宮崎から届いた寒風

 今さっきまでテレビで日本代表と広島の試合を見ていた。結果は広島が7対0で日本代表を下していた。この結果、カープファンとしては喜ぶべきなのだろうが逆に「日本代表はどうしたんだ」と不安になってくる結果でもある。まあ所詮は本番前の練習試合のようなもの、そこまで深刻に考えるものではないというのが実際のところなんだろう。


 まずは広島に生まれ育ったカープファンとしての視点全開で見ると、これはなかなかいい光景を見させていただきましたという感じで、試合中はずっと口元がほころんでいた。久々に野球中継を見る喜びに加えて、今日はやけに寒いので変なテンションが発生したのもあるが、結果もまたファンをにやけさせるには十分だった。


 まずは初回、セカンド安部とショート菊池がアウトになったが新外国人のルイスがうまくヒットを打った。さらにエルドレッドが二塁打でいきなり先制点を奪った。さらに松山もタイムリーで続いた。相手の先発は田中、ルイスが打ったときは「ルイスいいな!」、エルドレッドでは「今年も頼むぞエルドレッド」という感じだったが松山は「あれ、田中大丈夫?」となってしまった。去年、オープン戦では良かったけどシーズンではさっぱりだったので必要以上に警戒しているのか。


 広島の先発は前田健太。彼もまた日本代表候補だが、今日は日本代表ではなくいつもの赤いユニフォームでマウンドに登った。何となくまだ調整の途中なんだろうかと思ってしまった。フォームもちょっと違う感じだし、ボールだってそんなに来ていない。連打を浴びるなどしたが稲葉のダブルプレーなどで結局2回を無失点で切り抜けた。この際の二遊間はナイスプレーだった。


 日本代表の二番手は能見だったが、一球見ただけでも田中より前田よりボールが切れていると分かった。やはりグイグイと抑えていた。うん、この人は問題ないだろう。広島が次に繰り出したのはこれまた代表候補の今村。あんまりいいボールだったとは思わなかったがとりあえず無失点に抑えた。


 次に試合が動いたのは5回の表だった。その前の回でランナーに出ていた丸が牽制に釣り出されてアウトになっていたから打席には8番ルーキーの下水流が入っていたが、この回から登板の山井が頭にぶつけてしまった。NPBの公式戦なら退場になっていただろうがあくまでも強化試合なので続投。しかしこの人はどうもコントロールが定まっていなかった。


 石原はバントなりエンドランなりを仕掛けてきた。もちろんそのような小技を警戒していたというのもあるのだろうが、まるでストライクが入らずにフォアボールとなった。続く安部はダブルプレーだったがランナーは三塁へ進み、菊池がタイムリー。さらにルイスに代わって出場していた鈴木がツーベースで4対0となった。


 菊池は去年の夏頃から一軍に登場するようになったが、躍動感があるので好きな選手だ。まあ守備においても躍動感がありすぎてミスも多かったが、何と言うか楽しい選手だ。そして鈴木、去年は最終盤に一瞬だけ試合に出ていたが大器晩成なのか、素晴らしい打球だった。しかし打たれた山井投手は心配だ。最初のデッドボールもそうだが、ボールと合っていなかったから滑ってしまいコントロールが乱れたのだろうか。下水流の容態も大丈夫だろうか。


 6回も続投だったがいきなり松山にヒットを打たれ、堂林はあわやホームランかというフェンス直撃のツーベース。さらに丸にはフォアボールでノーアウト満塁となったが、天谷が中途半端なスイングで三振。さらに白濱がダブルプレーとなり事なきを得たがこれも非常に危うい場面で、白濱でなければ失点でもおかしくなかった。


 広島は4回には中日から移籍の久本、5回には今シーズンからリリーフ転向の福井、6回には2年目の戸田をマウンドに送り込んだが、いずれも日本代表選手たちを三者凡退に抑えた。もっとも「日本代表の投手はWBCで使われるボールで投げるが広島の選手は代表候補以外統一球」というルールだったらしく、そういう意味では勝手知ったるボールを使う広島のほうが有利だったとは言えるだろうが。


