表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
『時代遅れスキル『ゴーレム制作』専門の男爵家四男が、転生者の知識でそこそこ頑張るはずが、なぜか王弟に目をつけられてしまう話』  作者: 葉月奈津・男
第一部、使用人が『王国の影』でした

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
7/28

第7話 『UP』

1/2

 


「なにがですか?」

「っ?!」


 興奮して踊り出しそうになったところで声がかかった。

 アンナを筆頭に、数人のメイドがシーツを抱えて入ってきている。


 想像に夢中になりすぎてノックに気が付かなかったらしい。


「あーっと、なにを作るか考えていたんだよ」

「・・・そうですか」


 なぜか疑わしげな目をするアンナがこわい。


「なにか、お手伝いできることはありますか?」

「え?」

「シーツはかなり大きいですからね。メイド長から手伝えそうなら手伝うように言われてきたんですよ」

「おお。さすが、マチルダ婆はよくわかっている!」

 思わず親指を立ててしまったね。


 マチルダ婆。

 メリマルゴール男爵家現メイド長。


 御年78の大ベテランだ。

 当主である父ですら頭が上がらない人物である。


 子供たちには激アマの『お祖母ちゃん』だけどね。



「なら、作るの手伝ってもらおうかな」


「私たちでもできますか?」

「形を作るだけならね。切って、縫うだけでいいよ」


 メイドには簡単な作業のはずだ。




 簡単すぎたね。


 二時間かからずにクラゲ6体に、鯉のぼり(白魚)2匹が完成していた。

 もちろん、もう一体も作り終えている。


 布製・・・『クロスゴーレム』の素体づくりは終了だ。


 ここからが『ゴーレム作成』である。


「ありがと。助かったよ」


 ここからは手伝いなんていらない。

 企業秘密的作業に入るから帰れ。


「・・・ふぅ。心の声が駄々洩れだって知ってますか?」

「うん。なので隠す努力を放棄しているっ!」


 自信をもってふんぞり返った。


「ああ。なるほど」


 ジトっとした目で睨んだまま、ニィッと笑みを浮かべるアンナさん。


 怖すぎですよー。


「まったく。どうしてこんなかわいげない子になっちゃったんですかね―」

「育て方を間違えたのでは?」

「育てられた本人が言わないっ!」


 まぁ、育ちは関係ない。

 四歳から四十路ではどうもならん。


 メイドたちを半ば追い出し。

 扉に鍵をかけた。




 さぁ、始めよう。


 魔法陣を展開。

 今回は素地ができあがっているので、そのままゴーレムにする。

 インクが滲むが、ものが大きいので『命令』も書ける。

 内容は前と同じだ。


 一気に10体。

 完成。


 思惑通り、10体ともが床から浮かび上がった。

 ふわりふわりと漂っている。

 これは予想通り。


 で、本題。


 体力は『紙』の時と同じ、上限が一体で10増えている。

 これは大きさの影響を受けないと思われる。


 魔力の上限も同じだな。

 一体で20増えている。


 ただし、魔力は作業前から1000も減っていた。

 減るそばから回復していた『紙』の時とは違い、回復してもいない。


 『紙』は一体につき30だったが、『布』は100。

 しかも、回復速度が落ちている。


 考えられるのは?


 この疑問はすぐに解けた。

 維持費だ。


 作って存在させておくだけで魔力を使うのだと思われる。

 当然か。

 作れば作った分、強くなれるなんてことがあるはずがない。

 『紙』の時との違いから、作ったゴーレムの大きさによっても消費魔力の量に差が出るものと考えられた。

 『大きい』、『強い』に比例して魔力消費が増大していくのだと思う。


 『素材の数×10体』で、無限に作れるなんてことはありえない。

 絶対どこかで制限が付くはずだと考えていたが、こういうデメリットがあったわけだ。


 いきなり『シーツ』をそのまま使ったのは失敗だったかもしれない。

 ハンカチーフあたりから攻めてもよかった。

 まぁ、大きさで変化する「かもしれない」ことがわかったのだから実験の意義は十分だ。


 それよりも、『布』でこうなのだから、『石』や『木』となるともっとだろう。

『大きさ』だけじゃない。

『重さ』、『密度』、もしかしたら『電気的負荷――魔力負荷』というのもありえる。


 なんにせよ。

 作って増えた魔力は維持費で消費されていくため増えたようで増えていない。

 逆に言えば、増えた分でゴーレムを維持している――ことになる。

 バランス調整が利いているわけだ。


 レベルアップ。

 わかったことを整理するとこうなる。。


 体力と魔力の上限が少し伸びている。

 紙のときと同じく、体力は一体につき+10、魔力は+20。

 ただし布ゴーレムは維持費が重く、魔力の自然回復が追いついていない。


 抵抗力がわずかに上がっているのは、布=ローブ扱いなのだろうか。

 細かい理屈はさておき、確かに強化はされている。


 そして——経験値が一気に1000増えていた。

 魔力消費=経験値、という仕組みらしいと考える。


 今はそれよりも。


「えーっと?」

 ウィンドウに指を近付けて、レベルのとこにある矢印に触れてみた。


「おおっ!」

 ウィンドウが一瞬金色に輝いて、レベルが上がったとポップアップ画面が出た。

 残念ながら効果音はない。


 自動で上がるのではなく、任意での手動操作。

 何かを大量製作するような作業をするときは、経験値計算が必要かもしれない。

 経験値を無駄にしないために。


 繰り越してはくれないだろうな、きっと。

 世の中って、そんなに甘くはない。

 淡い期待を持っていてがっかりしないように、そっと心の準備をした。


 レベルアップを選択すると、体力と魔力が大幅に上昇し、各ステータスも全体的に底上げされた。


 知力は特に伸びが大きい。


 ただし、余剰経験値は繰り越されずリセット。

 次のレベルまで必要な経験値は5000。

 効率よく稼ぐ方法を考える必要がありそうだ。


 ああ、そうだ。

 経験値の取得方法も探さないといけないな。


 やることが、山積みだ。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