 特に福井は今年、やってくれないと困るというタイプの選手だ。年齢的にも、力量からしてもね。久本は層の暑い中日ならともかく広島ならばやってくれるだろう、中日は5勝から8勝できる力量の選手が多数二軍に眠っていて、誰かが駄目になってもすぐに穴を埋められるのがうらやましい。戸田はまだ細いので基本二軍だろうが、そこでどれだけやれるか。


 そして7回からは中崎が2イニング投げた。この中崎は太っている。と言うか身長も高いし恵まれた体格をしていると言ったほうが正しいだろう。そんな恵まれた体格を持っていながら割とコントロールが安定しているのがいい。ドラフト指名順位も割と下位だったが出てくるのは早かったし、そんな凄いボールを投げるわけではないが凡退させる事が出来るようだ。


 日本代表は杉内は見事なピッチングで2回を抑えた。内海も最初のイニングとなった8回は及第点の出来だった。しかし9回、木村の一見平凡に見えたが実際はイレギュラーバウンドだったらしいショートゴロを松井がエラーしてしまった。続く菊池がまたヒットでテンション上がったが、鈴木が痛烈な打球をレフトの方向へ飛ばした時は「まさか!」と叫んでしまった。まさにそのまさかで、打球はレフトスタンドに飛び込むスリーランホームランとなったのだ。


 外野に関しては本当に誰になるか分からない。鈴木は長打力、松山はバットコントロール、丸は選球眼をアピールしていた。そうそう、途中で実況の人が松山をパワーヒッターであるかのように紹介していたがそれは見た目だけだ。オープン戦で4割打った去年はチャンスだったが自ら手放してしまった。今年は同じ過ちを繰り返したくないと思っているのだろう。外国人も打撃に関しては良い感じ。


 天谷や岩本も負けられないだろう。評価急上昇の下水流は今日初めて見たが、結局デッドボールで退場となってしまったので正直よく分からなかった。出ていない選手で言うと赤松は守備と走塁は確実。廣瀬はまた怪我をしたらしいが試合に出られたら良い選手だ。外野と左投手は人数だけは立派なので、その中から一人でもしっかりした選手が出てくると面白くなる。


 さて、この鈴木の一撃によって点差は7対0と、あまりにも大きく開いてしまった。9回は今井が登板。木村のエラーもあって日本代表はツーアウト三塁まで進めたものの、最後は大島がセカンドゴロで試合終了、一矢報いる事すらできずに大敗となった。


 得点経過を見ると初回に先制、中盤に中押し、そして最後には駄目押しという無駄に理想的な展開となってしまった。それにしても内海を打ち込む過程は本番までとっておいて欲しかった程だ。守備に関しては、堂林と菊池の破天荒コンビが良かった。まあ堂林はやたらとファールフライを処理する場面が多かったが、やはり成長しているのだろう。


 まあ結果的には広島のいいところが目立った試合だったが、日本代表にとってはこれで課題が洗い出されたという部分もきっとあるはずだし、この敗戦を次に生かしてもっといい試合をしてくれるようになると信じている。早速明日には西武戦があるようだし、どうなるか期待しながら見ていきたい。


 メジャーリーガーも参加していないし「どうせ負けるよ」とか口にする事はあっても内心ではドキドキワクワクするのが日本代表の力。いわゆるナショナリズムという奴なのだろう。まあ負けるならそれでも仕方ない。どこかが勝てばどこかが負けるのは勝負の慣わしなのだから。負けるにしても気持ちよく負けてくれればいい。でも出来れば勝てよ。


 WBCだからここに書いたのではなくて広島だから書いたのであってここをスポーツブログにする予定はなくてこんなのは今回限りにするが、日本を代表するという事はそのジャンルにおいて一番注目を集めるという事。存在するだけでも重圧は凄いだろう。その中で結果を出すのは本当に難しい。でもやると決めたならどんと行くしかないのだし。それははじめも同じだろう。遠くから、顔も知らない誰かから寄せられる期待を裏切らないように、今日もまた健やかにあってほしい。

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